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序章4-2 ※モブ凌辱描写
「…………えっ」
人間、本当に驚くと何も考えられなくなってしまうとはよく言ったものだ。
事実、想悟も目の前の出来事に頭がついていかず、小さな声を漏らすことしか出なかった。
舞台の上には、一糸纏わぬ恥ずかしい姿の男達がずらりと並んで連れて来られていたのだ。
少々垢抜けない顔立ちからして、まだ学生だろうか──少年達は四つ這いになり、首と両手を断首台のような拘束具に通されている。
更に股間には牛用の吸引器のようなものまで装着されていた。とても人間の扱いとは思えないその姿は正しく家畜のようだ。
各々、猿轡のせいでくぐもった悲鳴を上げ、涙や鼻水や涎で顔面をぐしゃぐしゃにしている。
中でも新たに大声を上げた一人に注目してみると、もはや精液なのかもわからない水っぽい液体がタンクの中に流れていった。
あんな機械は使わないまでも、性器を扱き倒せばどうなるか、男たるもの嫌でもわかる。あんな扱いを受けながら、絶頂したのだ……。
彼は次の拍子にはガクガクと身体を痙攣させながら白目を剥いていた。イキ狂って失神してしまったらしい。
あまりに現実味のしない地獄絵図に、想悟は武者震いがした。
「ううむ、やはり若い子のザーメンはこの独特の青苦さが良いものだね、まだ何ものにも染まっていない……フフ、香りも味も一番だ」
固まる想悟の隣で、世良が楽しげにしていた。
近くのスタッフから配られたグラスを片手に、あの少年達から搾取したザーメンだろうか──見覚えのありすぎる泡立った白濁を、ワインを嗜むようにまず香りで味わい、あろうことか口に含んでご満悦だ。
「おや? 霧島先生、なにをそんなに驚いているんだい? 君も味見してみると良いよ。きっと気に入るから」
精液に満たされたグラスを向けられて、想悟は思わずよろめいてしまった。
瞬間、想悟はようやく自分の状況に気付く。広間にいる全員が、こちらを見ている。思い過ごしなんかではなかった。
無駄に金のかかった正装に身を包んだ老若男女を問わない人間達が、ニタニタと下卑た笑みを向けてくる。
サッと全身の血の気が引くのがわかった。
気味が悪くてたまらない。ここにいては駄目だ。早く逃げなくては、取り返しのつかないことになるかもしれない。
想悟が本能的に恐ろしげなものを感じて後ずさりをすると、大柄な男に背後をとられた。
「なっ……!?」
入口にいた男達とはまた違う、屈強な男だった。
一目で堅気ではないとわかる風貌をした彼にものすごい力で羽交い締めにされ、想悟は逃れようもない。
だが、諦めたくはなくて、必死にもがいた。
「このっ! 離せ、離せよっ! 何のつもりなんだ、クソッ!」
「これより、この霧島想悟様を、我が地下クラブの同胞としてお迎えする儀式を始めたいと思います」
当然のように鷲尾が言った。
同胞? 儀式? いったい何のことなのか。理解できないことばかりが襲って来て、想悟は混乱の極みに達した。
「いったいどういうことなんですかっ、学園長!?」
慌てふためく想悟とは正反対に、世良はいつもと何ら変わらない笑みを湛えていた。
その表情を見ていたら……助けを乞おうとしていた気持ちが、すっと引いていった。
助けてなんてくれない。ここにいる全員が、敵であると瞬時に悟った。
どうしようもない絶望感に冷や汗が噴き出してたまらない。
「おっとっと、ちょっと大人しくしてもらいますからね」
想悟を拘束している分厚いサングラスをかけたスキンヘッドの強面大男は、もう一人、小柄な男にロープで腕を縛らせた。
「ふぅん、これがあの霧島想悟。なかなか良い男だな、あんた。想ちゃんって呼ぼうかな? ギャハハッ」
小柄な方の男は、下品な笑い声を上げて舌なめずりをする。
髪色を派手な色に染め、多数のピアスを身に着ける彼は、まるでチンピラのような出で立ちだった。
そうして、想悟は二人がかりで舞台へと上げられ、さらに中央に置かれた猫脚の椅子に縛り付けられた。こうなっては、もう一人ではどうにもならなかった。
「ふざけんなっ! 外せっ! くっ……な、何をするつもりなんだよっ!?」
めちゃくちゃに喚き、じたばたと暴れても、周りの会員やスタッフ達は、もっと暴れてみろと言わんばかりに卑しい笑みを浮かべている。
「ふふふ、準備が整いましたね。それでは、今宵のメインイベントの開催といきましょう」
鷲尾が平然と言うと、舞台袖から、また一人の男が現れた。
先の少年達よりはマシとはいえ、それでも全裸に首輪で繋がれていて、とても人の扱いではない。
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