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木村勝編3-1

 神嶽はまた、勝を学園長室に呼び出していた。  前のように屈辱的なことを強いられて、だがそれで呼び出しに応えるのをやめればどうなるか。  勝もその想像力が欠けている訳ではない。苛立ちを乗せたノックの音が聞こえ、勝がやって来た。 「疲れた顔をしているな」 「誰のせいだと思ってんだよ……」  神嶽が仮にも上司だということも忘れ、心底呆れたように言う勝。  生徒や他の教員の前ではなんとか平常でいられるように自分を奮い立たせているが、神嶽の前だと、どうもそれは隠せないらしい。  脅される前と比べれば、勝は少し元気のない顔をしていた。一日の大半を過ごす職場で神嶽に監視され、穏やかでない時を過ごさざるを得ないのだから、それも仕方ない。  不安な気持ちで学園長室を訪れた勝とは対照的に、神嶽が悠長に応接用のソファーに座って書類のチェックをしていたのも勝をより不快にさせた。 「……で? またあんたのもんしゃぶればいいのかよ? 早く言えよ。こんなことさっさと終わらせて帰りたいんだ」  神嶽が言う前に本題を持ち出してきた勝は、投げやりに言葉を紡ぐ。 「今日は別のことをしてもらう」 「……ふんっ。何させる気だよ」 「両手を後ろで組むんだ。お前は手ぶらだと暴れるだろうからな、少し大人しくしていてもらう。力づくで犯される方が好みならば、そのままでも結構だがな」 「なっ……ば、馬鹿言えっ……誰がそんなことっ……」 (やっぱり俺……犯……される……。さ、最初からそういう脅しだったから、覚悟はしてたつもりだけどよ……でも……い、嫌なもんは嫌だろっ……うぅっ……)  今更ながらに貞操の危機を感じて胃の中のものがせり上がってきそうになっても、勝に逃げる術などない。勝は諦めたように息を吐いて両手を組んだ。  神嶽が席を立ち、レザーの手枷で勝の手首を拘束すると、その間で繋がれている短い鎖がカシャリと音を鳴らす。 (なんでこんなもん持ってんだよ……新しい学園長はお優しいエリートお坊っちゃまかと思いきやSM好きのホモ野郎……か。……我ながら、利用しやすい人間を見る目はあると思ってたのによ……)  勝は無言でうなだれている態度とは裏腹に、やはり心の中で愚痴りながら、舌打ちをして顔を歪めた。 「四つん這いになれ」 「……わ、わかったよ……」  勝は言われるがまま絨毯の上にゆっくりと膝をついてから、バランスが取りにくそうにソファーに頭を埋めた。  すぐに背後に立つ神嶽を憎らしそうに睨む。両手が自由でない為、どうしても尻を突き出すような体勢になってしまう。  無感情の目で勝を見下ろす神嶽の視線がゆっくりと動き、あるところで止まった。  その時点でおぞましい予感はしたのだろう、勝は身じろぎをする。しかし身を屈めた神嶽に拘束された手首を押さえつけられ立つことができない。  神嶽は自身も両膝をつくと、ジャージの上から勝の尻を鷲掴みにする。若さもあるが、さすが現役の体育教師、ガッシリと鍛えられた尻だ。人より大きめであるのも下半身の筋力が重要な野球経験者ならではか。  神嶽の意図がわかった勝は冷や汗を浮かべて身体を緊張させる。神嶽がズボンのゴムの部分に手をかけると、パンツごと膝まで引きずり下ろした。  いきなり性器を晒され、はっと息を呑んだ勝のペニスを根元から握り締める。サイズは平均的と言えるが、剥き癖がついていたのか萎えていても亀頭は完全に露出していて、雁首の凹凸もしっかりとしており、実に男らしい逸物である。自分でもさぞかし誇らしかったに違いない。 「いっ、いきなりそんなとこ触ってんじゃねぇよ! ホモの変態学園長! いくらヤりたいからって人の身辺勝手に調べ上げて、脅してっ……普通そこまでするか!? 常軌を逸してんだよこのクソ野郎っ……!」  勝がどれだけ喚いても、神嶽はたいして聞いていないようである。  ペニスから手を離すと、太ももを撫で、尻へと手を滑らせていく。そのよく締まった双丘を両手で揉みしだくと、左右に開き窄まりを剥き出しにした。  女にも、ましてや自分でも見たことのない部分である。そこをじっと観察されて、勝は屈辱に震えた。 「やめろっ……見んな……!」 「アナルファックは初めてか」 「アナルっ……!? あ、ああっ……俺はあんたと違って女にしか興味ねぇからな……! なんだよっ、初めてなら優しくしてくれるってのか……?」 「残念だがそのつもりはない」 「っ……ふざけやがって……あんた本当にどうかしてやが……──ッ!?」  顔を寄せた神嶽がふっと生暖かい息を吹きかけると、突如与えられた刺激に思わず勝の尻が跳ねる。  息がかかるほどに近くで見られているだけでも勝にとっては十分に耐えがたいが、もちろんそれだけでは終わらない。

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