16 / 17

噛みグセ

年齢的にはお互いに22~24歳ぐらいです ​─────── 「かなたー、入るよー」 パソコンと格闘しているかなたに声をかける パソコンを閉じ、ぐぐっと伸びをするかなたの前にお茶を置く 「お疲れ様」 「ごめん、ありがとー」 「……仕事、まだ終わらないの」 「うーん……今日中に終わらせたいからもう少しかかる」 かなたが投稿した小説が話題になり、最近小説家デビューした ……のはいいが、忙しいらしく部屋にこもっていることが多い 俺も大学やらバイトで忙しく同じ家に居るのに一緒に居れることが少なくなった ……深刻なかなた不足 一ヶ月くらいヤれてない かなたを後ろから抱きしめ、かなたの肩に頭を預ける 「かなた、今日はダメ?」 「ごめん、明日打ち合わせ行かなきゃ行けないから…… あ! メールの返信忘れてた!」 また慌ててパソコンを開き、カタカタと文字を打ち込み始める ……………… ガブッ 「イタっ!?うえっ?!」 かなたが慌ててうなじに手をあて、うろたえる 「は?なん、え?幹人、かん」 「……ごめん、つい」 「ついって……」 はぁ、と息をはき、かなたが俺の頭をポンポンとたたく 俺は更に強くかなたを抱きしめる 「……かなた、ごめん」 「別にいいよ、今日は一緒に寝よっか するのはもうしばらく無理だけど ……ほら、一旦離れて「やだ」 「幹人」 しぶしぶかなたから離れる 「……血は出てないけど今日、明日じゃ消えないよね、どうしよう……」 「包帯巻けばいい」 「なんでそんな大袈裟(おおげさ)にするの ばんそうこう大きいやつ貼ればいけるかな 聞かれたらどう説明しよう……」 「噛まれましたでいいじゃん」 「なんでそんなに拗ねてるの」 「…………」 かなたが俺と向き合うように振り返る 「幹人」 「……かなた、どっか行っちゃうじゃん」 「行かないよ」 「……行くじゃんか」 「幹人が大学とかアルバイト行くのと同じ 帰ってくるよ」 「……ずっとパソコン触ってんじゃん」 「仕事道具だからね」 「…………」 「…………」 「……かなた(……)」 「なぁに?」 「………………さみしい(いなくならないで)」 「うん」 「……いやだ(一人は怖い)」 「うん」 「……いっしょにいて(一緒にいて)」 かなたが俺を抱きしめる 「最初からそういえばいいのにー おれの前で変な意地、張らないでよ」 わしゃわしゃと頭を撫でられる 俺はされるがままに受け入れる 「うーん……よし!もう寝よっか 明日早く起きてやれば間に合うし」 幹人も寝よーと言って俺をベットまで引っ張り、そのままベットへダイブする 「幹人が寝るまでぎゅーってしてるね」 「…………おやすみ」 かなたがすぐ側にいれくれる 寂しくない……一人じゃない 「……おやすみ、幹人」

ともだちにシェアしよう!