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如月司編8-3 ※亀頭責め

「く、ふ、うぅぅっ……!?」 (ひいいっ!? し、振動がっ、つ、強、くっ……!?)  神嶽はそんな司の余裕がない瞬間を狙って、振動レベルを上げた。絶え間のない攻撃にあられもない声が出そうになって口を噤む。 「そ、そして、誰かを、傷付けている者ッ……!」  こうなると司も躍起だ。負けじと声量を大きくする。 「私はっ……そんな、恥知らずな卑怯者を……絶対に、許さないっ……ただでは済まさないと……そう……誓っています……」  現在進行形で悪夢のような被害に遭っている司は、もしこの学園の人間がいじめやそれに似た不良行為に関与していたらと想像すると、とても他人事のようには思えなかった。  少しでも気を抜けば積み重ねて来た日常が崩壊してしまいそうな故に、喉奥から低く絞り出す。  普段の淡々とした司を知っているだけに、ただごとではない剣幕の彼を恐れをなしたように見ている生徒もいた。 「今は、いい思いを、しているように、感じるかもしれません……だがっ、いつか、必ずっ……報いを、受ける時が、来るでしょう……。自らの首を絞めるような真似は、すぐにっ……くっ……やめなさいっ……!」  もう話のほとんどは、神嶽一人に向けられているようなものだった。  我慢し続ける司の顔が徐々に赤くなっていき、玉のような汗が噴き出して止まらない。吐き出される息も荒くなっていく。 「はぁっ……ん、く……ふ……ふぅ……」 (ま、まだ……耐え、なくては……こんな、玩具に、あんな男に、負けては……)  生理現象は隠しようもなく、だんだんと、司の変化に気付く者が現れてきた。司の様子だけではなく、ローターの振動音もである。 「……ねぇ、なにこのブーン……って音? 誰の携帯?」 「うーわ。よりにもよって如月会長があんなに熱くなってる最中に鳴っちまうとか災難だな。ありゃ当分没収されるよ」  そんな生徒達のひそひそ声が司の耳にも届いて、司は余計にどうしていいかわからず、焦燥だけが募っていく。 (っ……!? ぁ、あ……ど、どうしよう……どうすれば……ば、ばれたくないっ……!) 「し、静かに……っ! 私語、は……慎み……なさ、いぃぃ……っ」  慌てて注意するものの、声が震えて上手く言葉にならない。  演台の角をぐっと掴み、快感の波をやり過ごそうとするが、司の身体はもう我慢ならないところまで高められてしまっていた。 「ふぅっ……いっ、一生に一度の、青春時代です。願わくば皆さん、他人を思いやれる心の余裕を持ち……す、健やかな学園生活を送ってください……っ」  最後は駆け足に宣言し、司は恥辱の演説を乗り切った。  しかしその達成感によって、張り詰めた気が緩むことにも繋がった。その一瞬の隙を逃さずに、神嶽は振動レベルを最大にまで引き上げた。 「そ、それでは、次……にっ……!? ん、うぅぅぅ……ッ!」 (こ、このタイミングで強くするなんてっ……鬼っ! 悪魔っ! 色狂いの畜生がっ……! ああっ、こんな……こんなの、も、もうっ……だ……駄目だっ……!)  司自身が限界を悟ったその瞬間、司の身体がぐらりと揺れたかと思うと、演台から姿を消した。これ以上は耐え切れず、その場に膝から崩れ落ちてしまったためだった。  スイッチが切られてもなお、司は目一杯に顔をしかめ、血が出そうなほどに唇を噛み締めてブルブルと震えている。 「きゃあっ! か、会長っ!?」 「ちょ……如月、大丈夫かよっ!?」  真っ先に書記の女子が悲鳴を上げ、続いてすぐに副会長が司に駆け寄った。  直前まで力説していた生徒会長が倒れるという緊急事態に、館内は騒然となる。  抱き起そうとする副会長の手を、司はまったく余裕のない動作で振り払った。  いま誰かに触れられれば、例えそれが友人だろうがお構いなしに感じてしまいそうなところまで追い詰められていた。 「くっ……だ、大丈……」 「大丈夫じゃねぇだろっ!? 顔赤いし、汗も凄いぞ! 熱があるなら、無理すんなって!」  副会長は真剣な表情で声を荒げる。司の一連の異変を体調不良と思ったようだ。 (あ……ば、ばれて……ない……良かった……)  それだけでも、司は安堵した。彼らに続いて、神嶽も一生徒を心配する教師の仮面を被って司に駆け寄った。 「如月くん! 肩を貸すよ、保健室まで歩けるかい? ああ、下田くん、あとのことは頼んだよ」 「えっ。あ、は、はい……!」  進行を副会長に任せ、神嶽はがっくりと力の抜けしまっている司に肩を差し出した。  憎い男だが、ひとまずはこの危機的状況から脱出できる。司は高く持ち上がった勃起を隠そうと内股になり、歩きにくそうにしながら、なんとか神嶽の肩に掴まって立ち上がる。  腰を支える振りをして神嶽の手が尻たぶを鷲掴みにすると、司は膝をガクガクと震わせて、顔をとろけさせそうになった。 「ッ────! ぐっ……ぅ、ふうぅぅ……」  間一髪であった。これだけの快感を与えられては、並の人間であればどうにもならないもどかしさに痺れを切らし、はしたない嬌声を上げてしまっていてもおかしくはない。  司はそれを必死で押し殺し、吐息を漏らすだけに留まっている。感じやすい身体をしていながらも、驚くべき忍耐力だ。 「今、イキそうだったな」  耳元でそう囁かれ、司はもううなだれるしかなかった。

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