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「ご褒美何がいい?」  ご褒美?  今までそんなこと言われたこともなくて、びっくりして答えられなかった。 「早く言わないと勝手に決めちゃうよ」  全く何も思いつかない。 「何でもいい」  むしろいらない。そう思ったのに、託は何故か僕の下半身に触れてきた。 「あ、待っ」  僕のモノは託に触れられて、どうしようもなく反応した。  すぐに膨らんできた。やばいと思った。詫に欲情しているのがバレてしまう。  なのに、詫は「しごいてあげる」と言ってきた。  そんなこと、しなくていいのに。  下着を脱がされ、咆吼を握られる。恥ずかしい。  緩急をつけてしごかれると、気持ち良くて、僕は無意識に声を漏らした。 「ああああっ」  こんなのやばい。気持ち良すぎる。 「や、やばいから」  託の手をどけようとしたが、放してくれなかった。 「ああっ。ああ」  どうしようもないぐらい膨らんで破裂寸前だ。 「い、いっちゃうから」  もういいと言おうとしたのに、詫は何故か口に含んできた。 「ああっ。もう駄目。出ちゃ」  こともあろうか託の口の中に放出してしまった。 「あっ。ごめっ。ごめんなさい」  僕はめちゃくちゃに焦った。 「謝らなくていいって。ご褒美って言ったでしょ」  なんて詫は言った。そんなの絶対におかしい。気付いたら託は既に飲み干していた。 「え、あ、その」  僕はドギマギした。 「おしまいね」  託のため息をついた顔がやけに色っぽかった。見ているだけで心臓が高鳴る。 「帰らないと」  明日も仕事だし、これ以上ここにいたら色々とやばい。 「泊まってく?」  何を言っているのかと思った。 「あ、う、迷惑だから」 「今更じゃない。この前泊まってったでしょ?」  あの時は記憶になかった。まさか自分がドロップしたなんて思ってなかった。 「ごめっ。迷惑かけて」 「大丈夫」  と頭を撫でられた。なんだかほんわかする。 「また呼んでくれる?」  つい聞いてしまって、顔がほてった。 「勝手に来たら」  託は嫌じゃないんだろうか。 「明日も?」 「疲れてないなら」  疲れてたって、託の顔見るだけで幸せなのに。 「毎日来てもいいの?」 「いいけど」  そんなこと言われたの初めてだ。僕はうれしくて、にこにこと笑ってしまった。 「喜び過ぎじゃない」  託がにかっと笑って、僕はその場で固まった。託の笑い顔なんて何年ぶりに見たのだろう。多分小学校以来だ。 「あ、今日は帰る」 「おやすみ」 「お、おやすみ」  こんな風に声をかけられたこともなくて、浮かれてしまう自分を隠せなかった。  家に帰ってため息をついた。託の様子がいつもと違った。何でなんだろう。複雑な気分だった。  ドロップしたから労ってくれているんだろうか。  でも、明日も来ていいと言われた。それだけで思わず顔がほころんだ。  どんな理由だって構わない。側にいられるなら。そう思った。

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