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「お昼、どうする?」
いつもの休日だったら、昼食の後にまたプレイをするはずだった。
「もう、ここに来るのやめる」
「え?」
「託がプレイしたい人として」
「何、突然」
託の目を見たら言えなくなるから、目をそらして続けた。
「託の気持ち考えないで、パートナーとか言ってごめんなさい。僕はまた1から誰か探すから」
「何それ」
託は怖い顔をした。何で? うれしくないの?
「少しの間でも託とプレイできてうれしかった。でも、託だっていつまでも僕に構っていられないでしょ? 今度から本当に好きな人と、大事な人として」
「鈴也」
「ありがとう」
託の顔をまともに見られなかった。
でもちゃんと言えた。つらくて苦しいけど、もう託を縛ることはない。
「何、そんなに俺とプレイしたくないわけ?」
したくないなんて言ってない。
「したくないのは託の方でしょ」
「はあ?」
違う。この言い方は駄目だ。なんとか取り繕おうと思って言葉を重ねた。
「その、つまり、託が、パートナーもいない僕に付き合ってプレイしてくれたんだよね。僕がすぐ暴走したりするから、見かねて」
「何言ってんの?」
「託の優しさに甘えるのもう嫌なんだ。パートナーになる価値もない僕にずっと付き合ってくれなくていい。託の邪魔したくないんだ。だから」
「俺が誰にでも優しいと本当に思ってる?」
「え?」
「鈴也は馬鹿なんじゃないの」
馬鹿って確かにそうだから言い返せない。
「馬鹿だよ。ずっと中学のこと引きずって馬鹿の一つ覚えみたいに」
託が好きだなんて。
「どうでもいい奴のために、会社に掛け合ったり、交渉したりしないけど」
「え?」
託が何を言ってるかわからない。
「契約のために無理強いなんてしたくなかっただけで」
どういうこと?
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