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第117話 ラブホテルにて

 ドキドキしながらチェックインすると、ラブホテル初体験の僕は好奇心も露わにあちこちを見て回った。  でも段々、律は何人の女の子とこんな場所に来てセックスをしたんだろう? そんな思いにとらわれ初め、嫉妬の思いが強くなって来る。  もう過去の話だ。律は今僕だけを見てくれてるんだから。  懸命にそんなふうに考えてると、やたらと大きいベッドに腰かけた律に声を掛けられる。 「陽馬」 「あ、ごめんなさい。今すぐシャツ着替えるね」  慌てて答えると、律はしれっと口にする。 「俺が脱がせてやるからいいよ」 「えっ……?」 「それより陽馬、なんかおもちゃ買ってやろうか?」 「えっ……」  絶句。  その部屋には小さな自動販売機みたいなものが置いてあり、いわゆる大人のおもちゃの類が売っていた。 「どれが欲しい? あのバイブ? それともあっちの? あー、ファー付き手錠とかもいいね」 「い、い、いらない」  僕が焦って答えると、律はクスッと笑った。 「そうだよな、陽馬はおもちゃになんか興味ないものな。おまえが好きなのは俺の……だから」  律は服の上からでもはっきりと分かる勃起を僕に見せつける。 「り、律」  見慣れたものなのに、いつまでも恥ずかしい。特にラブホテルなんてエッチな場所にいるから尚更。  そんな僕の腕を強引に引っ張ると、律は僕を広いベッドの上に押し倒した。                                                                         

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