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鬼塚鉄也編6-2 ※無理やり、イラマ

 神嶽は純情な鉄也を平気で騙し、どこかもわからぬ怪しげな場所に連れ込み、そこにいる男達の見せ物にしたばかりか身体をも汚させた酷い人間なのだと知ってもなお、それは自らにも原因があるからであって、全て神嶽に非がある訳ではないと思い込んでいる。  いや、無理やりそう思おうとしている。  鉄也はどこまでも健気で、愚かだった。  だが、鉄也にはこうすることしかできないのだ。  家に帰れば父親という粗暴な存在が待つ非日常の中で、ようやく手に入れた実に平穏で、愛に溢れた日常。それを失うのは彼にとって何よりの恐怖だろう。 「お前は初めから俺の手の上で良いように踊らされていただけに過ぎない」 「……信じたく、ありません」 「お前が信じるか信じないかなど関係ない。それが事実だ」 (……修介さん、なんて冷たい目をしてるんだろう……前はこんなのじゃなかった……あなたに見つめられるととってもドキドキした……あったかい気持ちになれたのに……っ。本当なの……? 僕はっ……修介さんに、愛されてない……?)  それでも、本心では認めかけている。だがそれを整理するには今の鉄也の精神状態では難しい。 「さあ、チンポ狂いの性欲処理道具になると、今ここで誓え」 「そんな……っ」 「鉄也」 「……ち、誓えませんっ……!」  悲痛な声で叫ぶ鉄也に、神嶽は表情を変えることなく一つ息を吐く。 「わかった。それなら、お前には徹底的に立場の違いをわからせてやることにしよう」 「え…………っ、いやぁっ!!」  席を立った神嶽から逃げようとした鉄也だったが、あえなく伸ばされた手に捕まってしまう。  神嶽は鉄也を無理やりその場に跪かせると、髪を鷲掴みにして、困惑する顔を猛ったペニスに近付ける。 「い、痛いっ……! ねっ、ねえ修介さんっ、こっ……こういうことして欲しいなら、僕、言ってくれたらちゃんとしますっ……! 修介さんが望むことなら全部してあげますからぁっ! おっ、お願い、離してぇっ……!」 「恩着せがましい言い方をするな。お前はただの性奴隷だ。いついかなる時も男にその身体を差し出して奉仕しなくてはならない」 「ち、違う……!!」 (奴隷なんかじゃない! 僕はあなたの、恋人ですっ……!)  亀頭が唇に当たって、鉄也は慌てて口端を引き結んだ。  今までのように恋人としてならば、どれだけ恥ずかしいことでも、神嶽に喜んでもらうためならと頑張ってくれただろう。  だが、こんな形で行為を無理強いさせられるなど、いくら受け身の鉄也でも応えることはできなかった。  これを素直にやってしまえば自ら奴隷だと認めるようなものなのだ。  しかしそんな些細な抵抗も、神嶽の前では無力だ。強情を張る鉄也の思考に何を思うのか、小首を傾げると、思い切りその鼻を摘み上げる。 (うそっ……!? こんな強引なやり方をする修介さんなんて……知らない……いやあぁああっ!)  見たことのない神嶽の一面に動揺を隠せない鉄也が、そう長く息を止めていられるはずもない。 「んぅっ、むぐぐぐっ」  新しい酸素を求める僅かな隙間に指を差し入れ、こじ開ける。  顎を強く掴み、その状態を維持させたまま頭を引き寄せると、先端部分が鉄也の口腔粘膜に包まれた。 「い、いひゃ、ぃ! 息……でき、なっ……! ゲフッ、おえっ……や、やめへ……」  鉄也が降参だというように神嶽の太ももを自由な両手でばしばしと叩く。それでもなお神嶽は力を弱めない。  鉄也はボロボロと大粒の涙を零しながら、必死に首を振ってやめてもらおうと拒み続けるが、だんだんと息苦しさに力が抜けていってしまう。 「むうぅうううっ、えぐっ、ほっふぅ、うげえぇぇぇっ……!」  力任せに頭を押され、鉄也の慎ましい口には大きすぎる勃起がズブズブと潜り込んでいく。  柔らかな粘膜をエラで暴力的に擦られ、亀頭が喉奥に突き刺さり、反射的に顔を背けてしまいそうになることすら許されない。  それどころか、神嶽は強く押さえ付けたまま鉄也の頭を前後させ始めた。 「んっ! うぅんっ! んぐっ! ぐぼぉっ!」  初めての、それも鉄也の尊厳を完全に無視した激しいイラマチオに、鉄也はどう呼吸していいのかわからずに酸欠気味だ。  涙は後から後から溢れてくるし、鼻水も噴き出して、泣きじゃくりながら目を白黒とさせる。  まだあどけなさの残るその顔は、恋人だった男──もとい非情にもその心を弄び裏切った男のものを咥えさせられ、虐待を受ける子供のようにぐしゃぐしゃに歪められている。 「ぶげぇええっ! ごほっ……ま、待っへぇ……ぼごごおぉおっ!」  僅かに息をする時間を与えてやったかと思うと、また押し込む。何度も、何度も。  鉄也の精神までこそぎ落とすかのように。 (苦しいっ……苦しいよっ……! 喉、乱暴に突かないでぇっ……!) 「出すぞ」 「むぐぅううううう!?」  神嶽は冷たく言うと、鉄也の喉の限界まで挿入し、どくどくと熱い濁流を叩き込む。  ようやく手を離されて、ずるりと大きな肉塊が抜けると、鉄也は口内の精液を飲み込む余裕もなく激しく咳き込みながら全て吐き出してしまった。

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