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如月司編2-2 ※輪姦、浣腸

 男達は、クラブスタッフの鷲尾、蓮見、柳だった。  蓮見は写真で見るより実物の方が良いなどと言いながら感慨のため息を漏らしたが、柳の好みではないようだ。  鷲尾は特に何も感じないらしく、ただただ穏やかに笑みを浮かべている。  三人が近付いて来る。神嶽を含めた四人の男達に身動きのできない身体をぐるっと取り囲まれて、司は改めてこの異常な環境に鳥肌が立った。  ここで世間一般的に正常な思考を持つのは司一人。正に数の暴力である。 「な、何をする気だ……」  四肢を封じられている司に逃げ場などないが、身体を緊張させる。  先に、蓮見と柳が司の頭の方に回って、その美しい顔立ちをまじまじと眺める。  こんな風に他人に見下ろされることすら皆無に等しい生活を送る司は、それだけで悔しさに震えた。 「んんー。やっぱ女ウケしそーな顔してるよなコイツ」  柳が不満そうに言いながら、司の口に無造作に親指と人差し指を突っ込んだ。そのまま指を伸ばしてこじ開けようとする。 「あ。こーしたら少しはアホ面になって面白ぇかも」 「っふぅっ……! ひゃ、めろっ……!」 「ヒャハハハ! なぁ、なぁ、このまんま学級文庫って言ってみ?」 「いきなり遊んでやるなよ、せっかくの綺麗な顔が台無しだろうが。……ま、今からマジでウンコしてもらうんだけどな」  小学生並みの冗談で笑っている柳に、蓮見は苛ついた様子だ。だが、蓮見のさも当たり前のような発言に司はかっと目を見開いた。 (なっ……!? 何を、させようって……!? 冗談じゃない……!)  いったん、蓮見と柳は部屋の隅のソファーに退いた。広間の会員のように司の痴態を見物することにしたようである。  鷲尾が病院で使われているようなステンレスのワゴンを押して来る。  司はそのワゴンに乗ったトレイの中身を凝視した。一見、注射器のように見えるそれは、ガラス製の浣腸器であった。 「では、失礼して。少しひんやりしますよ」  医療用のゴム手袋をはめた鷲尾が、何やら透明な液体を司のむき出しの窄まりに塗りつけた。これから使う穴を傷付けない為の潤滑ローションである。  鷲尾は周りの皺を優しく撫でさすり、丹念に塗り込んでいく。 「っや……やめろ! 何故私がこんな……馬鹿、よせっ! 入れるな!」 「暴れるな。それはガラス製だからな、あんまり締め付けると中で割れるぞ。余計に苦しみたくなければ深呼吸することに集中するんだな」  司は神嶽の言葉に反論しようとするが、シリンジを手にした鷲尾に気付きはっと息を呑む。  鷲尾は差し込み口にも潤滑剤を塗ると、何の躊躇もなく司のアナルに挿入した。 「ガラスだなんて……人の身体をなんだと……卑怯者っ……!」  司は神嶽を睨みながら精一杯の悪態をついた。シリンジの中身がゆっくりと腸内に押し込まれていく。 「ぅぐ、ぐぐぐ……」 (な、なにか入ってくる……気持ちが悪いっ……。人にこんなことをするなんて……こいつら、本当に頭がどうにかしている……)  人肌に温められた浣腸液を注入される何とも言えぬ不快感に、司は顔を伏せて耐える。ガラスと聞いては、不用意に力も入れられない。  この所在地不明の施設で、見ず知らずの男達に排泄行為を強いられる異常事態に、司は気が動転してしまっていた。  浣腸液が全て収まり、シリンジが抜かれると、司はすぐにアナルを窄めることに意識を向けた。鷲尾もひとまずは液が漏れ出てこないように手で押さえてやる。 「さあ、ちゃんと我慢して、すっきり出してしまいましょうね。頑張って」    鷲尾はさも子供に言い聞かせるような優しい声音で、にっこりと笑いかける。  神嶽は腕時計に目をやった。司がどの程度耐えられるか、正確な時間を計る為だ。  鷲尾も司と同じかそれ以上に察しの良い男で、神嶽の挙動をよく伺いながら、片手で司の下腹部をマッサージし始めた。 「ひ……っ! お、押……すな……!」  こうした方が腸の働きが良くなり、より出やすくなる。鷲尾は何も言わずに慣れた手つきで時に力を強めたり、弱めたりしながら、その締まった腹を時計回りに撫でた。  早くも、グルグルと恥ずかしい音が聞こえてくる。 「我慢できなくなった時点で出して良いが、量によっては何度かやることになるぞ」 (こ、こんなことを何度も……!? それだけは……絶対に、嫌だ……!)  司は顔を青ざめさせながら、反抗するように外括約筋を締めた。  そうこうしている内に、1分が経つ。慣れていない者では入れられてすぐ漏らしてしまっても不思議ではないが、神嶽の脅しが効いているのか司は液も漏らさない。  5分が経つと、気丈な司からだんだんと余裕がなくなってきた。 「ぁぐっ……せ、せめて……トイレに……」  司は大量に冷や汗を滲ませて呻く。台には汚物を受け止めるトレイも備え付けられているし、床にもビニールシートが敷いてあるが、定められた場所以外で、それもこのように他人に見られながら便を垂れるなど、司でなくとも耐え難い。 「駄目だ。ここでしろ」 「んぐぐうぅぅ……こ、この……はーっ……変態、学園長……」  司はなかなか我慢強かった。眉をひそめ、歯を食いしばり、身体を小刻みに震わせながら、襲いくる強烈な便意と戦っている。

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