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如月司編7-4 ※羞恥、女子当て馬

 司は濡れた口元を指で拭って、少し躊躇したのちにベルトに手をかけた。下着ごとズボンを脱ぎ捨て、大きな音がしてしまわないよう細心の注意を払いながらそろりとベッドに上がると、神嶽の肩に手を添えて股間を跨いだ。  そうすると司は自ずと神嶽と対面する形になるが、凌辱者をそうまじまじと見たいはずもなく、顔を背ける。  今はもうとにかく早く神嶽を満足させて終わらせることだけを考えていた。 「恥ずかしがっていないで抱きつけばいい。きちんとフェラできた褒美にほじってやるぞ。それとももういきなりぶち込んでも平気な緩いケツにでもなったか」 (こ、こいつに抱きつくだなんて、気色の悪い……。だが……仕方がない……無理をしてこんなところに支障が出でもしたら一生後悔する……)  司は冷静に首を横に振って、神嶽にしがみついた。異性どころか家族とさえこうして触れ合ったことはないのだろう、その手は遠慮がちに震えている。  神嶽は司のすべすべとした尻たぶを揉みながら、唾をつけた指の腹でアナルをマッサージし始めた。 「──ッ、んん、ぅ……ふぅ……」  司の噛み締めた歯の間から微かに悩ましい声が漏れる。  無意識ではあるが、フェラチオしながら興奮していたのだろう、司の中は既に熱くとろけきり、二本の指を容易く受け入れた。ひくつくアナルを、直腸を蹂躙されるたび、司の腰がピクンと揺れる。 「気持ち良さそうだな」  司は首を振って否定する。弱い部分を圧迫するように強く指を押し付けられると、司の抱き締める手に力がこもった。 「んぐぐぐッ……! く、くふぅっ、はふぅ……っ」 「俺のチンポを咥えながらこれを入れられたらどうしようと下世話な想像をしていたのだろう。嫌がるそぶりを見せながら、本当はもう楽しみで仕方がなかったというわけか」 「だま、れ……っ。誰が、そんな卑しい真似を……!」 (違う……あ、あんなところを弄られるとっ、もう自分が自分でいられなくなりそうだからっ……嫌なんだ……! あ、ぁ……ま、またこいつのチンポが……入って……きてしまうっ……)  指と入れ替わりに唾液まみれのペニスを擦り付け、狙いを定めると、ゆっくり腰を落とさせていく。  根元まで沈むと、司はブルブルッと身震いし、挿入の快感を味わった。 「そのままちゃんと掴まっていろよ」 「……? な、何をする気だっ!?」 「少し場所を変えようと思ってな」 「こんな状態で……!? い、いくらなんでもそれは……お、お前の言う通りに口でちゃんとしたのにっ……! あぐっ、ち、ちょっと待っ……!」  神嶽は司を抱えたまま立ち上がった。司はその振動にゾッとして両脚をも強く絡める。  そうして何の躊躇もなくカーテンを開け、隣に歩いていく。既に優子が深く寝入っていることは掌握済みであった。  困惑する司に一切構うことなく、神嶽はあろうことか司にとって最悪の行動に出た。 (う、嘘だ……まさか、あぁああああっ!? ここまでするなんてっ……何を考えているんだこいつはぁっ……!?)  優子が寝ているベッドのカーテンまで開け放ち、彼女のすぐ隣に司を降ろした。そして司の片足を持ち上げ、逃げられないようグッと奥深くまで貫いた。  優子はすやすやと寝息を立てているが、これではばれたら最後、何をしても言い訳できない状況だ。 (こんなことをして、彼女がもし起きたらっ……) 「もしこの女が起きたら、このまま3Pに突入だな」 「や、やめろ……! 馬鹿な真似はよせっ!」 「それが嫌ならせいぜい我慢するんだな。お前の得意分野だろう」  神嶽は有無を言わせず抽送を始めた。初めから激しい腰使いのせいで、ベッドのスプリングがギシギシと音を立てる。  更にわざとグチャグチャと淫靡な水音まで鳴らして司の羞恥心を煽った。 「よせ……音がっ」  さすがにまずいと司の手が神嶽の腕を掴もうとするが、逆に神嶽に掴み上げられて、また一つ逃げ場をなくされただけであった。  しかしすぐ近くで繰り広げられる凌辱は優子の質の良い眠りの邪魔をすることになる。  規則正しい呼吸をしていた優子が、うるさい虫を払うような手振りをしながら動いた。 「うぅーん……」  寝返りを打ち、司の方を向く。幸いにもそれだけで起きる気配はない。  だが、そのせいで司と彼女は息がかかるほどの距離で対面することになってしまった。  司の目がギョッと剥かれ、心臓は極度の緊張で激しく鼓動している。同時に、アナルもキュウッと窄まる動きを見せた。 「……つかさ、さん……」  夢でも見ているのか、優子の口からむにゃむにゃと小さく司の名が漏れた。 「健気な女だ……寝言で好きな男の名を呟くとはな。まさかそいつが隣で男に尻を犯されているとは夢にも思うまい」 「や、やめろ……言う、な……うぐ、ぅ……ッ」  顎が痛くなるほどの力で奥歯を噛み締めながら、司は優子の穏やかな顔を見つめる。  司はセックスとは男女が婚姻関係を結んで初めてするものという認識でいた。自分もいずれ、跡継ぎを作るために女を抱くことになるだろうとぼんやり考えていた。  なのに男との行為を覚え込まされてしまったあげく、一途に恋慕ってくれていた女の前で強要されている。これではまるで、彼女への当て付けのようではないか。  非の打ち所がない彼女まで利用して貶めようとする神嶽のやり方に、司は改めて恥ずかしく、惨めな気持ちでいたたまれなくなってしまった。

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