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如月司編3-4 ※快楽責め

「だが、そんなに言うなら良いだろう。向こうを向いて四つん這いになれ」  司は弄っていた指をゆっくり引き抜くと、後ろを向き、ソファーに両手をついて神嶽に捧げるように尻を突き出した。無意識だろうが、直前まで指が入っていた窄まりが軽くひくついている。  初めからこうなることを予感していたとはいえ、社会の窓から完全に勃起した肉棒が取り出されると、司は緊張した様子で唾を呑み込む。その表情には一抹の不安、あるいは恐怖も滲んでいた。  神嶽はローションを足すとアナルに亀頭をあてがい、司の呼吸に合わせてその剛直を沈めていった。 「ぐっ、く……うぅっ……!」  いくらほぐさせていても、その質量は指とは比べものにならない。  しかし痛みはそれほどないようで、カリの一番太いところが狭い器官を通過すると、広い直腸にずるりと入ってしまった。その圧迫感に、司は身震いし、大きく息を吐き出した。 「入ったぞ」 「言わなくても……わかるっ……。っく、このっ……早く、終わらせろ……」  神嶽はずるずると腰を引いていった。そうすると、司の括約筋はまるで抜かないでくれと言わんばかりにギュッと神嶽を締め付ける。 (な、なんだっ……? これっ……中で動かされると、なにか……変、だ……。わ、わからない……こんな感覚は知らないっ……い、いったい何が起こっている……?) 「やはり感じているな、司」 「っ……こんなのは私の本意じゃないっ……そ、そうだ……昨夜も、お前がなにか……液体を塗っただろう……!? 私の身体に何をしたんだっ!?」 「何もしていないさ。ただ挿入しやすいように潤滑剤をたっぷり使っただけだ」 「う、嘘を付くな! こんなに急に身体がおかしくなるなんてっ、お前が何かしたに決まってっ……!」 「ここまで来てまだ俺のせいにするか。呆れた根性だな、司。理由があるとすれば、どんな刺激でも反応してしまうほど欲求不満だったか、尻を弄くり回して欲しくてたまらない天性の変態だったかというくらいだろう。お前のようにプライドの高い人間は案外後者かもしれないな」 「違うっ!!」 「その証拠に、お前のチンポは図々しく勃起したままだ。本当に嫌ならば萎えるものだろう」  神嶽に言われてようやく気付いた司は、自分の股間を見て目をまん丸くさせた。  身体を繋がれてもなお、司のペニスはそこだけ別の生き物のように、硬くしこって上を向いている。  司の意思に反して欲望に忠実に、ピンク色の亀頭は包皮から顔を出して存在を主張し、先走りまで零して糸を引く始末だ。 「えっ……ぁ……こ、これは……これはっ……お前に、憤りを感じているから……だからだっ! お、男ならそういうことでも、その、反応してしまう時だってあるだろうっ!?」 (どうしてっ!? ほ、本当に嫌なんだ! あんな脅しさえなければ、こんな男に好き勝手される私ではないのにっ……!)  司はどうにもならない身体の反応に、混乱の極みに達してしまっている。 「だからと言って我慢汁まで垂れ流す必要はないと思うがな」 「ンンッ! ん、ぐぅっ……!?」  抜けてしまうギリギリまで引かれた腰を、弱いところ目掛けていきなり打ち付けられ、司はすんでのところで唇を噛み締めて声が出てしまうのを堪えた。 「抑えたか。我慢強いことだ」  神嶽は感心する訳でもなく淡々と呟く。  表面麻酔などただ苦痛を和らげるものに過ぎなかった。初めてのアナルセックスを痛くてたまらないものと印象付けるより、そうでもない、むしろ気持ちが良いものだと刷り込む為に使ったまでである。  ただ、司の場合はそれが大きな功を奏した。性に疎いせいもあるだろうが、それほどに敏感な身体をしていたのだ。  司が頭では拒んでいても、男にしか感じ得ない悦びを覚えてしまった未熟な肉体は刺激を欲して止まない。天性のものというのもあながち間違いではないだろう。 (悔しいが……確かに、私の身体がおかしいのは事実だ……。でもっ……私がこんなことで惨めに悲鳴を上げると思ったら大間違いだ! お前には負けない……最後まで耐え切ってみせる……!)  宣戦布告するようにキッと神嶽を睨んで、司は己の身体を支える手に力を込めた。 「ふぅっ……ぐ、んむむぅううう……」  神嶽が本格的に腰を動かし始める。クラブで犯した時より強く、腸壁を抉るような抽送である。  司に弄らせていたせいで更に感度の良くなっている前立腺をぷっくらと膨れた亀頭でグリグリと擦られ、司の下半身にじんわりと強烈な快感が広がった。  司がどれだけ快楽を得ているか、全身から噴き出す汗や、赤みを増していく顔、速くなっていく鼓動が物語っているようだ。  それらを押さえつけようとするのは全くの逆効果である。我慢すればするほど余計に力が入り、括約筋をギュウギュウと締め上げ、神嶽のペニスを扱いて射精を促す。

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