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木村勝編10-5 ※フィスト、結腸責め、失禁
更には、この苛烈な肛虐地獄の中でも、アナルに集中して半勃ちになったペニスがドロドロと濃い粘液を吐き出し続けている。
勝の尋常ではない高揚が見て取れた。
(これっ……いつもと全然違う……怖くて、苦しくて……けど……けど…………!)
荒々しい呼吸の中でひときわ大きく息を吸い込んだ瞬間、勝の喉がひゅうっと鳴った。
「に、逃げなかったあぁあああっ!! おっおおっひいぃぃいいいっ! ぎぼぢぃぃいいいいいいっ! ぜんぶっ、受け入れんのっ、しゅげぇええええっ! ぎもぢ、いいよおぉぉお゛ッ……!」
(学園長の言う通りだった……! あぁッ!? ほんとにたまんねぇよこれっ! も、もう訳わかんねぇっ!)
それは勝の心からの叫びであった。
強情を張っていたことが愚かに感じるまでの晴れやかな解放感からか、頭が溶けそうなほどの快楽からか、ボロボロと大粒の涙を溢れさせ、脅迫者からのフィストファックに全身で酔いしれる。
(おッ……おぉおうっ、お、俺ぇ……! が、学園長と……もっと、早くに、出会えてたら……)
いじめに負けずに済んだ。弱い自分を隠さずに済んだ。復讐など考えもせずに、もっと違う、純朴な本来の勝が輝ける明るい人生が待っていた──かもしれない。
しかしそれは所詮、選ばなかった道の話。勝の都合の良い妄想でしかない。
「それは良かったな、勝。いずれは腕も二本入れてやる」
「ほッ、ほおぉおおおおおおお!! にほん! ごんなじゅごいのにほん!? しょんなのぉ、おおおっ、おかしっ、おかしくなりゅらろおおおお……れ、れもぉ、おがじぐ、なりだひいぃぃ……っ!!」
いつまでも終わりの見えない過激な行為の宣告にも、今の勝にはご褒美の言葉にしか聞こえなかった。
異常なまでの興奮で真っ赤にした顔をめちゃくちゃに歪ませ、激しく左右に頭を振って、いよいよ限界が近いことを訴えた。
(あ、あはっ……あはあひひうへぇ……こんらの続けられたら……気が狂う……人間やめるぅ……)
「ぎゃひいっいっひひひひひ! いくイクイクイクイッグウゥゥゥーーーーッ!!」
滑稽に大声を上げ、白目を剥き、下半身をガクガクと震わせ──やがて、勝の動きが止まった。
獣じみた嬌声と腸内を抉る水音が止んだ代わりに、勝のペニスからは溜まっていたものが勢いよく噴き出し、勝の身体や床をびしょびしょに濡らした。
勝は、あまりの快感に小便を漏らしていた。体内からの同時刺激に耐え切れず、膀胱が音を上げてしまったのだ。汗や、涙や、鼻水や、全身から汁という汁を零している。
ぐったりと脱力し、忙しなく肩で息をする勝。
神嶽がゆっくり腕を引き抜いてやれば、べろりと内側粘膜が晒され、ピンク色の腸内が見えるほどに開き切ったアナルが切なく疼いた。
「はひひっ……はぁっ……んほぉ……ま、まだ……腕の形がぁ……っ……どうしよ……もっ……と、閉じねぇよぉっ……」
「じきに閉じる」
「あがっ……お、俺の尻……壊れ、だぁ……」
(────────)
勝の瞼が降りたのと同時に、心の声もぴたりと停止した。
「勝」
神嶽は声を掛けながら、二、三度勝の頬を打った。
反応はなかったが、死んではいない。負担の大きな行為の疲労から、気絶してしまったのだった。
がっくりと頭を垂れ、意識を失っている勝。その下半身からむわりと漂ってくる、アンモニア臭。実に壮絶な絶頂だ。
広間はそんな勝に微塵も哀れみを抱かぬ者たちの拍手喝采に包まれ、ようやく今宵の責めが終わったのだった。
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