59 / 137

第59話 もう一度

 二人の呼吸が整ってから律は僕の中から自身の雄を抜いた。  すると中から律の放ったものがとろりと流れ落ちて来て、僕の放ったものと混ざり合う。  律が微笑む。 「いつも思うことだけどさ、陽馬と俺のこれが混ざり合うのを見る度嬉しくなる。一つになった証って感じでさ」  う……律ってばまた恥ずかしいことを……。  そんなセリフをそんな色気たっぷりな顔で言わないで欲しい。 「ふふ……可愛いね。ねー陽馬、おまえ明日って体育の授業あったっけ?」 「え? ……ないけど」 「じゃ、もう一回付き合って」  律はそう言うが早いか僕の体を抱き上げると、ベッドへと降ろした。 「わっ! ち、ちょっと待ってよ、律」  僕はもうヘロヘロ状態なのに、これ以上されたら体育の授業がなくても他の授業に支障をきたす。いや、その前に立てなくて学校へ行けなくなるかもしれない。  僕は律の胸を押し返して抵抗を試みるが呆気なく両手をベッドへ押し付けられてしまう。  薄茶色の瞳が甘えを含んで囁く。 「俺さ、陽馬とするようになってから初めて本当のセックスの気持ちよさ知ったような気がする」 「……律……」 「ううん。セックスだけじゃない。初めて恋愛っていうの知った」 「……今までたくさんの彼女がいたくせに」  いつものように僕が拗ねて言ってやると、律は困ったように笑う。 「だから、彼女とかじゃないんだけどね。でも、こんなふうに夢中になって俺の気持ちを揺さぶるのは陽馬だけだよ?」 「律……」  それを言うなら僕の方こそ律と出会うまでなんにも知らなかった。  セックスは勿論キスも恋愛感情も……そもそも自分に恋人ができるなんて思ってもみなかったんだから。  誰かをこんなに愛して、誰かにこんなに愛されて。  今でも時々夢なんじゃないかって思う時があるくらいで……。 「陽馬、いい?」  薄茶色の宝石に強請られると、僕は絶対拒めない。  至近距離で見つめて来る宝石を見つめ返して、僕は小さくうなずき、律が与えてくれる深い悦楽の海へと沈んで行った。

ともだちにシェアしよう!