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如月司編2-4 ※輪姦

 神嶽が動くたびに、結合部からブチュブチュと下品な音が鳴ってしまうのも、司をよりいっそう不快にさせた。 「このまま中に出すぞ」  淡々と言い放った神嶽の言葉に、司は猛烈に暴れ出した。 「な、中に……!? 馬鹿を言うなっ! 抜けっ、あぐっ……!」 「女のような駄々をこねるな。孕む訳でもあるまい」 「そんなことはわかってっ……うぅっ、そんなところに他人の体液を出されるなんて……病気になってしまう……!」  性に疎い司でも、その心配をする程度の知識は一般常識としてあった。  弱みを握られ、男に犯されるだけでも嫌だというのに、それで性病にでもなったりしたらたまらない。 「ぬっ、抜くんだ! 早く、抜……ぁあっ……それだけはやめろ!」  司の抵抗も虚しく、神嶽は司の臀部に陰毛が当たるほどぴったりと肌を寄せ、熱い子種を放った。 (こ……今度こそ……もう……終わった……)  司は精子を注がれながらも、少し安堵していた。司だって同じ男。一度射精すればすっきりすることくらい知っている。  神嶽がペニスを引き抜くと、ぽっかりと開いた穴からはローションと神嶽の出した精液が混じり合った汚濁が、ドロリと零れ落ちた。  神嶽は鷲尾を呼ぶと、更にローションを追加する。今度は直腸だけでなく、司のぐったりと萎えた仮性包茎ペニスにも垂らした。  神嶽が、さっきよりもはつらつとしているように見える肉の塊を穴にあてがうと、引っかかりもなくすんなりと沈んでいった。 「ぐうぅっ……!? ま、まだ……するつもりなのか……!?」 「大丈夫ですよ。今度はあなたも、気持ち良くして差し上げますから」  鷲尾は何の悪びれもない顔で笑って、司のペニスを扱き始める。冷徹な神嶽とはまた違う、不気味さである。  傍で見ていた蓮見と柳も、すっかり興奮して股間を膨らませている。 「お前達も、もう参加して良いぞ」  神嶽のGOサインに、二人は待ってましたと言わんばかりに司に飛び付いた。  柳に至ってはかなり性欲の強い男らしく、真っ先に司のそのニキビの一つもない頬に勃起を擦り付け始めた。 「お、おおう……スベスベしてなかなか良いぜ……綺麗な顔の男を汚すのはよぉっ、興奮するよなぁ? こういうクソガキは、他人を見下して、高潔ぶってやがんだからよ……へへっ」 「あっ、お前。好みじゃねえって言ってた癖に、ずりぃな」  恍惚とした表情の柳に対抗するように、蓮見も司のぽってりとした色っぽい唇に己を擦り付ける。  蓮見の先走りのせいで、まるでグロスを塗ったかのように照り輝いている。 「ほら口開けろよ。チンポの味くらい覚えて帰ってくれよな」 「んんっ!? ぐ、むむうぅぅ……」  司は慌てて口端を引き絞った。 (く、口の中に入れようとするだなんてっ。私の顔に擦り付けているこの男も……気持ち悪い……気持ち悪い、気持ち悪いっ気持ち悪い……!)  蓮見がやれやれと笑って、司の鼻をきつく摘まむ。呼吸が遮断され、司は苦しそうに四肢の先をばたつかせる。浣腸の時とは違い生命の危機である。  司は30秒も持たずに、酸素を求めて口を開けてしまった。その口に、蓮見は大きく張った亀頭を潜り込ませる。 「むごごぉぉぉおおおおおっ!」  初めて男性器を含まされ、司はたまらず悲鳴を上げた。きつく顎を掴まれ閉じることも、歯を立てることもできない。 「うおっ、イイ」 「マジ? オレも試したいかも」  蓮見の太いペニスだけで司の口はいっぱいいっぱいだというのに、柳はどうにか隙間を見つけて入れようとする。  だが、さすがに無理だとわかると、唇をめくってその白い歯や歯茎に先端を滑らせた。まるで歯磨きのようである。 「ゲホッ! ぐ、ぉおッ……」  その間にも司は口腔内を蹂躙されむせ返る。男の先走りと自身の唾液とが混ざり合って、飲み込むこともできずに口元を濡らしている。 「うぅっ……うぅん……!?」  ふいに司の腰が跳ねた。司のペニスを扱いていた鷲尾が皮を剥いて、完全に顔を出した敏感な部分を手の平で円を描くように撫でている。  司は自慰すらあまり慣れていないようで、気持ちが良いと言うよりただただ無理やり高められていってしまうような感覚に、不本意ながらもむくむくと体積を増していった。 「なにか感じるか」 (な、なにかって……これは……ああ……どこだ……?) 「どこが一番良い。口か、チンポか、尻穴か」  声に出して言われると、どうしても意識してしまうようで、司は括約筋を締め上げる。 (良い訳がないっ……もう、気持ち悪くて……何が何だか……でも、そこを擦られると……なにか……こみ上げてくるような……? 私の身体は、いったい、なにが起きて……っ) 「んぅっ!? フーーッ……はぁぁっ……」  神嶽が狙って一点を擦り上げると、司が悩ましい声を漏らした。 「前立腺か。そうか。司お坊っちゃまはここをチンポで抉られるのがお好みなのだな」  そう言われても、司は自分の身体でありながら変化についていけない。  そこを刺激されたからといって男の全員が全員感じる訳ではないし、こんな状況で混乱してしまっていることも考えられるが、一度目覚めてしまった性感が薄れることはない。  神嶽は司の弱いポイントを重点的に責め始めた。司の太ももを抱きかかえるようにして、角度を変え、ねじり込むように腰を打ち付ける。  口を、ペニスを、尻を同時に犯され、司はいやいやをするようにもがいた。 「そら、男に輪姦されてイクんだ、司」 「ふぐぐぐっ! ううっ!」 (あぁっ……く、くる……この私が……こんな下衆共に、無理やりイカされてしまう……!)  四人全員がラストスパートに入って、司もその強すぎる刺激にはぎゅっと目をつぶって身を任せるしかなかった。  男の精を、口に、顔に、腸内に、浴びせかけられる。司は更に自らのものでも腹を汚していた。  まだ尻だけで絶頂することはなかったが、内側を刺激されながら射精する初めての快感に、司は汗の玉をびっしりと浮かばせ、荒い息を吐きながら、波のように引いていく余韻に浸っていた。  神嶽の操作で台が戻り、拘束も外されて、司はやっと責めから解放された。  歩こうとするも疲労からかふらついて、床の上に倒れ込んでしまった。 「シャワーを浴びるんだ。今日はこのくらいで帰してやる」 「…………」  司の脱いだ服を差し出しながら、神嶽が見下ろしている。  その感情の起伏のない顔に、司は恨めしそうな目を向けた。喋る気力ももうない。 (この男…………絶対に許さない……必ず正体を暴いて、報いを受けさせてやる……)  それでも、あれだけの目に遭って一滴の涙も流していないのは、さすがと言うべきだった。

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