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如月司編10-2 ※輪姦
夜が更け、司にとって今宵の試練の場所となる、体育館への扉が開かれる。広い館内には招待された我が物顔の会員がずらりと集まり、既に異様な熱気に包まれていた。
もっと、さらに、激しく。気高い司が狂い悶える姿が見たい。それが会員達の満場一致の要望であった。
どこまですれば壊れるか、はたまたそれすら耐えてみせるのか。そのギリギリの線を攻めるために、快楽に素直な肉体は重要な鍵となる。
「……今日はいったい、何をするつもりなんだ……」
悪寒を感じつつも、司は気丈に神嶽を睨む。
「簡単なゲームをしよう、司。これからの責め苦にお前が『やめろ』と言わなければいい。もし最後まで言わずに耐え抜けば……この辺りで大人しく手を引くとしよう」
「なっ……なんだと……!?」
「お前の強情ぶりにはこちらとしても少々手を焼いているんだ」
(そ、そんなこと……やすやすと信じられるわけがないっ……! しかし……下手に疑ってまた好き勝手な解釈をされるのも……あぁ……ど、どういう意図が……)
突然の信じがたい提案に、司は困惑を隠せない。一方の神嶽は表情を変えず、USBメモリを取り出して見せながら言う。
「信じる信じないはどうだっていい。如月家やお前のこれまでの痴態についてのデータは全てこの中に入っている。俺がこれをお前に渡せば何もかも終わる。約束してやるさ」
「……ずいぶん自信があるようだな」
司もここに来て、神嶽が大きな勝負を賭けてきたことを悟る。
それと同時に、到底勝ち得ない存在と思いつつあった彼が焦りを見せ始めたのかと、自分の抵抗は決して無駄ではなかったのかと、少なからず安堵もあった。
「……やめろ、と言わなければいいのだな」
「そうだ」
「ふんっ、そんなことで済むのなら、受けて立ってやろう。私はお前達には絶対に屈しない。無様に懇願などしてやるものか」
(用心しろ……この男はどんな手を使ってくるかわからない……でも……私は今までだって、卑劣な行為に耐えてきたじゃないか。次もきっと乗り越えてみせる)
相変わらず強気の姿勢を崩さぬ司。下衆の笑みを湛える会員達を見回して、決意を新たにぐっと握り拳をつくる。
が、その手は微かに震えていた。自身を奮い立てるためにも大きな態度をとっているが、虚勢に他ならなかった。
条件を呑んだ司は制服を脱いで仰向けになり、自らの手で両脚を抱え、股を大きく広げるような姿勢で緊縛され転がされていた。そのまるで達磨のような姿はとても人間の扱いとは思えない。
身動きができず窮屈そうにしながらも、司は憎悪に燃える視線を注ぎ続けていた。
興奮状態の会員に向かい、鷲尾が高らかに声を上げる。
「さあさあ、本日の宴は皆様お待ちかねの快楽拷問ショーとなります。ルールは簡単、この如月司の淫らな肉体を皆様の手でご存分に責めていただき、最後まで狂わずに耐えれば見事、奴隷の勝利。ですが、耐えられなければ……ふふふ、皆様には更なる饗宴をお届けできることでしょう。どうぞ心ゆくまでお楽しみくださいませ」
口上が終わると会員達は一斉に司を取り囲んだ。
各々猛ったペニスを擦り付け、なりふり構わず透き通るように美しい肌を舐め回し、飢えたハイエナのように四方八方から司の身体を貪り始める。彼らも腕の見せ所というわけだ。
(き、気持ち悪いっ……この、けだもの共め……! で、でもこの程度、何でもないっ、私は負けないっ……!)
隠しきれない嫌悪感にぞくぞくと鳥肌を浮かばせながらも、司は歯を食いしばって耐える。
男達の先走りや唾液、館内の暑さと彼らへの気持ち悪さで滲み出てくる汗で司の身体は早くもべとべとだ。
脇に顔を埋めている男にはそれすら嬉々として舐め上げられて、汚辱感に深く眉間に皺を寄せる。
「ん、ん……く……はぁっ、ぅぐ……くはぁっ……」
それでもきつく噛み締めた唇の間から時折、悩ましげな吐息が漏れる。
「そんなに震えるほど我慢して、本当に司くんは頑張り屋さんなところが堪らんなぁ、ヒヒヒ……。是非とも傍に置いておきたいところだが、こんな一級品にお目にかかる機会はあと何度あるかわからん。今を楽しむことにするよ」
総入れ歯をモゴモゴとさせながら高齢の古参会員がうっとり司を見据える。孫の年代でも何らおかしくはない少年が大の好物らしい。
誰よりも美しく、気位が高く、しかし蓋を開ければどうしようもなく淫らな司はそうした目の肥えた会員さえも虜にしてしまう魅力がある。
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