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第91話 エロい……

「あっ……やだっ……律……」  布地越しの愛撫がもどかしくて、僕は体をくねらせて身悶える。  服の乳首の部分だけじっとりと濡れるくらい愛撫すると、律はもう片方のそれも同じように愛した。 「綺麗な桜色の乳首が透けて見えて、すげーエロいよ……陽馬」 「やだ……やっ……律っ」  自分の今の痴態がものすごく恥ずかしくて、でもそれ以上にもっと深い愛撫が欲しくて、僕は律に懇願するような視線を送る。 「そんな瞳をして……欲しいの? 陽馬」 「……しい。……欲しい……」  僕が強請ると、律は目を細める。 「今夜はもっと焦らす予定だったけど、陽馬にそこまでお願いされたら仕方ないな」  甘く囁くと、むき出しの僕の性器を口に含んだ。 「ああっ……」  駆け抜けた快感に、僕の唇から甘く掠れた悲鳴が部屋に響き渡る。  律は顔を上げると目だけを微笑ませて、僕の唇に人差し指を当てた。 「しーっ……陽馬。父さんと母さんに聞こえる」  決して知られてはいけない僕たちのこの行為。  なのに律はなんだかとても楽しそうだ。  部屋の中にいても階下から父さんと母さんの笑い声がかすかに聞こえて来るような気さえするのに。  やっぱり律は容姿も頭の良さも運動も完璧だけど、性格はどこかはっちゃけてるように思える。 「……静かに。ね、陽馬、いい子だから」  律は色っぽい声で囁くと、また僕の下腹部に顔を埋めようとする。僕の中に残っていたなけなしの理性が声を発する。 「待って! ね、律、電気、消して」  そう、部屋は電気が煌々とついているのだ。  さっきまではただただ欲しかったけど、少しでも理性が戻って来た今、そんな明るい中で律に僕の性器をじっくり見られ愛されるなんて恥ずかしくてたまらない。  だからお願いしたのだが。 「だめ」  律は聞いてくれない。 「……っ。じゃ、せめて眼鏡、外させて。お願いだから」  僕は下半身は何も身に着けず、上着と眼鏡はつけたまま。  律に至っては学校から直接バイト先へと行ったのだろうまだ制服姿で、それもネクタイをわずかに緩めているだけで他には乱れもない。

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