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第23話 重なる素肌3

「あっ……や……ああ……」 「陽馬……可愛い……」  律が甘い声で囁き、指が僕の……そこ……前立腺とかいう場所を掠めた。  その瞬間。 「ああっ……」  信じられないくらいの気持ち良さが全身を走り抜け、僕は一気にイッてしまった。  ついさっき律の口の中で出してしまったばかりだというのに、またイッた僕に、律がうれしそうに笑う。 「ここが、前立腺か……、気持ちいい? 陽馬……」  そして、二本の指でグイグイと前立腺を刺激する。 「やめっ……それ、やめて、律っ……」  その気持ち良さは、僕の許容量をはるかに超えていて、いっそ怖いくらいだった。  律は僕の訴えに呆気ないくらいに素直に従い、二本の指を僕のそこから抜いた。 「……あっ……は、あ……」  激しい快感の最中で置いてきぼりにされる体。  ホッとしたようなもどかしいような複雑な感覚。  しかし、それは行為の終わりではなくて、始まりで。  律は、ぐったりとベッドに沈み込む僕の脚を大きく広げると自らの体をその間に入れる。 「えっ? な、何……律……?」 「……そんなこと、聞くなよ……」 「え? や、やだっ……やだよ、律、やめて」  さっきまで律の指が埋まっていた場所にあてがわれたのは律の勃ち上がったそれ。  僕のものよりも大きくて立派な大人の雄に僕は慄く。 「陽馬……」  掠れる声で名前を呼ばれるのと同時に、律の雄がゆっくりと入って来る。 「いっ……やだっ……律、やめて……」  ローションの力を借りても流石に痛くて、僕は律の体を押し返そうとした。  律は抵抗する僕の手を取り、その甲にキスをすると、甘ったるく優しい声で囁く。 「陽馬……体から力抜いて……」  そして僕の瞳をジッと見つめて来る。  薄茶色の宝石のような律の瞳はとても優しく僕を見下ろしていて。  その瞳を見ていると催眠術にでもかけられたみたいに体から力が抜けて行く。 「あっ……ああ……」  体から余分な力が抜けると、痛みは随分楽になった。  律はいったん動きをとめて、僕の体をギュッと強く抱きしめてくれ、僕は何故か泣きそうになった……というか気づけば泣いていた。  その涙を律は痛みの所為のものと思ったのか、 「もう少しだけ、我慢して……?」  そんな囁きと共に目元にキスをした。  やがて動きが再開され、律の熱い雄が僕の中へとどんどん入って来る。 「あっ……、律……も、や……」   一体どこまで入って来るのだろう?  お腹の中が律でいっぱいで苦しいのに。 「陽馬のいいところ……いっぱい突いてあげる……」  律が耳朶を甘噛みしながら言うと、グイと腰を進めた。 「やぁっ……やっ……あっ……」  気持ちいい。  その他の感覚は全て消えてしまうくらいの快感が僕を襲い、頭が痺れる。 「気持ちいいだろ? ここ……」  何度も何度も突き上げられて、僕はもう何も考えられなくなり、出るものが無くなってもイキ続け、無我夢中で律の背中に縋りつき悲鳴にも近い甘い喘ぎ声を零す。 「あっ……も、だめ……またイッちゃう……だめっ……ああっ……」 「……っ……俺もすげー気持ちいい……陽馬の中、ヤバい……」  律もまた感じてくれているのか、呼吸が荒く、声が甘ったるく掠れている。  そして、僕がもう何度目か分からないオーガズムを迎えた瞬間、律の雄が僕のお腹の奥深い場所へ熱い精液を迸らせた。

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