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鬼塚鉄也編5-5 ※裏切り、蓮見×鉄也、ぶっかけ

「ひっ……ひいぃっ……! 動かないで……! ぐすっ……もうやだ……やぁっ……」  自分本位な蓮見にも耐え兼ねて、鉄也はおずおずと目を開ける。  神嶽とは似ても似つかない、鉄也が最も恐れる、正に暴力組織に生きる者の塊のような容姿をした男がそこにいた。  悪夢は覚めない。これこそ紛れもない現実なのだから。 「なあ、俺の名前、恭一ってんだよ。恋人ってのは下の名前で呼び合いたいもんじゃねえか? ちゃんと覚えてくれよ」 「さあ言え鉄也。今お前を抱いているのは誰だ」 「ひっく……う、うぅっ……修……っ」  また、鉄也が懲りずに修介の名を呼ぶのかと思われた。 「修介さん……じゃ、ないっ……恭、一さん……恭一さんに、抱かれて……ますっ……。ううぅ、わあぁぁああああああんっ!!」  鉄也は再び大声を上げて泣き出した。  会員達はさも心打たれたようにほうっと声を漏らし、「よくわかったね」「偉いね」などと、物分りの良い子供に言うように鉄也を褒めた。  名前を呼ばれた蓮見も、彼だって正確には会員の一人なのだ、ニッと満足げに笑うと、腰の動きをいっそう激しくさせる。 「よしよし、良い子だなあ鉄也くん。せっかくなんだ、楽しめよ。ほら、キスしよう、な。舌出して」  威圧感たっぷりの蓮見の顔が迫って、鉄也は言われるがままに舌を出した。蓮見の長い舌がべろりと絡まって吸い付き、口の中を貪る。 (嫌、嫌、いやあぁぁっ! 修介さん以外の人にキスされてるっ! 舌も……味も……全部、修介さんと違うっ……)  蓮見は頬を伝う塩辛い涙を舐め、首筋、耳にまで舌を這わせる。華奢な柔肌を抱き締めて、奥深くまで腰を打ち付ける。  これが神嶽なら鉄也も泣いて悦んだだろうに、まったくもって悲惨である。 「はぁっ……うう、出そうだっ……今日の為に溜めてたんだ、焦らされたぶん、たっぷり中出ししてやるからなっ……」 「ひっ……!?」  耳元で囁かれた言葉に鉄也はまた震えた。愛する者ならまだしも、他の男の体液を腸内に注がれるなど、鉄也の想像の範疇を超えていた。 「やだっ……いやだ! それだけは……! 修介さんお願いだから、助けて……!」 「鉄也。復唱しろ。『僕は恋人以外のザーメンが大好きな淫乱ビッチです』だ」 (そんな……本当に助けてくれないんだ……なんで……なんで、こんなことになっちゃったの……)  一切の情を感じられない声に、鉄也は諦めたように視線を落とす。  初対面の好きでもない男と身体を繋がされ、その行為を多数の人間に、ましてや神嶽にまで見られ、鉄也の心はもう疲れ果てていた。 「ぼ、僕はぁっ……恋人……以外の……ざーめん……うぅっ……大好きなっ……い、淫乱、びっちですうぅっ……ひぐぐぅっ、ふえぇぇん……」  泣きながら復唱する鉄也の声を聞いて、蓮見は低く呻いて達していた。  鉄也が腸内で射精される気持ち悪さに耐える間に、鷲尾に促された会員達がベッドに身を乗り出す。  みな荒い呼吸をしながら下半身を扱きたて、鉄也がそれに気付いた頃には一斉に新鮮な精液が飛び出した。 「ひぃぃいいっ!? っう、うぇっ、いやあぁぁぁっ……」  なす術もなく、会員達の欲望が余すことなく鉄也の顔や身体に降り注ぐ。 「はははっ、すげえ。すっかりザーメンまみれじゃねえか。これじゃもう愛しの学園長先生に顔向けできねえな」  楽しげな蓮見の言葉に、鉄也の溢れて止まらない涙がまた一つ、零れ落ちた。  涙も枯れ果て、放心状態のまま天井のシャンデリアを見つめていた鉄也の虚ろな目がようやっと動いた。神嶽が鉄也の拘束具を外していたからだ。 「……しゅ、すけ……さん……」  消え入りそうな声で神嶽の名を呟く鉄也。  自らが通う学園の新しい学園長。愛しい恋人。そして今日、こうして得体の知れない場所で見ず知らずの男に身体を弄ばせた張本人。  鉄也にとって信じられないことが起きたばかりの今は、神嶽を見ても複雑な表情である。 「帰るぞ。シャワーを浴びるんだ」 「…………」  何も考えられないまま、鉄也は壊れた人形のようにがっくりと頭を垂れた。  疲れ切った鉄也には、神嶽以外に汚されてしまった身体を一刻も早く清めたいという気持ちの方が勝っていた。

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