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如月司編14-3 ※神嶽×司+隼人、ダブルフェラ
その日の放課後、司と隼人は二人揃って学園長室に呼び出された。
二人に課せられたのは、フェラチオ対決であった。同時に神嶽のペニスに奉仕し、先にイカせた方が勝者となる、実にシンプルなゲームである。
だが、負けた方はあのクラブに堕とされ、もう二度と表の世界には戻れない。
家族とも、友人とも、今日が今生の別れとなってしまうことだろう。
「なっ、なぁ……学園長……お、オレも、ほんとにやらなくちゃいけないんですか……」
同じ説明をされてもなお、隼人は消極的であった。
なにぶん、司よりもフェラチオにはまだそれほど慣れていないのだ。
上手くできるかわからない不安もあるし、第一に対戦相手が一方的にライバル認定している司というだけで、やる気が削がれてしまう。
「当たり前だろう。それともなんだ。お前は司の為に棄権をするか。大した友情だな」
「ひっ、ひぃっ……!? そうとは言ってないじゃないっすか! ぁ……うぅっ」
隼人は言ってしまってから、司を見やり、しまったという表情になる。
もちろん自らが助かりたいが、だからと言って司がおぞましい目に遭って欲しいという訳ではない。
けれども、本人を前にしても素直な気持ちを口にしてしまうとは、そこまで図々しい人間だったのかと少々自己嫌悪にも陥った。
司もまた、未だどんな選択をするべきか迷っていた。
隼人の顔を直視しては揺らぐ天秤が傾いてしまいそうで、俯いてひたすら目線を合わせないようにしている。
神嶽は二人の目の前に勃起を晒すと、改めて脅すように言った。
「さあ、始めよう。あまりにも渋るようならば、二人とも失格だ。せいぜい相手を蹴落とす気で挑め」
神嶽の合図を機に覚悟を決めたのか、先に行動を起こしたのは司だった。
この先に何が待っていようが、やらなければ全てが水の泡であることは明白だ。司だって守りたいものはある。
真っ直ぐに神嶽を一睨みしてから、キスを落とす。それを見て、隼人も慌てて顔を寄せていった。
二人してグロテスクにそそり立つものに側面から舌を這わせていくが、隼人は司の唾液が混じるのが嫌なのか舌使いも恐る恐るといった様子で、お世辞にも愛撫と言うには頼りないやり方だ。
一方の司は舐め上げて行き着いた先端を咥え、あむあむと吸い付きながら器用に舌を転がして男の弱い部分を嬲っている。更に、持て余した手は玉袋までやわやわと揉み込んでいる。
テクニックも、それを差し置いての頑張りも、やる気の差は歴然だった。
「どうした司。いつもより積極的だな。もうすっかり俺のチンポが気に入ったか」
「ちっ、違う……お前に飽きられたら……如月がどうなるか、わからないからだっ……」
もはや司が如月家のことを口にするのは強がりにならない。
幼なじみの存在は、互いに競争心を芽生えさせる良い道具に過ぎなかった。
「結構な心掛けだが、いつまでも独占するな。交代しろ」
司は渋々といった表情で口を離すと、次に肉幹に這わせた舌で浮き出た血管を撫でながら、陰嚢まで移動させる。
憎い男の性器が眼鏡に当たるのも気にせず、股間に顔を埋めてペロペロと犬のように舐めていく。
脇目も振らず神嶽を気持ち良くさせようという必死さが滲み出ている。
「ん、んんっ……ちゅぱっ……ああっ、学園長……お、オレ、どうしたら……うむむっ……」
空いたところを隼人も遠慮がちに舐めてはみるものの、それ以上のことはできない。
見るからに大勢の男のものに奉仕してきた証を身に付けている司の愛撫を目にし、焦り始めてしまう始末だ。
見兼ねた神嶽が司に命令を下す。
「司、隼人にやり方を教えてやれ」
「なっ、何故私が!?」
「お前だけがそう気を張っていても面白みに欠けるだろう。勝負は平等でなくてはな」
(平等など……どの口が言うかっ、この男……! ああ……でも……私、西條のことが気にならなくなってしまうくらいに集中していただなんて……)
平然と言う神嶽に、司は思わず怒鳴りたくなった。
しかし、指摘されてからそれほどまでに没頭していたことを自覚する。
深く息を吐いてから、ようやく隣の隼人の顔を見た。
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