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第104話 愛し合ってる時に

 家へ帰って来ると、父さんは多分残業で、母さんは町内会の集まりでいなかった。  そのことをいいことに僕たちは二人一緒にお風呂に入り、早々に律の部屋へと転がり込んだ。  そしてベッドになだれ込みきつく抱き合う。  律は僕の全身にキスの雨を降らし、いつもにも増して激しく求めて来た。 「あうっ……律、も、やめっ……ああっ」  僕の口からあられもない声が零れ落ちる。  お風呂に入ったばかりだと言うのに僕も律ももう汗びっしょりだ。 「陽馬……」  律は甘く掠れる声で名前を呼び、大きく開いた僕の脚の間に体を入り込ませて、すごい勢いで中を突いて来る。  ……正常位でのセックスは顔をじっくりと見られてしまうから恥ずかしい。  多分今の僕はすごくだらしない顔をしていると思う。目も口も半開きで涎を垂らして……。もう数えきれないくらいに抱き合ってるから今更なのだけど、恥ずかしさになれることはなくて。  僕が律の視線から逃れるように顔を両手で隠すと、それを咎めるかのように律はより深く深く雄を進めて来る。  お腹の中が律で一杯で、これ以上はない快楽を感じているのに、律はまだまだやめてくれない。  嫌って言うほど前立腺を突かれて、一際大きい悲鳴が漏れる。 「そこ、だめぇっ……」 「その声と顔……たまらない……陽馬……」  律が甘く笑い囁きを重ねる。 「もっともっと気持ちよくさせてあげる」 「やっ……律、も、だめ……」  これ以上気持ちよくなったら気が狂ってしまいそうで、僕は律に縋りついた。  僕の中にいる律が一段と大きくなりイイところを小刻みに突いて来る。 「ああっ……だめ……死んじゃう……律……律っ……」 「陽馬……可愛いよ……陽馬……」  うっとりと甘い声で囁き律が僕にキスをくれようとする。  その時。 「律くーん、陽くーん、帰ってるのー?」  階下から母さんの声がした。  続いてトントンと階段を上ってくる音。  心臓が止まるかと思った。  行為に夢中で玄関の鍵が開く音に気が付かなかった……そんなことを思っても後の祭り。  母さんはゆっくりと僕たちのいる部屋へと近づいて来る。 「律……律っ……どうしよう……?」

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