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木村勝12-5 ※獣姦
「おほっ……おほおぉ……っ……ふひっ!?」
まだ勝の絶頂感が薄れぬうちに、ジャックの様子が変わった。
巨体が器用にも勝から離れることなくぐるりと180度回って向きを変え、尻と尻を突き合わせるようなポーズをとった。
荒い呼吸が更に激しくなり、腰の動きも速くなる。射精するつもりなのだ。
「うぎぐひぃいっ! 激ひぃいいいいっ!? ま、待っでくれってばぁっ! 無理っ、もう無理狂うぅうううっ!!」
イキっぱなしのような状態の勝にも、無論ジャックは遠慮がない。
自らの射精欲求を満たす為、奥へ奥へと下半身を力任せに押し付け、遂に根元の亀頭球さえ勝の中に沈めていった。
「んっぎぃいいいいいいッ!? な、なに!? なにか、でかいのっ、膨らんでっ、あぁ、ああああっ!? ぬ、抜いてくれぇ……っ!」
もうこうなってしまっては、スタッフでさえ引き剥がせない。
巨大な瘤が栓になり、ジャックの気の済むまで結合が解かれることはないのだ。
ジャックの身体がブルブルッと小刻みに震え、射精を始めた。勝はそのまま余すことなく腸内に怪物の体液を注がれていく。
「くぁあああッ! あづいっ! ザーメン出てるっ!? ああっ、出されでるっ……! 腹ん中火傷するぅっ……!? だ、誰か、止めでぐれぇ……ひっ、ヒィーッ……!!」
「そいつは三十分以上射精し続ける。最後まできちんと付き合ってやれ」
「うひぃぃぃいっ……!! あ、あぅっ……あああぁぁぁぁぁぁ……」
人間のものより熱量の多いそれを浴びせられているだけでも生きた心地がしないというのに、この拷問がそんなにも長時間続くなど勝には信じられない。
いっそこのまま気絶してしまえたら良かったのに、吐精しながらも驚くべき力で激しい突き込みを繰り出す怪物は、それさえも許してはくれなかった。
神嶽はオーナーに後は任せるとアイコンタクトをとって、錯乱寸前の勝を見下ろした。
「じゃあな。終わった頃にまた来る」
それだけ言って、勝に背を向ける。──だが。
「ああっ!? 待ってくれぇっ! い、行かないで……見捨てないでくれっ……! た、頼むからぁっ……!!」
年甲斐もなく泣きじゃくり続ける勝に、神嶽は去ろうとしていた足を止める。
「お、俺っ、ほんとに弱くてっ、どうしようもない淫乱でっ、何にもできない馬鹿な犬……だけど……っ。ぐすっ、捨てないで……お願い、じまずうぅっ……」
弱々しく首を振って、勝は鼻水さえも垂れ流しながらみっともなく哀願する。
拘束されているせいで、こんなにも近くにいる男の足元に縋り付くこともできない。
「ひっ……一人じゃ……俺、どうにかなる……っ。こ、怖い……う、うっ……助けて、くださいっ……」
(もう嫌だ……一人で苦しむのは、もう、二度と御免なんだよぉっ……!!)
未だかつてない悲哀を孕んだ声。
それがいじめという理不尽の中で勝が感じてきた孤独なのだろう。
自信に満ち溢れていた勝は、そうして下手に気位が高いせいで、惨めな目に遭う自分を許せず、周りにSOSを出すこともできなかった。
真正面から立ち向かおうとはせず、逃げることしかできなかったのだ。
それが今は、自身の弱さを認めた上で、強く助けを求めている。ずいぶんと素直になったものだ。
「勝」
神嶽は勝と同じ視線になるよう身を屈め、彼の涙や鼻水や涎でぐしゃぐしゃになった顔を見つめる。
「お前の主人は誰だ」
「あ、あうっ……が、学園長……学園長が、俺の、ご、ご主人様ですぅっ! 俺はもう学園長がいないと駄目なんだよおぉぉっ……!」
今にも捨てられそうな子犬のように、勝は泣きじゃくった。
追い詰められた勝が最後に心の拠り所に選んだのは他でもない、己を非日常へと堕とした神嶽だ。
弱い者が強い者に縋る、弱肉強食の世界で生き抜いていく上で当然とも言える関係。
仕込んできた奴隷の健気とも言える言い分に何を思うのか、神嶽はぱちりと瞬きをすると、勝の涙を優しく指で拭ってやった。
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