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木村勝編3-2 ※無理やり、初めて
神嶽はたっぷりと唾液を絡めた舌を、あろうことか勝の窄まりに這わせ始めた。
「うわあああああぁっ!? 何してんだよっ! 気色わりぃことしてんじゃねぇっ!」
たまらず叫んだ勝になど全く無頓着に、神嶽は皺を伸ばすように、外側から内に沿って舌を動かしていく。
勝の羞恥心を煽る為か、わざとらしくぴちゃぴちゃと淫猥な水音も立てだした。
(なんてことだ……俺、学園長に尻の穴舐められてるっ……! きっ、気持ちわりぃっ……!)
硬くした舌先で中心を舐めほじられ、息を吹きかけられ、唾液が潤滑剤代わりとなって次第に勝のアナルは柔らかくほぐされていく。
神嶽が指で窄まりを押し広げながら、更に深くに舌を侵入させる。そのまま、ぐるりと円を描くように舌を動かしたり、出し入れしたりすると、神嶽から逃れたいのか、尻を舐められる感覚から意識を薄れさせたいのか、あるいは両方か、勝は自由にならない手首を必死に振った。
それでも戒めはきつく、ガシャガシャと金属の音を鳴らすだけだ。
「ぅ……ばっ、や……めろ……! 舐めんな……! そ、れ、やめろよ……!」
「舌で感じたか」
「そんな訳ねぇだろっ! 気持ち悪いんだよっ! クソッ……もう、いい加減……にっ……うぐっ!」
一瞬、勝の息が詰まる。執拗に舐められたアナルから、勝は軽くガスを漏らしてしまった。便も溜まっているのかその臭いはきつい。
「臭いな」
当然の感想を言われ、勝はあまりの羞恥に低く呻いた。
だが、それも束の間、神嶽は股間をくつろげ、屹立したペニスを勝に見せ付けるように取り出していた。
「勝。今からこれで、お前の肛門を犯してやる」
神嶽が淡々と言いながら亀頭を窄まりにあてがうと、勝の顔から一気に血の気が引く。
(あ、あんなでっけぇの……入れるつもりか……? 無理、絶対無理だ! 入る訳ねぇっ……!)
「ちょっ、ま、待て待てっ……! 考え直せよっ……! ほ、ほら、口でならいくらでもしてやるからさぁっ……!」
当初の覚悟などどこへ行ったやら、さすがの勝もこれから正にアブノーマルな性交を強いられようという時になって慌てだした。
何より自分が大切であるから、傷付けられることにはどうにも弱い男なのだ。
「考え直したら、何をしてくれると言うんだ」
「だから、フェラ……あ……そ、そう、チンコだけじゃなくて、玉も……前みたいに舐めてやるよ。も、もちろんあんたにされたことは絶対誰にも言わないしっ、それで十分だろっ? なっ、なぁっ!」
往生際悪くも、何とかより楽な方法で事を済ませてもらおうとする勝。
「あうっ!?」
神嶽は呆れているのかそうでないのか目の前の尻に軽い平手を浴びせた。勝の腰を片手でぐっと掴むと、もう片方を自身の竿に添える。
「勝。もう一度言うぞ。俺は、お前の肛門を犯す」
勝が思う以上に、神嶽はどこまでも有言実行の男である。
ひっと勝の喉が鳴るのを聞きながら、神嶽は張り詰めた剛直を容赦なく押し込んだ。
「待、て、っ……ああっ! 切れる、切れるぅっ……!」
挿入の瞬間、勝は括約筋に力を入れて抵抗した。神嶽は構わず割り進めていくが、食いちぎらんばかりの締め付けに雁首までが潜り込んだところでいったん動きを止めた。
「ひッ──うぎぃいい……グエェッ……!」
勝は蛙を潰したような声を上げながら悶絶する。長らく詰まった大便が出る途中で止まってしまっているかのような感覚に、開きっぱなしのアナルがひりひりと痛んでいるのだ。
(いっ、痛ぇっ、痛ぇよぉっ! やめろっ! 早く抜けよおぉぉぉっ!)
想像を絶する苦痛に、勝の思考はもうそればかりである。アナルをこじ開けられる衝撃とは、大の男がこうして怖じてしまうほどだ。
とはいえ、ここで使い物にならなくなってしまっては元も子もない。神嶽は少しこのままで、馴染ませることにしたようだ。
勝のアナルは異物を押し出そうと神嶽をきつく締め上げる。本来、糞をねじ切るほどの力があるところである。その締め付けが良いとも言うが、挿入する方だって人によっては痛いだけでそれどころではない。
しかし、神嶽は痛覚が存在しているのかすら疑問なほどに何ら変わらない表情だ。
「早く終わらせたければ、お前も協力するんだ。ゆっくり、深呼吸をしてみろ」
「っはぁ、ぅ、ぐぅっ! 今すぐ、抜け、よおぉぉっ……!」
「裂いて欲しいと言うのなら容赦はしないぞ」
神嶽は伸び切っている皺を指で更に押し広げようとする。
「痛ッ、つ、ぅうう……! ああっくそっ、わ、わかった、からぁっ……! 触んなっ……! すぅ……はぁっ……」
無理やりの肛門性交で裂傷してしまうのは誰しも御免である。勝は息を切れ切れにしながら、それでもなんとか吸って、大きく吐き出す。
神嶽がちょっぴりでも腰を進めるたびに、痛いと喚き散らして止めてしまうが、神嶽はそれを続けさせる。
何度も繰り返しだんだんと落ち着いてきたところで、所詮穴は穴だ。大きなものを受け入れる感覚に慣れ始め、ずっぽりと根元近くまで詰め込まれた。
「これでお前はいつでもここで男を奉仕できる身体になった。良かったな」
「良い、訳、ないっ……! あぁぁっ……いってぇっ……! っの、へ、た、くそっ……っが、はぁ……っ」
(な、慣れてるみたいな口ぶりだった癖にテクもねぇのかよ……っ!? ひでぇっ……あぁ……本当に痛ぇよこれっ……なんで、俺がこんな目に……っ)
神嶽がわざと痛いようにしていることなど、勝は知るよしもない。神嶽は今回は勝に快楽を覚えさせるつもりはなかった。
ひたすらに痛みを、屈辱を、虐げられる者の扱いを勝の身体に刻み付ける。
それが自己中心的な勝が、被虐に快楽を見出す奴隷になる道の第一段階である。
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