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如月司編3-3 ※強制自慰

 今の司は上はきっちりと着込んでいるのに、下は靴下だけというアンバランスな姿だった。  ソファーに座らせると、少し股間を前に突き出すような姿勢で、両脚をM字に開かせる。ぐったり萎えたペニスも洗浄したばかりのアナルも神嶽からは丸見えである。  神嶽がその剥き出しの窄まりにローションを垂らすと、ぬるりとした液体の感触に司は眉間に皺を寄せたが、それだけで何もしてこない神嶽を不思議そうに見上げた。 「自分で肛門を弄ってほぐしてみせるんだ」 「そっ、そこまでやらせるつもりなのかっ」 「言っただろう、これは昨夜の罰だ。俺のチンポが楽に入るように、うんと柔らかくしておけよ」 (なにが、罰だ……裁きを受けるべきはお前の方なのにっ……)  前のように身動きのできない状態で犯されるのはもってのほかだが、だからと言ってこの憎い男を手助けするような惨めな行いも御免である。  しかし、また神嶽に好き勝手に扱われるよりかはまだマシだとどうにか自分を納得させて、司は自身のペニスと同じように色素沈着の少ない皺に指を這わせ始めた。  普段から直接触れることなどない排泄器官を、よりにもよって性交渉に使う準備をさせられるなど、司は言いようのない不快感に顔を目一杯歪める。それでも実に慎重な動きで、皮膚や粘膜を傷付けないように撫でていく。 「ぁっ……?」  怖々と人差し指を押し込むと、排便したばかりであるし潤滑剤のおかげもあってそれほど抵抗もなく入ってしまい、司は思わず驚きの声を漏らした。 「それくらいで驚いていないで、入念に拡げるんだ。それともお前のクソ穴は俺にチンポを突っ込まれただけでもう慣らす必要もないほどガバガバになってしまったか」 「お、おぞましいことを言うなっ! やれば……良いのだろうっ……」  司は半ば自棄になって、指を浅く動かし始めた。  だが、前のような表面麻酔はない。指が出たり入ったりする感触を肛門の神経でダイレクトに感じてしまい、思わず締め付ける。その意図しない動きに司はまた怯えたように固まってしまう。 「しょうがない奴だ。入れたまま指を曲げてみろ」 「なにをっ……!? うぁっ、よせ……!」  神嶽が司の手首を掴み、前後に動かし始めた。ちょうど陰嚢の付け根の真裏にあたる小さなポイントを見つけると、ぐっと押し付けるようにして撫で回す。 「ぅっ──ぐっ……!?」 「お前の性感帯はここだ。覚えておけ。ここをしっかりと刺激して快感を得ろ。そうすれば自然と指も動いてもっとほじって欲しいと穴も開いてくる」 (あ……ここは……確か、こいつので擦られた……?)  直腸自体は鈍感であるからアナルでは内側から他の生殖器官を刺激することなどで快感を得るが、いきなり前立腺で感じることのできた司は神嶽にとっても実に好都合であった。  そこを擦っていると司のペニスはだんだん血が集まり、ピクリと震えて、司はますます自身の身体の変化に動揺してしまう。 (……やっぱり、なにか……こみ上げてきそうなっ……馬鹿な、ただの排泄器官だぞっ……!? こ、こんな……変な感覚になってしまうなんて……我が身を呪うっ……)  普段が冷静であるだけに想定外の事態にはどうにも弱いようで、司は信じられなさそうに目を泳がせる。  神嶽の手が離れると、司もぎこちない動きではあるが、同じところを確かめるようにくの字に曲げた指の腹でちょんと突ついてみる。前立腺とは女のGスポットのようなものだ。何とも説明し難い甘い痺れが司の背筋をぞわりと駆け抜ける。  前回よりも、今度は確実にそれを感じ、あまりの羞恥に俯いてしまった。 「気持ち良さそうだな。こうして見ているとまるでオナニーショーのようだぞ」 「お、オナッ……そ、そんなんじゃないっ! 私は、お前に脅されて仕方なくっ……! ううっ……あんまり……見るな……ふぅっ、くっ……」 「いずれ如月家を背負って立つお前がそんなところをほじってチンポを勃たせているなど、如月家には売女の血でも入っているのではあるまいな」 「わ、私のことばかりか如月家まで侮辱するなんてっ……! 許さない……んうぅ……絶対にっ、許さないからなっ……」 「許されなくて結構だ。手を休めるんじゃない」 「うっ……ぐ、ぐっ……! わかっているっ!」  どうにも一方的に言われたままでいるのは司の性に合わないらしい。  だがそれは、なにか喋っていないと、尻への刺激に集中してしまいそうだからでもある。未知の感覚が襲いくる中、司は早く事を済ませようと焦っていた。 「どうだ。少しは柔らかくなってきたか」 「はぁっ……そ、そんなこと……知るか……っ。私を……お……犯したいならっ……こんな回りくどいことなんてせずに、とっととやればいいだろうっ……」 「それではお前も痛いだけで気持ちが良くないだろうからな」 「ふんっ……お前のような色情魔にそんな心配をされるなんてっ……嬉しくて反吐が出そうだ……」 (ああ……もうあんなに大きくさせて……。男のこんな姿を見て興奮しておいて、よくもまあ大口を叩けるものだ……。四六時中発情して恥ずかしくないのか、この変態男!)  神嶽の股間は司でなくとも一目見てわかるほどにテントを張っている。司が心でどれだけ神嶽を罵ったところで、これから彼に降りかかる災難は変わらない。

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