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如月司編16-2 ※神嶽×隼人

 終業後の神嶽がやって来たのは、クラブの一室だった。拉致して来た人間を監禁する為の部屋だ。  だが、これより更に下層の牢獄のような施設──オーナーの研究の賜物がごろごろと転がっている場所から比べれば、ここもまだマシな方だというもの。  隼人はそこでどうにか生き長らえていた。と言っても、身につけるものの一切を許されず、犬のように首輪に繋がれ、手首と足首にも枷が嵌められていて、実に不自由な、人間の扱いは全く受けさせてもらえない生活を送っていた。  ボディピアスは前よりも増え、身体には無数の傷や痣が刻まれている。日々どれだけ理不尽な暴力を受けているかを物語っていた。  今は身体を二つに折り曲げるようにして、僅かに寝息を立てながら死んだように眠っている。  先も鷲尾を筆頭とした蓮見、柳の三人にじっくりと可愛がられ、ようやく泣き疲れて意識を飛ばしたところであった。  神嶽はそんな隼人の傍までやって来ると、腹に思い切り蹴りを入れて叩き起こす。 「ゲホオォォッ!! ぉ……ぐ……ぐげ……あぁあ……」  確実に体力を消耗している若い身体が痛みに震え、カッと見開かれた瞳はまだ恐怖に染まっている。  三人の相手の続きだと思ったのだろう。虚ろな視線が動き、おずおずと神嶽の顔を仰ぎ見ると、ほんの少し安心したように笑った。 「いつまで寝ているんだ」 「が……く、えん、ちょぉ……」  神嶽がここで絶対的な立場にいることくらいは、鈍い隼人もとっくに悟っている。 「俺が来たということは、何をされるかわかるな。身体検査の時間だ」 「う、ぐ、ぁ……は、はひぃ……」  身体検査と称された行為は、神嶽が来るたび彼自らの手で行われている。隼人がどこまでクラブに染まってきたか、逐一反応を見る為だ。  力の抜けきった肢体をどうにか動かして四つん這いになった隼人は、尻を差し出すようにして神嶽に向けた。人間の尊厳など全て無視されている屈辱的な格好だ。  じろじろと見られている羞恥心はまだ拭えずに、隼人は縮こまってしまう。しかしすかさず神嶽に尻を叩かれ、ほんの僅かな抵抗も阻まれてしまう。 「ひっ、あ、ぐ、うぅぅぅ……ッ」  更に、神嶽は隼人の鼻をフックで吊り、乳首と亀頭のピアスを糸で繋げた。  隼人は鼻息を荒くし、正に豚のような情けない顔を晒して、家畜具合に磨きがかかることになった。  そうして、神嶽は次に隼人を仰向けにし、両脚を自身の手で抱え上げさせた。  股をM字に開き、身体の全てを包み隠さず晒している隼人は、恥ずかしそうに涙を浮かべて俯いている。  神嶽の手が、含みのある動きをして隼人の肌を這いずり回る。  尻を揉み込んでいくと、徐々に中心に移動し、会陰をくすぐる。それだけで会陰越しに前立腺を刺激されるようで、窄まっているアナルがヒクヒクと切なく疼いた。  神嶽の視線は、ピアッシングの傷にも至った。  人間の治癒力とは素晴らしいもので、隼人が奴隷の証を受け、ここへ監禁された一週間前に比べ、腫れはずいぶん治まっていた。  さすがに小便の際はまだしみるようだが、幸いにも、膿を持つようなこともない。  だが、ホールが完全に出来上がるにはまだまだ時間が必要だ。  神嶽は生々しい傷痕を残している乳首のストレートバーベルに指をかけると、くいくいと軽く上下に動かしてみせる。 「いだいっ……い、たい、痛、ぃいいっ……! そこ、触らないでくれぇっ……! ち、ちぎれる……っ」  自分では怖くて触れもしない場所だ。ほんの僅かな刺激でも隼人は悲鳴を上げ、ぶんぶんと頭を振って悶絶した。  しかし、神嶽はそんな隼人の姿をやはりといった様子で見つめていた。 「本当に痛いのか」 「ヒィッ、ひいぃぃ……痛い……み、見ればわか……」 「ああ、見ているさ。お前が乳首のピアスを弄られて勃起している姿をな」 「え…………?」  顔を苦痛に歪ませる隼人が薄目を開けた。その視線がゆっくりと自身の股間に向けられる。  隼人のペニスはいつの間にか勃起してヒクッ、ヒクッと生々しく揺れている。  雁首に通ったプリンスアルバートは、じんわりと漏れ出てきたカウパーに塗れて美しく煌めいていた。

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