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如月司編BAD-4 ※IF、蛇姦、嘔吐、失禁

 無論、こうなればもう司が壊れようが壊れまいが、生きて表に帰す訳がない。 「そうだな。お前はじきに死ぬ」 「嫌らああああああああああ!! じにだぐないっ!! わらひっ……まだっ……まだ、したかったことっ、たくしゃんっ……こ、ころさないれぇっ……!!」 「いいや、死ぬんだ。そしてお前が死ぬまでの一部始終は記録され、未来永劫悪趣味な人間共のオナペットになる」 「それならぁっ、い、ぃいい、生きて、オナペットになるっ! なりますっ! なんでもしますからぁああああっ!!」  どれだけ命乞いをしようとも、神嶽の決定は覆らない。  神嶽は司の悲痛な叫びなど聞こえていないように無頓着に腰を揺すり続けた。  激しく打ち付けて蛇にまみれた直腸を抉るたび、詰め込まれた方だって悲鳴を上げていることだろう、中でブチリ、グチャリと、おぞましい音を立てながら潰れていく。 「へびづぶれえぇぇぇっ……ごッ、ごォオオッ……!! ヂンボッ……ヂンボやめでえええええええええ……おえっ、お……げええええええええええっ!!」  内側から内蔵を押され、司は胃の中身を逆流させた。  死の瀬戸際にある人間とは、なんと汚らわしく淫猥なのだろうか。  その全てを記録すべく、カメラを持った鷲尾もプロさながらのこだわり抜いたアングルでその姿を収めていく。 「あはっ。神嶽様に犯されながら死ぬなんて、最高の幸せじゃないか。良かったなぁ、司。ほうら、昇天するところ、皆さんにきっちり見てもらおうな?」  司は鷲尾の何の心もこもっていない声を聞いていた。  死がもうすぐ傍まで来ていることを、本能が察する。  涙や鼻水や吐瀉物等で既にぐちゃぐちゃの顔が、いっそう悲しそうに歪んだ。 (こんな風に終わるっ……なんて……私の……人生……っ……産まれた意味は……何、だったんだぁっ……)  その答えは司自身も。司の両親も。神嶽でさえ。誰一人として知る者はいない。 「グヒャッ────」  司の身体が硬直し、目玉がぐるりとひっくり返る。  意識を手放そうとする寸前、神嶽は最奥に沈めていたペニスを一気に司の中から引き抜いた。 「はひゃぁああああああッ!?」  かろうじて生きていた蛇がボトボトと床に落ちてのたうち回り、潰れた残骸がこびりついた粘膜がめくれ上がる。噛み付かれたせいで出血したらしくそこには赤も混じっている。  萎えた司のペニスからは力なく黄金水が漏れ出し、失禁までしてしまっていた。 「はっ……はっ、ヒィ……いぎっ……」 「司。どんなことがあっても、生きたいか」 「生……き……たい……死ぬの……いや……こわいの、嫌らぁ……えぐっ、ふえぇぇっ……」  司はガクガクと小動物のように震えている。  無慈悲にもたらされようとしている死に怯え、恐怖し、駄々っ子のように涙を流すその姿こそ、自ら築き上げた装甲を取り払った本来の素直な司なのだろう。 「そうか。なら────これを見ても生きたいと思うか」  神嶽からの合図で、柳によって二人の人間がこの場に運び込まれた。  司の目の前に、背中合わせに縛られ、口をガムテープで塞がれた初老の男女が無造作に転がされる。 (あ……れぇ……ど……うして……父さんと、母さんが、ここにぃ……?)  顔面蒼白の司の表情が、狂気に崩れていく。紛れもない、そこにいたのは、司が最も大切に思っていた両親であった。  司が蛇と交わる生中継映像は、クラブによって拉致された彼らにもまざまざと見せ付けられていた。  父親は血管が切れてしまうのではないかという勢いで大切な一人息子を蹂躙する外道共にくぐもっためちゃくちゃな罵声を叫び続けており、この司を腹を痛めて産んだ母親に至っては、ボロボロと絶えず涙を零し、もう何度も気絶しては無理やり覚醒させられることを繰り返していた。  二人も間違いなく司を愛していたのだ。だが、愛し方がわかっていなかった。  一緒になって笑って、怒って、泣いて、そんな風につつがない毎日を楽しんで生きる。ごくありふれたことをするだけで良かったというのに。  優秀であるが故に、凡人のようにはいかなかった。彼らの心は渇くばかりであった。  なんとも不器用な家族だ。 「あ……ひゃ……」  敬愛する両親に、全てを見られた。  彼らを守る為に、何があってもずっと耐え忍んでいたのに。 (──────終わった)  それは司の精神が完全崩壊したことも意味していた。 「う……うぅっ……ひ……お、お願い、しましゅ……もう、殺ひてくだしゃい……」 「そう簡単には死なせない。お前を嬲り殺すことがクラブの意向だ」 「なぶり……ごろしぃ……うひぃ……ひ、ひひひひ……わらひころされるぅ……ころされるんだぁ……………………ふひ」  その後の司は、ただひたすらに生気のない笑い声を発するだけであった。 「いやあ、良いねぇ、やはりああいう綺麗な顔をした子は死に顔が一番と決まっている」 「支配人はもう少しあの子を利用するつもりだったようだが、儂らのわがままでちょっともったいのないことをしたかな」 「まあ、全て今さらですな。また次がありますよ、なにせ今回の件でクラブはあの学園を正式な狩り場に決めたようですからね……フフフ」  スナッフフィルム鑑賞会が終わった会員達は、各々満足げに語りながら去っていく。  司の両親もまた、あの後は拷問殺戮ショーの生贄に加え入れられ、三人は表向きには名門家族の悲劇的な失踪・心中事件だろうと片付けられた。  明皇学園での凌辱劇は、クラブにとって相応の成果を上げた。だからこそ、これからも続くことを期待された。  例えこの先何があろうが、たった一度でもクラブと関わってしまった以上、あの学園がクラブとの因果関係を断ち切ることはできない。  とある一人の少年が死んだ。それは彼らにとって何の変哲もない日常。  だがそれでも、司の死は決して無意味ではなかったはず。  彼と同じ苦痛を、悦楽を与えられる人間が、一定の割合で供給される。そうしてこの施設はさらなる発展を遂げる。  誰かが苦しめば、また誰かの平穏が保たれる。  犠牲の元にこの世は成り立っている。  今は、ただ、それでいい。

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