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鬼塚鉄也編2-2 ※甘々
神嶽はそんな鉄也を愛おしむように頬を撫で、そっと唇を合わせていった。
「んっ……」
(あぁぁ……どうしよう……僕、また先生とキスしちゃってる……)
既にファーストキスを神嶽に捧げたとはいえ、慣れない行為に鉄也は緊張しぐっと力がこもる。
それを和らげてやるように二、三度触れるだけの軽いキスを繰り返し、神嶽はいったん顔を離す。
「鉄也……舌、入れても良いかい……?」
神嶽は鉄也の嫌がることを強引にすることはない。彼の様子を伺い、意見を聞きながら、舌先でノックする。
(……それって……お、大人のキス……だよね……)
コクリと頷いて、鉄也は遠慮がちに舌を出す。それに自らの舌を絡ませながら、神嶽は鉄也の口内を情熱的に貪った。
「は、ぁ……んぅっ……ちゅ……っ」
初めてのディープキスに、鉄也は受け身である。舌を、歯列を、口蓋を、頬の裏を。ケーキの甘さが残る敏感な口腔粘膜を執拗に舐め回されるうち、鉄也はすっかり息が上がり、へろへろと神嶽の胸板にもたれかかってしまった。
「可愛いね……鉄也……」
神嶽は鉄也の髪を梳きながら、熱い吐息を吹きかけてやる。
「君があんまり可愛いから……妙な気分になってきてしまったよ」
そのまま彼の手を取り、膨れ上がった股間に誘導させる。
「あぁっ……」
(こ、これっ……。せ、先生も……こんな風になるんだ……)
鉄也は猛烈な恥ずかしさにため息を吐いた。鉄也にとっての神嶽がどれだけ善良な学園長でも、そこはやはり男である。
目の前の恋人に欲情し、己の存在を主張しているのだ。
「幻滅したかな」
寂しそうに言う神嶽に、鉄也は慌ててぶんぶんと首を横に振った。
「そんなこと……。あの……ぼ、僕……どうすれば……」
「言ってもいい?」
「はい……」
「君のこの手で……気持ち良くしてくれたら、嬉しいな。できれば、口でも……」
それには、鉄也は驚いて黙ってしまった。ついこの間までキスさえ初めてだった純情な鉄也にいきなり口淫までしろというのは、刺激が強すぎる。
だから神嶽はあえて、「無理にとは言わないよ」と付け加えてやるのだ。
「っ…………や、やり……ますっ……僕……先生の喜んでくれること、したいっ……」
戸惑いはありつつも、神嶽を想うその気持ちが鉄也を突き動かす。
神嶽が股を広げると、鉄也はその下肢の間に座り込んだ。ベルトに手をかけてはみるが、指が震えてなかなかうまく外すことができない。
神嶽も手伝ってやって、下着をずり下ろすと、ピンと張り詰めた陰茎が露わになって揺れた。
(せ、先生の……おっきい……ぼ、僕でこんなに興奮してくれてるんだ……)
鉄也も男であるからそれ自体は見慣れてはいるが、他人のものをここまで間近で見るのは初めてのことである。
それも愛しい者が、自分のせいでこんな風になっているのかと思うと、鉄也も性的魅力を感じずにはいられずに生唾を呑み込んだ。
「鉄也。これは何と言う?」
「えっ……そ、そんなの……その……お……ちんちん……です」
「そんなに恥ずかしがって、うぶなところがたまらないよ、君は。良ければもっと別の言い方もしてくれないか」
「べ、別の……?」
「ああ。例えば……おちんぽ、とかね」
「えぇっ……!?」
「君がいやらしい単語を口にしてくれたら、もっと興奮するような気がするんだ。駄目かな」
(恥ずかしい……けど……そうだよね……先生が喜んでくれるなら……)
「駄目なんかじゃ……っ。……お、お、おち、んぽ……これは、先生の……おちんぽ……あうぅっ……」
自ら口にしながら、鉄也の息は荒い。恋は盲目とは言うが、下品な言葉を言わされることにただ抵抗しかない人間もいる中で、鉄也は淫乱の素質十分であった。
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