27 / 137
第27話 親友との恋バナ?
高校二年最後の期末試験が終わり、僕は久しぶりに親友の学といつものハンバーガーショップで昼ご飯を食べていた。
「陽馬、もう食べないのか? おまえ、この頃食欲ないみたいだけど大丈夫か?」
ハンバーガー一個を食べ終えるのでさえ難儀している僕に学が心配そうに聞いて来る。
「なんでもないよ」
「でもちょっとやせたぞ、陽馬。やっぱりおまえ何か悩んでるんじゃないか?」
「なんにも」
それは嘘だった。本当は悩んでる。
そう、僕の悩みは――。
「あ、佐藤律」
学の言葉に、ドキッと胸が跳ねた。
「また綺麗なの連れてるなー」
親友の視線を追うように、窓の外を見てみると、確かにそこには律と女の子の姿。
律の考えていることが全く分からない。
それが僕の悩みだった。
律はいまだに僕の自慰の指導をして来るし、それだけじゃなくて僕たちは時々セックスをするようにもなっていた。
一方であんなふうに女の子と会うこともやめない。それに……。
何度体を重ねても律は決して好きとは言わない。
可愛いとは何回も言うけれども。
でも、それは僕の方だって同じだ。
本当に嫌なら全力で拒めば、律だって無理強いはしないだろう。
僕は心のどこかで律の与えてくれる快楽を望み、受け入れてしまってる……。
恋人同士でもないのにセックスをすることに僕は罪悪感を覚えていたが、律はそういったものを感じないのだろうか?
「……ま、陽馬ってば、おい!」
学の呼びかけに僕はハッと物思いから覚めた。
「あ、ごめん。何? 学」
「何って……おまえ、本当に大丈夫か? 絶対に何か悩んでるだろ? 言ってみろよ。話すだけでも楽になるってことあるからさ」
「……本当に何も悩んでなんかないよ。でも……」
「でも?」
「……ねえ、学、学は彼女に好きだとか言うの?」
「何だよ? 突然。……そりゃ付き合う時は好きって告ったよ? 好きです、付き合ってくださいって言ったけど」
僕の唐突な質問に、学は呆気にとられたような顔になりながらも答えてくれる。
「普段は?」
「……そんなに毎日毎日好きだとか言ってらんねーよ、恥い」
「……じ、じゃ、その、あの……え、エッチのときとかは言ったり、する? 好きって」
聞いてしまってから後悔した。
僕はいったい学に何を聞いてるんだ? 恥ずかしい。
ともだちにシェアしよう!