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第14話 愛撫2
「やだっ……、も、や……」
「陽馬は素直じゃないね。もうこんなになってるじゃん……」
律は僕のジーンズの前をくつろげると、下着の中へと手を入れて、慣れた手つきでそれを愛撫する。
「やめっ……律っ……あっ……、あ、ああっ……」
男の悲しい性か、律に触られて、嫌と言いながらも、下腹部は浮き、彼の巧みな愛撫の気持ち良さに負けてしまう。
律は、僕自身よりも僕が感じる場所や擦り方について知り尽くしているとばかりに、あっという間に僕をオーガズムに導いてしまう。
そして、イッたあとの名残りの快感が消え去り、理性が戻って来ると、僕はいつも罪悪感にとっぷりと浸かってしまう。
いくら血が繋がっていないとはいえ、一応は兄弟の僕たちがこんなことをするのは絶対に良くないことだと責め苛まれる。
なのに、律は僕の衣服を整えながら、上機嫌でのたまう。
「すっきりしただろ? ……これで勉強の効率も上がるよ」
「…………」
僕は何も言い返す気力もない。
「じゃな、陽馬、テスト頑張れよ」
律はいつものようにヒラヒラと手を振ると、自分の役目は終わったとばかりに僕の部屋から出て行った。
僕はノロノロとベッドから降りると、現国の教科書を手に机に向かう。
こんな気持ちじゃ勉強の効率が上がるどころか、手に着かない。
そんなふうに思っていた僕だったのだけれども……。
律にやらしいことをされる前より、明らかに頭は冴え、漢字もスラスラと覚えられる自分に焦ってしまったのだった。
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