129 / 249
鬼塚鉄也編10-6 ※肉便器、輪姦、END分岐
(どうして……? 僕……こんな目に遭ってるんだろう……? 僕の存在価値は、いったい何なの……? 僕は…………)
鉄也の大きな瞳からみるみるうちに光が消えていく。
ボロボロの雑巾のように使われ、汚され、弱り果ててしまった鉄也は、遂に禁忌の思考に堕ちた。
(どれい)
虚ろな目がぱちりと瞬きをする。
(卑しい奴隷なんだ。修介さんの言うことは間違ってなかったんだ。だってこんなに酷いことされてるのに気持ちいいだなんてそんなのおかしいよね人間じゃないみたい)
「んへ…………えへへっふへっ、あはははははははははははははははは」
鉄也の喉奥から壊れた玩具のように感情のない笑い声が漏れる。
楽しいわけがない。惨めでいたたまれない。それなのに、理不尽な虐待を受けても熱を帯びてしまう身体。
鉄也にはもう何が何だかわからない。どす黒いもやが脳みそを包み込むかのようだった。
彼を支配するのは、果てなき絶望だ。
「な、なんだ、こいつ。ずいぶん感じやすすぎるんじゃねぇのかと思ったが、やっぱヤクでもキメてんのか」
誰かがそんなことを呟くと、また誰かが「ガンギマリマンコ野郎には似合いの末路だ」と嘲笑う。
鉄也の常軌を逸した笑い声と、彼を取り囲む男達の下卑た失笑。小さな空間は深く重い狂気に満ちていた。
「アヒャヒャヒャ! こうなりゃ全員でぶっかけてやろうぜ! 公衆肉便所に思う存分ありがたーい聖水浴びせまくってやれ!」
腹を抱えて笑う柳が提案すれば、集まった男達も高揚を露わに賛同する。
彼らの嗜虐心は尽きない。ザーメンと小便のシャワーが代わる代わる降り注ぎ、鉄也の身も心も完膚なきまでに汚していった。
数時間が経ち、鉄也の裏腿や尻には正の字が両方合わせて六つと二画。それも、精液や糞尿、鉄也の吐瀉物等といった汚物がまみれてこびりつき、酷い有り様であった。
由緒正しき名門校に通う純情な少年の面影はない。この汚らしい便所に相応しき浮浪者、いやそれ以下だ。
意識を失いそうになるたび気付けに唾や小便をかけられ、暴力と紙一重のピストン運動で容赦なく肉穴を掘り倒されるせいで気絶することもできず、半ば死人のような呆けた顔が力なく宙を仰いでいる。
コツリ、コツリ。一定の歩幅を保った革靴の音が響き、また鉄也の前で止まった。
再び相手をすべき人間が来たのかとよろよろと視線を向けた鉄也だったが、今度は目をまん丸く見開き、ボロボロと大粒の涙を流し始めた。
「う゛ぅううううっ!! あう、うへぇっ、あぁんっ……!」
犯され尽くした鉄也を目にしても、何の感情も映さぬ神嶽が立っている。
それでも鉄也は安堵していた。彼にもう二度と会えないのではとさえ思わせるような地獄の時間だった。しかしまだ見捨てられたわけではなかった。
罰を受け入れ、浅ましさを認めた己を許してくれたから、迎えに来てくれたのだ──今の鉄也にはそれだけで十分であった。
神嶽は真っ先に開口器を外してやる。長時間叫び続けた鉄也の喉は渇き切り、吐き出される声は掠れていた。
「立場は理解できたようだな」
「うぅっ……ぐすんっ……はい……僕は……ど……れい……奴隷、ですっ……」
「お前の生きる目的は」
「だ、誰にでも、股を開いて……ひっ、ううっ……全身全霊で、ご奉仕、すること……」
「よし。良い子だ、鉄也」
神嶽は鉄也の拘束を外し、酷い状態であることも構わずに優しく抱き締めてやる。
鉄也を愛していた学園長と変わらない顔。変わらない声。変わらない温もり。
そんな神嶽の胸の中で、鉄也はただただ、声を詰まらせて泣いた。
ともだちにシェアしよう!