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第81話 悩み後イチャイチャ

「え?」  僕が戸惑っていると、律は僕の右手を取り、自分の股間へと導いた。 「散々オナニーのやり方教えてやったんだから、俺の気持ちいい場所も分かるだろ? 同じ男なんだから。……ね、して? 陽馬」  この手のことに関しては僕は完全に受け身で律の言われるがままだ。  そんな僕に律を気持ちよくさせる技術なんかあるんだろうか? 「陽馬……早く」  律に急かされて、僕は既に僕の手の中で半ば勃ち上がりかけている彼の雄をキュッと握りしめた。途端により大きくなる律。  僕は震える手で律のズボンのジッパーを下ろし、下着の中でもう充分な硬さを持つ律自身を擦り上げる。  いつも律がしてくれることを思い出し、淫らに手を動かす。  律が甘い吐息を漏らすのが耳に届いて、『ああ……律、ちゃんと感じてくれてるんだ……』と、安心感を覚えた。それと同時に僕の体の中心にあるものもジン……と疼く。  律はそんな僕に気づいて、彼もまた手をこちらの下半身へと伸ばしてきて……。 「ああっ……律っ……」  僕の体を知り尽くしている律は、容赦なく攻めて来る。  律の手の動きが余りにも気持ちよくて、ついつい律を愛撫している手がお留守になってしまう。 「こら、陽馬、ちゃんと手を動かして」 「だって……あ、や……」 「もっと俺を気持ちよくして、一緒にイこ?」  そんなの無理だ。だって僕は律の巧みな手遣いに今にもイッてしまいそうだけど、律はまだイきそうな気配はない。 「ダメ……あっ……あっ……やぁっ……」  僕が今まさに高みへと昇りつめようとした瞬間、律がぴたりとその手をとめた。 「り、律? 何で……?」  思わず縋りつくような声が漏れた。 「一緒にって言っただろ? 陽馬?」  甘い意地悪されて目に涙が滲んだが律は許してくれなくて。  僕は必死になって律の雄を愛撫し続けた。それこそ手がだるくなっちゃうくらいに。  そしてようやく律が手の動きを再開してくれる。 「あっ……あっ……律っ……」 「……っ……陽馬……」  お互いの名前を呼びながら、僕たちは同時に互いの手の中で高みへと昇りつめた。  荒い呼吸が治まると、律が僕の目を覗き込むようにして囁く。 「上出来、陽馬。……もう俺の指導は要らないかな?」 「え?」  僕の反応に律はクスと笑った。 「寂しい? 俺にオナニーの指導してもらえなくなるの」 「そ、そんなことっ……」 「大丈夫。俺は一生おまえの指導役続けるから」 「いい要らない」 「強がっちゃって可愛い……」  律は甘い声で言うと、僕のことをぎゅっと抱きしめた。  僕が疲れているのを気遣ってくれたのか、その夜は律はそれ以上ヤラシイことはしてこなかった。  体をきれいにした後、僕らは揃ってベッドへ入る。  律もまた疲れていたのだろう、すぐに寝息を立て始めた。  僕は律の整った横顔を見つめながら、  律……家から出て行かないでね。  そんなふうに話しかけ、彼の体に抱きついた。

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