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鬼塚鉄也編4-2 ※甘々、69
「そう……。それなら、良いのだけど……。ねえ、そんな優しい君に一つ……わがままを言ってもいいかな?」
「え……? な、なんですか……?」
「君ともっと一緒にいたいんだ……。落ち込んでいる君を見たら、なおさら放っておけなくなってしまったし……。次の授業は、思い切ってサボってしまわないか」
「それは……僕もできることならそうしたいですけど……そ、そんなことして、平気なのかな……」
「先生には、私からうまく言っておくから」
そうはいっても、普段から真面目である、というより非行に走るような勇気もない鉄也には、そのような理由で授業を無断欠席してしまうことに対して抵抗がある。
渋る鉄也を、神嶽は己の腕の中に抱き寄せた。
「……お願いだよ。この通り」
甘えたトーンで囁く神嶽に、鉄也は思わずくすりと笑った。
私欲の為にサボりを強要するなど、教師の、いや、大の大人のすることではない。
しかしそれも、鉄也にとっては学園長ではなく“素の神嶽修介”のように見え、魅力的なのだ。
鉄也は今回だけ、という約束で、神嶽を抱きしめ返した。
一年中埃と誰かの体臭が染み付いた体育倉庫の中、背徳の密会が始まる。
ただ抱き合って、時折お互いの身体を撫で合ったり、キスをしたりするだけだが、鉄也はもうなすがままだ。神嶽は鉄也の首すじに鼻先を押し付ける。
「良い匂いだね」
「そんなことない……汗臭いですよ……」
「君の身体が臭いものか。甘くて……すぅ……ああ、ちゃんと制汗剤を使っているんだね……これは女の子用かな」
「そ、それは……お姉ちゃんにお勧めされて……」
姉の存在は、鉄也が普段から女性的なものを好むことも納得である。
「なるほど。君によく合った清潔な香りだね……」
神嶽はわざと少し息を荒げ、じっとりと汗をかいた色白の肌に舌を這わせる。
その生温かくざらざらとした感触に、鉄也の身体はびくりと反応する。
「あっ……修介さん……!」
「鉄也……君に触れていたら、なんだか、その気になってきてしまったよ。……良いかな?」
それがセックスを意味していることは明白であった。盛り上がった股間を押し付けられ、尻を優しく撫でられ、鉄也は恥ずかしさのあまり泣きそうな顔になる。
愛しくてたまらない神嶽にここまで求められたら、断れるはずもないのだ。少し躊躇はしたものの、弱々しく頷いた。
神嶽は鉄也のジャージの下を脱がせ、自身もスラックスをくつろげた。
敷かれたマットの上に寝転ぶと、鉄也に四つん這いになって自分の顔を跨ぐよう指示する。お互いの顔の前にお互いの性器がくるシックスナインの形になって、鉄也は緊張と羞恥で身を固くした。
(あぁっ……こ、こんな格好……でも……修介さんが喜んでくれるなら……)
鉄也の目の前で、神嶽のペニスは立派に己を主張していた。かく言う鉄也も、まだ完全ではないが早くも勃起している。
神嶽が熱い息を吹きかけると、鉄也の可愛らしいペニスも彼の性格を表すように身震いした。
「舐めて欲しいな。君にも同じようにしてあげるから」
「……は、はい……」
言われて、鉄也は長めのサイドの髪を耳にかけながら顔を近付けた。根元を握ると、彼の体温を直に感じて、それだけで鉄也は興奮状態となる。
唇が尿道の切れ目に触れて、ちろりと赤い舌を出した。ソフトクリームを舐めるように遠慮がちな動きである。
「っは……! ぁ、あんっ……」
同じように神嶽に舌先でくすぐられ、たまらず鉄也は喘いだ。
(し、修介さんが……僕の、舐めてくれてる……恥ずかしいっ……でも、気持ちいい……)
「ふふ。今の君のやり方は、こんな感じかな?」
(あ……そ、そうなんだ……修介さんも、こんな風に感じてくれてるのかな……)
鉄也は嬉しくなって、さっきより積極的に、カリを口腔内の粘膜で包み込むように頬張った。神嶽も鉄也の頑張りに応えるように、その初々しいやり方を真似して愛してやる。
「んんっ! んふっ……うぅぅ~~ッ」
(修介さんっ……修介さんも、こ、こんなに、気持ちいいんですねっ……嬉しい……!)
快感をも共有できることの喜びに、鉄也は肉棒を咥えながら切なげに嬌声を漏らす。
「んあぁ……ちゅぱっ……修介さぁん……もっと、きもひよくなってくだしゃい……じゅるうぅぅっ」
神嶽のペニスは全て自分のものと言わんばかりに、鉄也はその手で、口で、一生懸命奉仕する。
じゅぼじゅぼと卑猥な音を鳴らして、唾液と我慢汁が混ざるのも気にせず飲み込みながら、唇で扱き、舌で愛撫する。
そうしていると神嶽も同じようにしてくれるものだから、鉄也は半分は自分の快楽のために、より強い刺激を求めて無我夢中で神嶽のものに食らいついていた。
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