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第119話 ラブホテルにて3
「さー、もう俺たち以外の話題はやめよ。せっかく陽馬と初めてのラブホにいるんだから」
律は言うと僕の左の乳首にチュウと吸い付いた。
「……っあ……」
僕の口から甘い吐息が零れる。
自分が感じてる声を自分で聞くのは本当に恥ずかしくて(特に今はラブホテルなんかにいるし)、唇を手で押さえてこらえようとした。
律がそんな僕を見てクスと小さく笑う。
「いつまで経っても初々しいね、陽馬、可愛い……。それに」
律は今度は右の乳首を長い指でこねくりまわした。
「それに、俺に毎晩のように抱かれているのに、陽馬の乳首って初めて見たときと全く変わらない綺麗な桜色のまんまだよな。ここだって……」
律は乳首から唇を離すと体をずらして勃ち上がりかけてる僕の性器にキスをした。
「あっ……律、やだっやっ……お風呂入ってないのに、そんなとこだめ」
「えー……俺陽馬の匂い大好きだからいいよ?」
「だめだめ」
今日は走って汗もかいてるって拒み、せめてシャワーを浴びさせて欲しいと頼むも、律は聞いてくれない。
「陽馬のその泣きそう顔、可愛いから、もう一秒も我慢できない。風呂なら終わってから入れてやるから」
言うと、律は僕の性器をパクッと形のいい唇にくわえた。
「ああっ……やだー……」
激しい快感が体中を駆け抜け、嫌だと言いながらも律の髪を掴む僕の手は、もっととねだり始める。
完全に勃起した僕の性器を律は舌で転がしたり、先っちょから滲みだす愛液をぴちゃっと卑猥な音を立てて舐めたり、喉の奥で締め付けたりして好きなように弄ぶ。
「やっ……律、もうダメ、イくっ……」
切羽詰まった声で訴え、昇り詰めようとする僕。
なのに、律は唇から性器を出すと根元を指で締め付けるようにして、イくことができないようにしてきた。
「り、律っ……?」
「あー、その顔、本当可愛い。もっといじめちゃいたくなる」
すっごく綺麗な顔でそんなことを言ってくる律に、僕は情けなくも目じりに涙をたたえて訴えた。
「やだ、律、いじわるしないで……律ってば……」
「もう少し我慢して? 陽馬、だって、もっと待った方がうんと濃い陽馬の飲めそうじゃない?」
「…………」
どうして律はこんなふうにいやらしいことを言ったり、したりを平気でできるんだろう?
経験の差はあるだろうけど、律だって男は僕が初めてのはず……だよね?
僕が色々不安になっているあいだにも律はそのヤラシイ手をとめずに僕をどんどん追い詰めていく。
性器の根元を指できつく縛ったままその奥にある小さな孔を広げるようにして舐めて行く。
「あっ……ああっ……あっ……」
僕はもう何も考えられなくなっていき、ただ律にねだるばかりだった。
「いや、律……イかせて……イかせて……」
「陽馬のその声可愛い……もっと聞かせて? そしたらイかせてあげるから……」
律の熱い吐息が孔のひだに当たってより快感が増す。
「お願い律……お願い……」
うわごとのように繰り返し求める唇の端から唾液が滴り落ち、体が小刻みに震えだす。
「可愛い……陽馬……。もうこれ以上いじわるはやめるよ……」
ふと僕の性器を締め付けていた指の圧力 なくなり……。
「あーっ……」
悲鳴のような自らの善がり声を聞きながら僕はとてつもない快楽の絶頂へと昇りつめた。
律の口内で……。
ふわふわと雲の上にいる感覚の僕に律が目線を合わせて来てにっこりと綺麗に笑う。
「とーっても濃くって、美味しかった。陽馬の」
「……っ……」
激しすぎた快感と、自分の痴態の恥ずかしさに、満足に返事もできない僕の体を律は優しく起こすと後ろから抱きしめて来た。
「愛してる……陽馬……」
熱く甘く囁かれて、僕も、と応える前に律の硬い雄が挿入された。
「あああっ……律っ……まだ、だめ」
つい今盛大にイッたばかりの僕の体は敏感になっていて、いきなりの挿入に気を失いそうになる。
でも律はそれを許してくれなくて、後ろからの座位の体位で激しく攻め立てて来る。
気を失いそうになっては現実に引き戻される危うくも激しい快楽に、僕はもうすすり泣くしかできなかった。
「律……や……死んじゃう……だめ……」
「陽馬……、ずっとこうしていたいよ……」
律は随分長い間僕の中にいた。
そして、一瞬息を止めると、僕の体の奥深くへたっぷりと熱い精液を注いでくれた。
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