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木村勝編9-3 ※輪姦、嘔吐
男のペニスを遠慮がちに咥え、ぎこちなく頭を動かす。
改めて見知らぬ男達を慰めなくてはならない最低の屈辱がのしかかり、歯を立てられぬ代わりに硬い地面に爪を立てていた。
学生時代のいじめによりスポーツ選手として活躍する夢を諦めた勝。
その代わりに彼は教師という崇高な地位を手に入れた。未熟な自分が若くして先生と敬われるようにもなった。その一方では気に入らない生徒を貶めて鬱憤を晴らそうとする、都合の良い日々を送っていたはずなのに。
犬扱いをされながら歪んだ情欲のはけ口にされることになろうとは、誰が想像しただろうか。
生徒と同い年であった頃の勝が思い描いていた未来とは、全てがかけ離れていた。
「おほっ、相変わらず支配人の手掛ける奴隷はどれもいい具合だなぁ。病みつきになりそうだ」
「ふうぅ、そんなに良いのか、後で儂も確かめてみなくては。フフ、しかしまずはこのぱっくりと開いたケツマンコの味見といこうか……」
満足げな声にうきうきとしながら、後ろの男もいきり立ったペニスを涎にまみれた勝のアナルに挿入していった。
「むふっ、むぐぐむぅっ、ぐげっ……」
顔を離そうとするのを察した男が勝の頭を押さえつけ、より奥まで怒張を咥え込むことになった。
それなりに質量のあるペニスがいとも簡単に根元まで埋まり、上下をぴったりと塞がれ、激しい抽送が始まる。
「ぐおぉッ! むうぅぅんっ、ふぅ、ふううっ……!」
喉を突かれながら、勝は鼻にかかった甘い声が漏れてしまう。太いもので穴という穴を蹂躙される快楽は勝を蝕み、それだけで顔がとろけそうになってしまう始末だ。
そんな勝の卑しい反応に男達はこの上ない優越感を覚え、夢中で腰を動かして若い肉体を味わった。
「ほうら、今すぐ君のエサをたっぷりと出してあげるよ、僕のは栄養満点だからねぇ、さあさあ、ありがたく飲みなさい」
男たるものペニスに性的刺激を加えた最後に何が待つかはもちろん知っている。こうしてフェラチオを強要された挙句に飲まされることも今では日常茶飯事である。
だが勝は“エサ”という言い方のせいで、その言葉の意味を理解するのに若干の遅れが生じた。
ピストン運動が速まったかと思うと、片方の男が一足早く勝の口内に噴き上がる欲望を浴びせかける。
さすがの勝も多少の学習はするもので、口に射精されれば飲み干す、という行為を無意識の内にやってのけてしまえる程度の習慣はついてしまっていたのだが──。
(……また、の、飲まされた……今日はこんな変態ジジイのザーメン……エサを……あぁ……これが、エサ……? 俺は……も、もう……そ、そこまで堕ちてっ……! い、いぃ、嫌だ、嫌だっ! そんなの嫌だぁあああああっ!)
「うっげぇえええっ! おっ、おぉっ、ゲホッ……オエェッ……!」
濃い性臭と味、なおも突き込んでくる後ろからの強い腰使い、そして何より人間扱いされない絶望に耐えきれず、勝の胃はひっくり返り、飲み込んだばかりの精液を夕食と共に吐き出してしまっていた。
目一杯に喉を開かせ、げえげえと戻し続ける勝は、殺気にも似た禍々しい気迫を纏った神嶽に気付かない。
「…………勝」
神嶽が呆れた声で小さく呟いた瞬間、蒸した空気が重々しく淀んだようだった。
「せっかくお客様が恵んでくださったザーメンを吐くなどどういう了見だ!」
地を這うようなドスのきいた声音で怒鳴った神嶽は、勝の頭を鷲掴みにし容赦なく吐瀉物でできた水溜りの中に突っ込んだ。
「はっはっは、いやいや、良いんだよ支配人。彼も悪気はないだろうし、また出せばいいんだから」
「いいえ、それでは私の気が収まりません。世良様の寛容なご配慮には大変感謝しておりますが、ここは厳しく叱ってやらねばこの駄犬は立場をわからないでしょう」
にこやかに笑ってみせる男に、神嶽は苛立たしげに首を横に振る。
顔面を自身の吐瀉物まみれにした勝はうまく息ができなくなり、顔を背けようともがく。だがますます力がこもるばかりで、勝は明らかな暴力に呻くしかない。
「ぶげぇっ! うげぶふぅッ……! す、すいませんっ、ずみまぜん……! こ、今度はちゃんと、や、やりますからぁっ……!」
「俺の顔にも泥を塗ったな……勝。お前の上辺だけの言葉はいい加減信用ならん」
「そ、そんなぁっ……!?」
(が、学園長……怒ってる……? こ、こんなに怖い顔と声……初めてだ……あぁぁぁ……俺っ、何されるか……)
もちろん勝を更に貶めるための打ち合わせ通りの演技ではあるが、常に無感情のようであった神嶽が初めて見せた人間らしい一面だ。
どれだけ悪態をつこうが今までが彼の広い器で許されていただけなのだと解釈し、勝の顔色が変わった。
本能的な危機感に竦み上がり、激昂する神嶽から目が離せなくなってしまう。
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