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如月司編5-5 ※輪姦

 司が休む暇もなく、また二人の男がやって来た。先の様子を見てもうすっかり息を荒げている。  口には忌々しそうに司を睨む男が、尻には幸の薄そうな男がつく。 「お、俺は容赦しないからな……こいつのっ、人を使うのが当たり前みたいな顔した父親のせいでっ、俺の人生はめちゃくちゃになったんだっ。こうしてクラブを知るくらいにのし上がるまで、どれだけ苦労したか……!」 「おっ、おごっごごご! ゲフゥッ!」  男は容赦はしないと言ったその言葉通り、はち切れんばかりの勃起をいきなり喉奥まで突っ込んだ。司の頭を押さえ込んで、その口蓋を掘削するように暴力的に擦り付ける。 「おや? あなたも如月家に恨みが。奇遇ですねぇ。僕は母親の方なんですけど、あの糞女、学生時代から付き合っていた僕を差し置いて、この子の父親と結婚してしまって。僕のような成り上がり者は良いとこのお嬢さんにとっては所詮都合の良い遊び相手だった訳ですよ。まったくこの子も酷い両親を持ったものだね」  司のアナルに挿入していった男が、口を使っている男に同情するように語る。  男達の言うことは半分は事実であるが、半分は逆恨みだ。  司の父親は不景気による人員削減のため、男がどんな仕事に就こうがやっていける優秀な人間と踏んで断腸の思いで首を切り、母親の方も、男を愛していたしいずれは結婚も視野に入れてはいたが、両親の反対や運悪く様々なすれ違いが生じて実現しなかっただけである。  だが、それらは司にとって初耳の話だ。その家柄、直接的には関係のない恨みをぶつけられることも多いが、両親をあまりに一方的に貶める物言いに、司は自分のことを言われるよりも激しい怒りが沸き上がる。 「っぐぅっ、げほっ……! 両親の……悪口を、言うな……! 父さんと母さんはっ、そんな人間じゃない! お前達のような屑共など切り捨てられて当然だろう! 懸命な判断じゃないかっ!」 (捨てられるっ……そう……出来の悪い子は、そうなる……だから、私はっ、頑張っているのにっ……)  気丈だった司の心の声が、初めて悲哀を孕んだ。  そもそも正義感の強い司には不正を恐れることなどない。もし自分だけが悪いならば、優子にしたように詫びて終わりだろう。  だが、やはり“如月家”のこととなると話は別だった。  あの家に生まれ、あの家の大切な一人息子としての環境に慣れてしまったことが、司にとって何よりのウィークポイントである。  如月家の不正など二の次だ。司が最も恐れるのは、それが暴かれることによって敬愛する両親が不幸になること。そのせいで両親に嫌われてしまうことだ。  例えその二人に過度な期待を押し付けられていたとしても、司は如月という家系が、自分と同じ血を引く人間が、ただただ、好きだった。 「どうだかな。お前に見せている面が必ずしも真実とは限るまい」  身勝手な恨みをぶつける男達に、神嶽も加勢する。孤高な司の価値観を解きほぐす為に、彼と同じく不器用なだけである両親には悪役に徹してもらうのだ。 「そんな訳がないっ! 今まで父さんと母さんの判断が間違っていたことなんて一つもないんだっ! だから……だからっ、不正だってっ、きっとお前達のような悪人に嵌められてっ……」 「さすがは人情味の欠片もないクズの血を引く司お坊っちゃまだ。いつまでもそうやって言い訳をしていれば傷付かずに済むからな」 「言い訳……なんかじゃ、ないっ……」 「今のお前に残された道は二つに一つだ。如月がどれだけ汚れきっているか認めるか。本当は奉仕の精神を大切にする素晴らしい家系だと、しっかりその身でもって証明してみせるか」 「う、ううぐ……そんな答え……決まってる……。私だって如月の男としてのプライドがあるんだっ……どこの馬の骨ともわからない人間に汚名を着せられたままでは気が済まないっ……だから、ちゃんと、ほ、奉仕は、する……。くそっ、お前達も……今日は私を一方的に辱めたくて来たのだろうが、そうはいくか……! 奴隷と罵る人間にイカされて情けない顔を晒せばいいんだっ! 性欲しか頭にない猿共がっ!」 (あ……わ、私はなんてことを口走って……っ)  ついカッとなって食って掛かってしまった司は、次の拍子には苦い顔になる。  しかし、心の拠り所が、身体を蹂躙される疲れに脱力してしまいそうになる司を奮い立てた。 「な、なんだその口の利き方はっ、生意気なガキめっ……おふっ」  司の態度に腹を立てた男だったが、それ以上の怒りに満ちて意地を張った司に深く咥え込まれると、思わず息を詰まらせた。 「んっ! んぶぶっ! じゅるるうううううっ!」 「おっ、おおう……なかなかやるじゃあないか……ふひっ、こんな、淫乱テク……教えてもらったってそうそう身につくもんじゃない……澄ました顔して本当はずっとこうしたかったのか、この淫売め!」 「くうっ、こっちもすごい締め付けだっ、あんな家の為によく頑張るなぁ。馬鹿みたいだとは思わないのかな、この子?」  男達は文句を言いながらも、その表情は実に満足げである。  司は視線だけで人を殺せそうなほどの激情を秘めた目を向けているのに、今は抵抗をしないどころか積極的に男を貪っているのだ。  その姿はまるで獰猛な獣を手懐けたかのような錯覚に陥らせる。

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