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如月司編END-3

 前方の舞台では、ガクガクと震える美少女が連れて来られた。  いよいよ今宵の大目玉。理事長の愛娘にして隼人の妹である、優子だった。素材が良いだけに、鷲尾も紹介に気合いが入る。 「ご覧ください、この天使のような愛らしいお顔の美少女を。今後皆様の手でいかようにも変貌するでしょう、ダイヤの原石であります。そしてこの通り、まだ誰にも汚されていない清らかな肉体……どうです、たまりませんでしょう。どうかこの機会を逃しませんよう」  優子はスタッフ達に数人がかりでその身を掴まれた。  この歳の少女特有の甘酸っぱい香りを放つふくよかな乳房を揉みしだかれ、秘唇を剥き出しにされ、更にはサーモンピンクの狭い膣内までをも客席に向かって晒し上げられる。  まだ誰も男を受け入れたことのない純真な令嬢にはあまりに辛い出来事だ。 「いやっ、嫌ですっ! 触らないでっ! 見ないでっ……ああっ駄目ぇっ……!」  優子は大粒の涙を流しながら猛然と首を横に振った。しかし、好色な会員達にはそれが恥じらう乙女の仕草に見えた。 「では、こちらの商品は一級品でありますので、一千万から始めさせていただきます……」  司会の鷲尾が言うと、大金にも関わらず客席から大勢の手が上がり、額はみるみる内に上がっていく。 「二千万!」 「何を言うか、あれはかの西條家で大切に育てられてきた生娘だぞ……よし、三千万! 三千万だ!」 「ええい、それならこっちは五千万!」 「ご、五千百!」  泣き叫ぶ優子に情欲をそそられ、会員はどうにかして商品を自分のものにしようとムキになっている。  その後も百万刻みで値段がつり上がっていき、しばし白熱の争奪戦が続いた。 「六千と二百……その他に我こそはというお客様はいらっしゃいませんか。……では、八番の方を落札とさせていただきます。おめでとうございます」  ああっと落胆の声が上がった。 「クソッ、羨ましい。処女膜ブチ破ったら俺にも一回くらい試させてくださいよ」  競り落とした男に、蓮見が興奮気味に詰め寄って言った。  男はどうやって彼女の尊厳を辱めようか想像しながら、余裕の笑みで頷いていた。 「これにてオークションは全て終了となりますが……。本日は日頃地下クラブをご贔屓くださる皆々様の為に、特別なプログラムをご用意させていただきました。我らが支配人が調教を施しましたこの司と、シークレットゲストによるショーでございます」  鷲尾に紹介され、神嶽と司が舞台へと上がった。 「…………ふふっ」  司は静かな微笑みを湛え、最後の生贄を待つ。  今夜のイベントは、次が最大の見せ場だ。  一人の奴隷が舞台に運ばれて来た。中には彼をよく知る会員もいたようで、驚きと、歓喜の声に広間がざわめいた。 「それでは、ご覧ください。饗宴のフィナーレに相応しい素晴らしきマゾ奴隷……あの元明皇学園理事長の子息でもあり、先ほど売られていきました優子の兄──隼人でございます」  隼人は処刑される罪人のように全身を拘束されている。  断首台じみた板に頭と両手を通し、肢体は家畜のように折り曲げられて四つ這いを強要されている。口にはボールギャグを噛まされ、呼吸の合間に小さく呻きを漏らすだけだ。  何よりおぞましいのは、元の肌色が目立たなくなってしまうくらいに埋め尽くされた、無数のボディピアス。それはこの一年の調教や、会員からのプレゼントなどで、どんどん増えていったものだ。 「すっげ……なにこれバカじゃねぇ? オレなんか痛いのやだから毎回麻酔して開けてんのにさ、そんなん無くてこれっしょ? うっひゃー。マジヤバ」  蓮見と共に一番前のVIP席に座っていた柳は、実に興味深そうに身を乗り出して舞台を眺めていた。人より多くピアスをしている柳も唸るほどの量だった。  隼人の身体で唯一、元の肌の色が見えているところと言えば──。 「こちらは奇跡的にまだ崩れておりません。綺麗な中古アナルでございます」  神嶽は広間の会員達に広く届くよう、よく響く声で言いながら、隼人の尻たぶを掴んで開いてみせる。  そこだけがくっきりと、カラフルなピアス群に似合わない薄暗い色をしていた。  強引な性交渉を繰り返されてもなお、キュッと皺が寄り、粘膜が捲れ上がるようなこともないそこ。 「今宵はこちらを使って、司の童貞卒業式を行います」 「んむむっ! ぐぅっ……んぅ~~っ!!」  神嶽が言うと、事を知らされていなかった隼人のみが、ガクガクと身体を震わせた。  しかしそれは恐怖からきたものではなかった。興奮しているのだ。

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