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鬼塚鉄也編12-6 ※女装、乱交、グロ
それから、鉄也は数時間に渡ってじっくりと可愛がられた。
代わる代わる犯され、寄ってたかって浴びせられる精液で全身をコーティングされて、自身も何度絶頂したかわからない。
気絶寸前のグロッキー状態にも関わらず、その身を労わるかのような手つきで頭を撫でている男にしがみつき、鈴口に残った精の残滓を舐め上げている。
堕ちてもなお真面目で、献身的な鉄也の姿は会員達の心身を大いに満たしていった。男も射精直後の亀頭を舌でくすぐられる感触に唸っている。
オーナーに命じられた一仕事を終えた鷲尾が再び部屋に入ってくると、男は小さな子供に言って聞かせるようにごく優しい声色で鉄也に囁いた。
「よしよし、鉄也くんは本当に良い子だねぇ。今夜はね、頑張り屋さんの君に皆からのプレゼントがあるんだよ」
「プ……プレゼント……れすかぁ……?」
鉄也のとろけきっていた目が怪訝に動く。度重なる快楽に、幼児退行してしまったかのような緩みきった表情だ。
男に「見てみなさい」と言われた鉄也が顔を向けると、鷲尾がガラスケースを運んで来ていた。
オブジェのようにも見えるそれは、人間の頭部であった。切断面は血塗れであり、マネキンとは明らかに違う。
よほどの拷問を受けたのだろう、恐怖に引きつった顔のままであるそれは、未だこのまま叫びだしそうなくらいに生々しく、この直前に切り離されたものだとわかる。
その無残な顔に見覚えがあったことに気付いた鉄也が、ハッと戦慄いた。
「…………お……父……さん……」
その生首の正体──それは、鉄也が家庭内で最も恐れていた父親であった。
「あ……ぁ、あぁ……」
恍惚としていた鉄也の表情が一瞬にして崩れていく。
なおも男はにこやかな笑みを湛え、鉄也の髪を優しく撫でている。
「この男に、酷いことをたくさんされてきたんだもんねぇ。ここにいる皆、君が可哀想だと思ってね、クラブに頼んでこうしてもらったんだ。これこそ、大きな愛の証だよ」
「……こ、これ、が…………愛…………?」
(僕の為に……殺されちゃったの? みんな……全部、僕の為に……)
ずっと恐れていても、鉄也にとってはたった一人の父親だった。
大嫌いだと叫べなかったのは、何もかも投げ打って家を出ることができなかったのは、全てを諦めることが癖になっていたせいもあるが、それ以上に家族としての情はあったからだった。
最も近しい者の死が、残酷すぎる“愛”が、汚し尽されたか弱い鉄也を押し潰す。
「あはっ」
不自然に弧を描いた口がわなわなと開閉し、新たに一筋の涙が溢れ出した。
「ぼ……僕……こんなの望んでないのにっ……どうして……こんなことするの……? あははっ……おじさま達ったら……重すぎるよぉ……うぅっ、うぅぅ……っ」
鉄也は両手で顔を覆い、わあっと泣き出した。
思い起こせば、ただ大切な人と相思相愛でいたかっただけのはずなのに。
幸福な未来を望んではいけなかったのか。こんな思いをするくらいなら、ずっと孤独でいた方が良かった。
自分だけが犠牲になっていれば、きっと誰も不幸になることはなかった。
鉄也は改めて自身の生まれを呪い悔いた。
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