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如月司編3-5 ※快楽責め

「司。お前の中で出すからな。全て受け止めろ」  神嶽の宣告に司は身を固くする。病気になるかもしれない、という不安は消えない。  だからと言ってこの無情な男に抜いてもらえるとも思えない。むやみやたらに懇願するのも司のプライドが許さなかった。 「っ…………どうせっ、嫌だと言っても出すんだろうがっ……か、勝手にしろっ……」  そう吐き捨てると、司はふっと嘲笑するように鼻を鳴らす。  高圧的な態度で翻弄してくるが神嶽も所詮は男、我慢のならないけだもののようだと、司本来の冷めた感情も取り戻してきたかに思えた。  深々と突き込むと、腸壁に先端をめり込ませながら精を放つ。司は目を瞑って、全身を強張らせながら腸内射精の気持ち悪さに耐えた。 (え……? ま、またするのかっ……? どれだけ貪欲なんだ、こいつはっ!)  ピストン運動を再開され、蔑むような視線を向ける司が口を開くより早く、神嶽は下腹で司の尻を打つ。 「んぐぉっ、ウゥゥウウウッ!」  危うく甘い声が出てしまいそうになり、司はまた唇をきつく引き絞った。 「くうっ……んうっ、んんん……フーーッ……」  昨夜までアナルバージンだったことを忘れさせるような激しい肛虐にも、鼻から抜けるような声が漏れてしまう。 「普段取り澄ましたお前がここまでのアナル狂いだったとは如月の名が聞いて呆れるな。これでは処女のくせにオナニー常習者の小娘と何ら変わらんではないか」 「アナル狂い……っ!? ち、が……わ、私はそんな人間じゃないっ! 私は……あぎっ!?」  まだ司が喋っている途中で、神嶽は司のはち切れそうになっているペニスを握り締めた。ぬらぬらと光るカウパー汁がすっかりソファーを濡らしている。 「ば、馬鹿っ! そんなところっ、さ、触らなくていッ──ぁ……ひ、ぃぃ……」  触れられることを待ちわびていた反り返りがびくんっと震え、喉からは引きつったような声が上がった。  急所を神嶽の手に包まれ、ねちゃねちゃと淫靡な音を立てながら扱かれると、その動きに合わせて司の腰が跳ねる。 (そ、それは嫌だ……自慰なんかっ我慢のならない低俗な男がやることで……ぁ……ま、またあの時みたいにイカされっ……怖いっ……)  最低限の知識はあれど、こう肉欲を毛嫌いしていては今の今まで性に目覚めてすらいなかったのだろう。  慣れないことであるぶん、やはり他人からの刺激には弱く、司から余裕がなくなっていく。 「んおぉっ──ッ!? ぐっ、ううっ、フーーッ……ふうぅっ……」  後ろからも弱点を押されながら敏感な先っぽを擦られると、手足を突っ張らせ、勢いよく若い子種を飛び散らせる。  直前に手の甲を唇に押し当て、大声を上げてしまうことだけは何とか免れた。  絶頂に収縮する直腸の中で神嶽も二度目の射精を終えたが、まだ熱を帯びたままであるそれを再び動かされ、司はぎょっとして神嶽を振り向く。  一度の射精だけでもいっぱいいっぱいの司には、神嶽の精力は信じがたいものであった。 「まだだ。もう一発出すぞ。お前の腸を俺のザーメンで満たしてやる」 「も、もう、いらないっ……! お前の精液なんてっ……あぁっ、いい加減っ、終わりにしてくれっ……」  執拗な快楽責めに、司はすっかり語気が弱くなってしまっていた。 「っはぐぅ、がっ、く、おぉ……ッ……んむぅっ……うぅうっ」 (そこやめろぉっ……声が……あうっ、こんなことでは……こいつを調子に乗らせるだけっ……。でも……でも……っ。くそっ! まさかこんなことに対して軟弱だったなんて、末代までの恥だっ……)  度重なる快感で腸汁も分泌され、ローションや精液と混ざり合い、トロトロになった肉穴を容赦なく掘削されて、司はもう喘ぎ声を耐え忍ぶことで頭がいっぱいになっている。  神嶽は司を追い詰めるように勢いも質量もまったく衰えない精子を吐き出すが、今度は動きを止めないままその暴力的なペニスで前立腺を掻きむしった。 (ああっ!? だっ、出してるっ……!? 射精しているのにっ、どうして動くのをやめてくれないっ……!? ぁ……! く、くるっまたくるっ……!?) 「────ッ!? ひぐっ、んぅっ! ぅう……ううう~~~~ッ!!」  司が今日一番の反応を見せた。吐精しながらガクガクと下半身を震わせ、自身を支える力も抜けて、膝から崩れ落ちてしまった。  ようやくペニスが出ていった尻穴からは、大量の精液がごぽりと音を立てて垂れ落ちた。 「はひっ……か、はっ……ぁふっ……ううんっ……」  当の司はそんなことを気にしている暇もなく、荒い息を吐くのがやっとである。 「ものすごいイキっぷりだったな、司」 「んん……ぐ、ぅあ……はーーっ……わ、わたしっ……い、いったぁ……?」 「ああ。二回目などチンポを触っていなかったにも関わらずだ。お前は自分を脅す憎い男とのアナルファックで尻だけで射精したんだ」 (ぁ……そ、そんなっ……私、また……こいつに犯されながらっ……)  呼吸が落ち着いてくるのと同時に、だんだんと現実が戻ってくる。  散々掘り抜かれたアナルからブビィッと醜い破裂音がして奥の方の白濁が排出されてくると、ハッと我に返って、司の上気していた肌から血の気が失せていった。  悲鳴こそなんとか上げずに済んだものの、ここまで感じてしまったことはもう隠しようがない。  クラブと今とで、共にアナル刺激をされてのオーガズムを覚えた司の奴隷調教は、実に幸先の良いスタートであった。

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