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第129話 久しぶりのセックス

 マットレスのベットの上、律はあっという間に僕を全裸にむき、自らもまた綺麗な裸を晒す。  舌を絡めて唾液を送り合い、糸を引くキスを交わした後、律が僕の頬に手を添え、少し上がった息で言った。 「ごめん。陽馬、俺全然余裕ない。おまえを壊しちゃうほど激しくしちゃうかもしれない」  律の、欲望で潤んだ瞳に僕が、僕だけが映っている。 「……激しくして……律」  律につられる形で言葉を放ってしまってから、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。  律はそれこそ少女漫画から抜け出してきたような人だから、どんなセリフを言ってもきまるのだけど、冴えない僕が言ったらただイタイだけだ。  なのに律はうっとりした目で僕を見つめると、更に言葉を重ねる。 「陽馬にそんなふうにおねだりされたら、俺とまらないよ」 「律……あっ……だめっ」  律は性急な仕草で僕の脚を広げさせるとその奥まった場所にある後ろ孔に長くて綺麗な指を挿入して来た。  微かな痛みと異物感、でもそれをはるかに上回る快感に僕の腰が跳ねる。  グチュグチュといやらしい音を立てて律が指を増やしながら僕の後ろ孔をほぐしていく。 「すげ……陽馬の中めっちゃ熱くて、俺の指を締め付けて来る……」 「あっああ……」  前立腺を触られるたびぴくぴくと僕の体は痙攣して、今にもイッてしまいそうになるけど、一人だけイクのは嫌だった。 「あっ……やだ、律、律も一緒に……」  浮かされるように強請ると律は瞬間泣き笑いのような表情を見せてから僕の頬にキスをくれた。 「何で、そんなにかわいいんだよ、陽馬って。まだ十分ほぐれてないから痛いかもしれないけど……俺の挿れていい?」  薄茶色の綺麗な宝石に見つめられて囁かれて、僕は必死にうなずいた。  律が欲しくて欲しくて。  律が僕の脚の間に入り込み、硬い雄の先端を僕の後ろ孔にあてがう。  そして僕の肩を両手で押さえるとそのまま勢いよく体を進めて来て……。 「……っあ……」  薄い壁に響く悲鳴は律がキスで押さえてくれた。  ビュクビュクと僕の性器から精液が勢いよく飛び出し二人のお腹を汚す。  ……律を置き去りに僕はイッてしまったのだった。  イッたばかりで敏感になっている僕の中で律が容赦なく暴れまくる。 「可愛い……陽馬、陽馬……愛してる……」 「律……、律、律……」  律が思い切り突き上げて来て、がくがくと視界が揺れる。  僕は律の背中に縋りつき、耐え切れずそこに爪を立てた。  律が唇を重ねて来る。彼もまた限界が近いのか律動のスピードがどんどん速くなっている。  僕の中はもう律でいっぱいで。  一際大きく突かれたとき、早くも二度目の絶頂を迎えた。それとほぼ同時に体の奥深くに熱い液体が広がる。  ぎゅうと体に力が入った後、ゆるゆると力が抜けて行く。  ……ああ、律と一緒にイけた。  充足感の元、僕は意識を手放した。                                                                         

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