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如月司編17-4 ※和姦、甘々

 司ももうたまらないと激しく頭を振って身悶えた。 「うっくぅううんっ! チンポ、激しいっ……! きもちいいんだぁっ……! わたひっ……もう……お前がいないと、生きていけないぃぃっ……」  箍の外れた司は、幼子が甘えるようにふにゃふにゃと崩れてしまう。  必死に神嶽に縋り付いて、神嶽の動きに合わせるようにして腰を振りたくる。 「ああ、いいっ……すごいっ! また大きくなって……ビクビクしてっ……もうイキそうなのか……!? はひイィッ……わ、私もイクから……っくぅ……奴隷の証っ……ザーメン、全部っ……私の中にっ、注ぎ込んでくれ……!」  司は神嶽の全てを己のものにせんばかりに、腹の底から叫んだ。  その次の拍子には、爆発的な量の精液が噴き出して司の直腸内を溢れんばかりに満たしていった。  司もまた、白濁を一滴残さず搾り取るように渾身の力で肉棒を締め付け、身を強張らせてドライオーガズムを迎えた。 「ぁっ……が、はぁっ……ふぅっ……うう……まだ、終わりじゃ、ないだろう……学園長……?」  まるで放置されていた分の時間を、濃密な快楽を取り返したいかのように、司は不敵に笑った。 「今日はお前が奴隷となった特別な日だ。いくらでも、お前の望みのままにしてやる」  神嶽はおぞましいクラブの支配人として、自ら奴隷と認めた贄への褒美は惜しまなかった。  絶頂直後の司を抱え上げ、前のピアノに寄りかからせると、先端ギリギリまで抜いたペニスを思い切り根元近くまで埋めていった。 「くひっ……おおっんほおぉぉっ……! ああっ……も、もっと……もっとしてくれ……。もう何もかもわからなくなるくらい……滅茶苦茶に犯してくれ……」  神嶽は頷いて、猛烈な抽送を始めた。司の細い腰を掴んで、ガツガツと下腹を打ち付け、芸術品のように整った顔立ちの彼が我を忘れるほどに野生的に嬲っていく。  我慢のできなくなった司は泣いて悦んで無様なアヘ顔を晒し、頑なな理性は至極の肛姦によって、ぐずぐずに溶けていった。 「進路をどうするか……だって?」  乱れた服を正しながら、司ははてと首を傾げた。  行為が終わってから、神嶽に卒業後の予定を聞かれた。  この期に及んで余韻の欠片もない、ずいぶん普通の教師じみた質問をするものだから、今さらなんだという顔になる。 「そうだな……。私は予定通り、海外の大学へ行くことになるだろうな」  如月を背負って立つ男として、司は物心ついた頃から、両親が勝手に決めた将来設計を言い聞かされてきた。  早期に挫折を知っていればここまでこじれることはなかったのだろうが、下手に優秀であったせいもあり、司にとってはそうした未来だって何の疑問も持ったことはなかった。  けれど、司はふっと、寂しそうに俯いた。 「……と……思っていたが……。やっぱり、私はこの学園を離れたくなくなってしまったよ。お前と共に過ごせなくなるのは……今の私にとって、きっと耐えがたい」 「そうか。それなら問題はないな」 「え……?」 「全て、お前のしたいようにすればいいんだ。本当は既に答えは決まっているのだろう」 「でも……そんなことが、許されるのか……?」 「俺は許す。残りはお前と、家族で考えろ」 「家族……。そう、か。そうだな……」  両親への反抗など、考えたこともなかった司だった。  だが、彼らへの確執を経ち切った今は、冷静に、客観的に見ることのできる部分もあった。  世間を知らぬか弱い子供であるならまだしも、もう義務教育は終わっているし、大学生にもなればいい加減に独り立ちしていかなければならない。  いつまで経っても全て親の言いなりになっていることしかできない人間など、あまりにも子供じみている、きっとこれが他人であったなら、なおさらそう思ってしまうだろうと考えた。  今日は帰ったら、早速両親を呼びつけて仰天させてやろうではないか。司はクス、と意地悪く笑った。 「まったく……お前が居なければ、こんな機会は一生なかったのかもしれないな」  司は呆れたように、しかし楽しそうに言った。 「…………神嶽修介。いや……お前に名前なんてないのだろうな。けれど、私はお前に、感謝しているよ。──ありがとう」  そうして、神嶽の唇に今度は自分からそっとキスをした。  彼の輪郭を両手で包み込み、形を確かめるように撫で、名残惜しそうに離れていく。  その切なさを払拭するように、司は神嶽の双眸を見つめ、小悪魔のように微笑んだ。 「……それじゃ。学園長先生。また、明日」  鞄を持って、一足早く音楽室を後にする司。  颯爽としたその背中は、当初のように、いいや、それよりも自信に満ち溢れた姿だった。   (今に見ていろ。私を大切にしてくれない人間なんて、私には要らないんだ)  しかしそこには、底知れぬ狂気さえも孕んでいた。

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