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如月司編13-1 ※神嶽×隼人

 初めて神嶽に犯された日以降、隼人は家族に体調が悪いと嘘をついて学園を三日休んだ。  父に神嶽の本性を知っているかどうかなどとは口が裂けても聞けないし、自身も父の友人ならばとあのような凶行を強いる危険人物とは露知らず慕っていた情けなさ。  ましてや同じ目に遭っていたと知った司には複雑な想いもある。  このような出来事は誰に相談できる訳もなかった。第一、他言無用との約束を破りでもしたら、神嶽に何をされるかわからない。  隼人は部屋に引きこもり、孤独に枕を濡らす夜を過ごした。  眠れないほどの悩み事や、大きな病も経験したことのなかった隼人にとって、ここまでの精神的苦痛に怯えることは人生で初めての体験だった。  そんな隼人の心情を見透かしているかのように、三日目の夜、担任教師からの見舞いの電話を通して「学園長も心配していた」という趣旨の遠回しのご指名を受けたため、翌日はそれはもうビクビクとしながら登校した。  そうしてその日、二度目の暴虐を味わわされたことは言うまでもない。  それからというもの、隼人は毎日、何度も犯された。学園長室に呼び出されることはもちろん、時と場所を構わず神嶽の凌辱は続いた。  今日も昼休みに呼び出されている。  もう昼食だって喉を通らないし、友人らと他愛ない話で盛り上がる元気もない。  妹の優子はそんな兄の姿に心を痛め、大変に心配してくれたが、今の隼人には彼女の気遣いも辛かった。  友人達とのお喋りも早々に切り上げて、どこか一人になれる場所を探そうと教室を出た隼人だったが、 「どこへ行くんだい、隼人くん」 「ひ────!」  背後から来た神嶽に腕を掴まれ、血の気が失せた。それだけで喉が引きつるような声が出てしまう。  神嶽は、隼人にとってもう善良な学園長ではない。平凡な人生だった隼人を不幸のどん底に叩き落す悪魔のような存在だ。 「むぐ、グゥッ……」  その場に他には誰も居なかったことから、神嶽は隼人の口を手のひらで塞ぎ、悲鳴すら奪った。 「黙ってついて来い。いいな」 「ううっ……ぅ……」  優しい学園長とは打って変わって低く冷たい声音で言われてしまっては、隼人は目を見開き、冷や汗を流しながらコクコクと頷くしかなかった。  強要されていても、日課となっていたからこそ、隼人は油断があったのかもしれない。  神嶽は学園長室へは向かわず、隼人を連れて理事長室へと足を踏み入れた。理事長が出張で不在であるのを狙って、ここで犯すつもりなのだ。  まさか父親の仕事場で犯されようとは微塵も想像していなかった隼人は、ふるふると首を横に振った。  そんな隼人の首根っこを掴むようにして強引に歩かせ、デスクの椅子の前に跪かせると、神嶽もどっかりと腰掛けた。  仮にもこの学園で最も権力のある人間の部屋であるというのに、仮初めの学園長は何の遠慮もなく我が物顔でいる。 (ほ、本当に……何なんだよ、学園長……こんなことするなんてっ、何者なんだ……。あの司だって言いなりになっちまってるくらいだし……。こんなのおかしい……どうなってるっていうんだよぉ……)  神嶽が残忍な性犯罪者であると露見した今、隼人はこの学園で何が起こっているのか不安でたまらなかった。  杉下前学園長が死んだ際も、身近の不幸に驚きはしたが、特段世話になっていた訳でもないので、特に思うことはなかった。  むしろ、後任となった神嶽の仕事ぶりを見ている方が、この学園はこれからも安泰だろうと、なんだか誇らしいような、大いに期待ができる部分があった。  それなのにこのような犯罪行為が横行し、我が身にも降りかかってしまうことになろうとは、想像の範疇を超えている。 「隼人」 「な、何ですか……」 「俺の正体など余計なことを考えている暇があるなら、これへの奉仕でもしたらどうだ」  言いながら神嶽がズボンの前をくつろげて怒張を曝け出したので、隼人はヒッと声を上げた。  同時に、思考を見透かされ不気味に思いながら、困惑の表情で神嶽の眼を見上げる。 「これを舐めるんだ」 「な、舐めるっ……!?」 「これからまたお前のマンコに入るものだ。怪我をしたくなければ、たっぷり濡らしておけよ」  神嶽は根元を握り締め、これ見よがしに揺すった。  フェラチオを命じられたのは初めてである。それに、肛姦だってまだ慣れてはいない。  結局はこの場で抱かれてしまうことになるのなら、素直に命令を聞かなければ手酷く犯されるだけだろうと隼人はこれまでの凌辱で痛感しているが、そうは言っても積極的な行動ができるほど割り切っている訳ではない。  神嶽が急かすような視線で見ているような気がして、隼人は今にも泣きそうになりながら屹立するものに視線を移した。  初めて犯された時にも驚愕したが、これほどの大きさの肉塊が排泄器官に入ってしまったなどとは、自らの身に起こったことにも関わらず未だどこか信じられないのだ。 (こっ……こんなの、舐めるなんて……。学園長……本当にオレのこと奴隷扱いしてるんだ……)  見ているだけでも、隼人の顔色は悪くなっていくばかりだ。

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