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如月司編7-2 ※フェラ

 優子が神嶽の言葉に甘えてベッドに入ったのを確認すると、司も渋々といった様子で、カーテン一枚で仕切られたすぐ横のベッドに歩いて行った。  神嶽が後に続き、カーテンを閉める。これで司は脅迫者と二人きり。  大声を上げたり、暴れて逃げ出そうとすればできそうなものだが、司は目の前の男がそれを許す人間だとも思っていないし、そんな無様な真似はしない。  司は肩を押されて、その場に正座した。神嶽は司と向かい合わせにベッドに腰掛ける。 「少しは音を上げてきたようだな」 「…………」  司はムッとした表情こそしたものの、隣を気にして何も言わない。ただただ神嶽を恨めしそうに睨んでいる。 (当たり前だろうっ……。私だって人間なんだ、毎日のようにあんなことを強要されて……ひ、平井が惨たらしく殺される場面まで見せられて……体調の一つも悪くなって当然だろうが……っ。私の身体を何だと思っているんだ、こいつは……)  度重なる凌辱の影響は、健康体の司をも徐々に蝕んでいっている。それに加え、彼の身体は実に感じやすい。  表面上はそう変わらないようでいて、どうにも以前と比べて元気のないことが多かった。  神嶽が股間のジッパーを下げると、司も神嶽が何をさせようとしているのかを察して、顔を強張らせる。 「さあ、奉仕の時間だ。やれ」  言いながら、神嶽は司の顔の前に既に勃起させているペニスを晒してみせた。 「こんなところでか……!? さ、西條の妹だっているんだぞ!?」  無論、隣のベッドには優子が寝ている。司は極力声を潜めて抗議した。 「お前がうるさくしなければ良いだけだ」  神嶽は躊躇する司の頭を鷲掴みにすると、硬いペニスをその顔にぴとぴとと押し付ける。 「ひっ……! や、やめ……っ」 (そんな汚らわしいものを私の顔に押し付けるな……! ああっ、なんて下劣な男……!) 「舐めろ。それとも……お前はこのまま俺が隣に行って優子を犯す方がお好みか」 「っく……! わ、わかった……やる……やれば良いのだろうがっ……」  ──自分が言うことを聞かなければ、周りの人間がどうなるかわからない。  そんな神嶽の口先だけではない脅しを、司は改めて思い出す。  屈辱で唸ってしまいそうになるのをどうにか堪え、厚かましくそびえ立つものを控えめに握った。  それを皮切りに覚悟はできたようで、司は膝立ちになり、本格的に神嶽のペニスに奉仕を始める。  嫌々ながらではあるが、あまり音が鳴ってしまわぬようにぴったりと顔を寄せ、唾液を絡めた舌がねっとりと付け根から裏筋にかけてを舐め上げた。  行き着いた先の敏感な亀頭を優しく這いずり回り、小さな尿道口までを舌先でほじるように刺激する。かと思えば雁首までを唇で挟み込み、モゴモゴと舌の上で転がして弄んだ。 「ん……ぅく……ちゅ、れろ……んあぁ……っはぁ……うむうぅ……」 「すっかりフェラが様になったものだな、司」 「う、うるひゃいっ……」 「それに、ずいぶん上手くなっている。家でソーセージでも咥えて練習したか。熱心なことだな」 (こんなことを、練習だなんてっ……下手でも蔑まれるだろうから、精一杯やっているんだろうがっ……。くそっ……くそぉっ……) 「嫌でも……ぷはぁっ……や、やらなくては……また、誰かが、酷い目に……」 「そうだ。女なら壁に埋め込んで孕むまで浮浪者に穴という穴を犯し回させ生きたまま胎児を引きずり出して殺す。男ならお前が先日見た通りだ」 「……言わなくていいっ」  おぞましいことを平気で口にしてみせる神嶽に、司はぞくぞくと悪寒が走るのを抑えることができない。 「心配するな。きちんとやるのだろう」 「……あ、あぁ……」 「だが、今のやり方では物足りない。そんなことではいつまで経っても射精できそうにないぞ。隣を気にするのもいいが、相手が気持ち良くイケることをまず第一に考え、誠心誠意奉仕するんだ」 「んっ……むぅ…………」 (なにが……誠心誠意だ……所構わずフェラチオを強要する変態鬼教師めがっ……)  司は上目遣いで睨んだあと、積極的に深く咥え込み、ゆっくり頭を上下させ始めた。 (はぁっ、あ、相変わらず、なんて大きい……顎が痛い……でも……口の中をエラが擦れる……考えたくないのに……こいつのチンポの感覚を覚えてしまう……)  眉間に皺を寄せ、羞恥に打ち震えながらも懸命に愛撫する。軽く吸い付きながら出し入れを繰り返していると、慎ましい唇は腫れぼったく官能的な色に変化していく。

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