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第56話 久しぶりに自慰の指導をされる

 帰宅後。  順番に手を洗ってから、僕と律は二階のそれぞれの自室へと入った。  しかし五分もしないうちに僕の部屋のドアが開かれ、まだ制服姿のままの律が入って来た。 「律? どうしたの?」  僕はちょうど制服から私服へと着替えている最中だった。 「んー? 着替えるの手伝ってやろうと思ってさ」  そんなふうに言う律の声がやけに艶がある。  こんな声音のときの律は……。 「い、いいよ。一人で着替えられるから」 「遠慮しないでいいよ」  僕は抵抗する暇もなく、ベッドへと押し倒された。 「り、律っ……、もうすぐ夕飯……っあ……」  語尾が跳ねたのは律が僕の乳首に吸い付いたから。 「この頃自慰の指導をしてやってなかったからさ」  律は僕の胸元から顔を上げると赤い舌をチロリと出して、乳首をじっくりと舐め始めた。  悦楽をしっている僕の体はあっという間に昂ぶってしまう。 「んっ……ん……、律っ……あっ……」  時間が時間なだけにいつ母さんが夕飯だと呼びに来るか分からない。  そんな危うさもしかし今の僕には興奮をあおる材料でしかなくて。 「陽馬……気持ちいい? ほら、こここうして触られるのが、おまえ好きだろ? ちゃんと覚えておけよ?」  律は乳首を舐めながら、僕のズボンと下着の中へと手を入れて、性器をしごきあげて来る。 「だめ……そこっ……あ、ああっ……」  僕の弱いところを知り尽くしている律に嫌って程いじられて、僕は大量の精液を律の手の中へと放った。  ハアハアと荒い息をつく僕の前で律は手のひらの精液を舐めつくし、 「本番は夜、な」  と意味深な笑顔で言った。

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