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如月司編16-3 ※神嶽×隼人
(う……嘘だ……なんで……なんでこんな風になってんだっ!? ほ、ホントに痛くてたまんねぇのにっ、あ、ありえないぃぃぃっ!)
もう快楽を感じても仕方のない行為とはかけ離れているというに、どうしてこのような熱が込み上げてくるのか。
以前とはなにか、決定的なものが違う。隼人は未知の恐怖さえ感じていた。
「あぁぁ……っ。い、意地悪、しないでください……」
むごい愛撫をしてくる男を見上げ、隼人は媚びたような声で言う。
嫌がりながらも、あわよくばもっと、といった甘さを湛えていた。
「意地悪だと。お前の為にわざわざこうして構ってやっているのではないか。それに、余計に辛いのはお前が勝手にそうやって興奮しているからだろうが」
「あうっ……そ、それは……ううっ、そうです……す、すいません……」
神嶽のドスの利いた低い声音で罵られると、それにまた反応したのか隼人のギンギンになったペニスは勝手にビクビクと震えた。
そうすることで糸が乳首の方までをも刺激し、痛みと紙一重の快感に歯を食いしばる。隼人は愚かなほどに自分の首を絞めていた。
なおも一定のリズムで軽く引っ張りながら、神嶽は一転して、品位さえ感じさせる穏やかさを纏って問う。
「もう一度聞くぞ。俺にここを弄られるのは、痛いのか。それとも気持ち良いのか」
「ぅ、ううっ……わかん、ない……っす……どっちも……感じる……んですぅ……ごめんなさい……」
(もうわかんねぇんだよぉっ……オレの身体っ、本当に馬鹿になっちまってるっ……どんどん奴隷らしくなっちまってるんだよおぉ……)
どうしてここまで高揚してしまうのか、隼人自身も理解ができない。
あまりの惨めさと、鈍い痛みと、そこにある快楽を見出した隼人は、ぐずぐず泣き出した。
「素直でよろしい。今日もよく耐えているな、隼人。ほら、お前の大好きな褒美だ」
散々に身体中を弄んだのち、神嶽は淡白に隼人の頭を撫で、勃起したペニスを取り出した。
それだけで隼人の目が劣情を孕んで輝き出した。甘い喘ぎ声を漏らしながら、もじもじと腰を揺する。
しかし、神嶽は隼人の首輪の鎖を引っ張って膝立ちにさせた。先走りを零す先端を鼻先に押し付ける。
「ふぅ、ん……あぁぁっ……ま、まずは、こっち、なんですね……?」
「いいや。今日もマンコはしない」
「そ、そんな……」
強烈な男性ホルモン臭にぞくぞくと戦慄きながらも、隼人からは心底残念そうな吐息が漏れる。
しばらく神嶽には肛門では抱かれていなかった。今日こそはこれで思いきり直腸内を抉ってもらえると思っていたのに望み叶わず、隼人は不機嫌に顔を歪める。
クラブへ放り込まれてからというもの、隼人が与えられるものと言えば、殴る蹴るといった実に単純な暴力から、新たなピアッシング、穴という穴を使った輪姦等々の不条理なものばかりだった。
なのに、隼人は拘束のせいで、たまらない時に限って自身を慰めることを許されていなかった。
一方的に快楽を教え込まれた末の生殺し状態など、若い身体には耐えられない。
徐々に精神を蝕み、結果として隼人の被虐への洗脳もまた、順調に進んでいた。
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