「あっ……律、やっ……」 「陽馬……もう少し声、抑えて……じゃないと父さんと母さんが起きて来ちゃう。こんな淫らな陽馬の姿……俺、例え父さんや母さんであっても見られたくないんだけど」 「だって……っん……」 　僕は喉の奥で声を殺す。 　全開にされたパジャマの前、ズボンは足首まで降ろされて。 　ドアに体を押し付けられ、立ったままの体勢で、僕は律の愛撫を受けていた。 　大好きな人の熱い舌としなやかな指が素肌を這いまわっている。 「んっ……んっ……」 　僕は必死に両手で口を押えて声を抑えていたが、律の唇が性器にたどり着いた瞬間、我慢ができなくなった。零れる嬌声。 「律っ……っああ……」 　律が上目遣いで僕のことを見つめながら、強く僕の昂ぶりを吸い上げ、僕は呆気なく彼の口の中で果てた。 　夕方に一回律の手で抜かれたというのに……僕ってこんなにやらしかったのかな……ううん、違う。律が僕をこんなふうにしたんだ……。 「律の意地悪……」 　イッたあとの余韻で整わない呼吸の元、律に訴えた。 「可愛い……陽馬……本当に可愛い……」 　律は僕を強く抱きしめる。 　そのとき僕の腰に律の勃起が当たって……。 「律……」 「陽馬……」 　僕の背中を抱いていた律の手が下の方へと降りて行き、双丘の奥の小さな穴に指が挿入される。 　律とのセックスを覚えた体は絡みつくように彼の指を飲み込む。 　僕の中で律の指が淫らに蠢き、嫌って言うほどそこを鳴らされて、腰が揺れる。 「あっ……あっ……や……」 「陽馬……気持ちいいんだ？　ここは……？」 　グリッと前立腺を押され、たまらない気持ちになる。 「律っ……律……もう……」 　律が欲しくて欲しくて、気づけば僕は半泣きで強請っていた。 「すっごいエロい顔……陽馬いつの間にそんなお強請りの仕方覚えたの？　俺以外の前でそんな顔したら、絶対許さないから」 「……っ……律の意地悪……僕は律だから……律だから」 「うん……分かってるよ。ごめん、ちょっと意地悪言いすぎたな。その代わりにうんとたくさんあげるから……」 　律は僕の唇にチュッとキスをすると、後ろから指を抜いた。 　そして僕の片脚を持ち上げると、そそり立った雄を勢いよく挿入した。 「っ……ん……」 　唇から迸りそうになった悲鳴はキスで塞がれる。 　僕は挿入された瞬間にイッてしまい、精液が脚を伝って床へと滴る。 　そのまま腰から崩れ落ちそうになるのを律の力強い腕が支えてくれる。 「休ませないよ、陽馬……」 　律はそう言うと、立ったままの体位で僕の中を思い切り突き上げて来た。 「あっ……ああ……あっ……」 　すごいスピードで体を揺さぶられ、気持ちが良すぎて怖いくらいだった。 　それに立ったままするのは初めてのことで、なんだかイケナイことをしているような気がして。 　その背徳感がより一層僕の興奮を煽り、僕は律に縋りつき与えられる快感に溺れて行く。 　僕の耳元で律の荒い息が聞こえ、 「っ……陽馬っ……」 　名前を呼ばれたのと同時に体の奥に熱いものが注がれた。 　律が僕の体内で射精したのを感じた瞬間、僕もまた絶頂を迎えた。