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第21話 重なる素肌

 ギシッと律のベッドが軋む音が聞こえる。  初めての大人のキスに酔いしれているうちに、僕はいつの間にかベッドに横たわっていた。 「陽馬……」  掠れた声で名前を呼ばれた途端、恥ずかしさが戻って来て、僕はベッドの上から逃げようとした。  けれど、肩を強く抑えつけられ逃げられない。  律の薄茶色の瞳が僕をジッと見つめて来る。  僕は何故かひどく切なくなって目尻に涙が滲んだ。 「陽馬……本当におまえって可愛い……」  律は囁くと、優しくゆっくりした動作で僕の着ている服を一枚また一枚と脱がせて行く。  なんだか頭に霞がかかっているようで、僕は形ばかりの抵抗しかできなくて。  律もまた僕の見ている前で服を全て脱ぎ捨て、全裸になった。  律は本当に綺麗だった。  僕が律に見惚れているうちに、律の体が伸し掛かって来て素肌と素肌が重なる。  律は僕の唇にキスを一つ落とすと、首筋へと顔を埋める。  時々肌を強く吸い上げながら律の唇は徐々に下がって行き、僕の胸の突起に吸い付いた。 「ああっ……」  そこを唇と舌で愛されるのは、本当に気持ちが良くて、僕の下半身は正直すぎるほど反応してしまう。  律はそんな僕の状態を見て、クスと小さく笑ったが、いつもみたいに手で僕の下半身に触れて来ることはなかった。  僕の昂ぶりを置いてきぼりにしたまま律がしつこいほど乳首を愛撫してくる。 「やっ……、も……律……」 「イキたい? 陽馬」  僕は唇を噛みしめて律から顔を逸らした。  いつもの『指導』のときは、嫌って言っても性器に触れて来るというのに。  今日の律はなんだか意地悪をして楽しんでるみたいだ。 「でもさ、今はオナニーの指導じゃないから……」  そう言うと律は色気たっぷりに笑いながら、僕の体のラインに沿って唇を下へと這わせていく。 「やだっ……! 律、嫌っ」  その瞬間、僕は悲鳴に近い声を上げた。  信じられないことに律は僕の性器の先端にキスをしたのだ。  そして息がかかるくらいの距離で囁く。 「陽馬のこれ、色も形も綺麗だ。大きさは……可愛いね」 「……っ……そんなところ、見ないで」  律が僕のそれを凝視しているのが伝わって来て、恥ずかしさのあまり泣きそうになる。  律はフッと笑うと更に信じられないことに、僕のそれを口に含んだ。 「やだー……やっ……ああっ……」  未知の快感、それも凄まじいまでの気持ち良さに僕の太腿がピクピクと痙攣する。  律は尖らせた舌で、器用に昂ぶりを舐めて行く。  僕の弱いところを知り尽くしている律。  彼はそこを集中的に攻めて来て、僕を限界へと追い詰めていく。

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