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第47話 信じて……
「ほんとだよ。学にはちゃんと彼女もいるし……信じて」
今度は僕の方が律にお願いする立場になった。
律は少し首を傾げたまま僕のことを見つめ続けていたが、やがて懇願するような口調で聞いて来る。
「……信じてもいい? 陽馬?」
僕が勢いよくうなずくと、律はようやく形のいい唇に笑みを浮かべた。
「信じるよ、陽馬のこと」
そして、言葉を続ける。
「だから陽馬も俺のこと信じて」
「律……」
「好きだよ、陽馬」
「……律……!」
僕は両腕を律の背中に回して縋りついた。
夕食の用意ができたと母さんが階下から声を掛けて来るまで、僕たちはずっとそのまま抱き合ってときを過ごした。
その日の夜遅く、父さんと母さんが寝静まったあと、律が僕の部屋へとやって来た。
以前のようにノックもせずに入って来た律に、僕はもう驚きはしなかった。
だって、僕自身彼が来るのを待っていたから。
律から贈られた服を着て勉強机の椅子に座る僕に律は眩しいくらいの笑顔をくれる。
「本当によく似合ってる。脱がしちゃうのが勿体ないくらい」
「律……」
ふわりと体が浮き、ベッドへ寝かされる。
律も続いてベッドへと上って来て、僕を力いっぱい抱きしめてくれた。
「好きだよ、陽馬。絶対誰にも渡さないから。これから先、おまえが女の子を好きになっても俺、邪魔するよ?」
律のこの言葉に僕は小さく噴き出してしまった。
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