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一之瀬守編3-2 ※フェラ
半ば諦めたような目をしていた守が再びヒィッと悲鳴を上げた。
目と鼻の先に勃起した逸物を突き出されれば、否応にも慰み者にならざるを得ない状況を再確認する。
「なに驚いてるんだ。あんたにもついてるだろうが。これを舐めるんだよ」
「な、舐め……そ、そんなことっ、できませんっ」
「できない? そうか。なら、あんたは教師じゃなくなる上に、またテレビやネットでさらし者にでもなる日々に逆戻りか。ご愁傷様」
「ひっ、ぃ……そ、そ、それは、嫌……です……」
さすがの守もその惨めな日々を想像することは容易であった。
けれど、だからと言って他人の、それも同性の生殖器官を舐めるなどという異常な命令を簡単にやってのけるほどの度量もない。目を泳がせて逡巡した。
唇を引き結んだまま、そそり立つペニスにじっと視線をくれてやることしかできない守。先に焦れたのは想悟である。
守の頭を片手で掴み、もう片手はペニスに添えて、守の唇にヌルンッと肉幹を滑らせてみせた。
「うぅっ……! くふ、うぅ……」
(あ、あ……嫌だ……当たってる……これ、舐めなきゃいけないの……)
唇に性器が触れた。初めて味わう汚辱感に眉をひそめる守。
想悟のペニスの先端は既に漏れ出た先走りでベトベトであり、擦り付けるたびに守の震える唇を、口紅でも塗りたくるみたいに透明な粘液で濡らしていく。
守は手を添えて汚いものを拒むように嫌がるが、その頬を軽く張ってやった。
「ほら、奴隷ならご奉仕の挨拶をしろよ。『オチンポ舐めさせていただきます』ってな」
「んうぅぅう……っ!」
「今日はフェラするまで終わらせないからな。やりたくないならずっとそうしてろ」
「うぅっ、ぐすっ……。ほ、本当にやったら……終わりにしてくれますか……?」
普通なら、こんなありえない命令をされれば怒りも頂点に達するだろう。顔を真っ赤にして憤慨し、その場で怒鳴り散らしても不思議ではない。
なのに守は潤んだ瞳で想悟を見つめ、慈悲を乞うてくるばかりだ。
どこまで情けない男なのだ、お前にプライドはないのかとこちらが怒鳴りたくなってくる。
「ああ、約束だ。わかったら挨拶をしろ」
「あぁ……はい……。お……オ……チンポ……な、舐めさせて、いただきます……っ。こ、これでいいですか……?」
「ははっ……本当に言いやがった。よし、舐めてみろよ」
あまりの恥ずかしさに消え入りそうな声で卑しい台詞を吐く守に、想悟の嗜虐心は着実にそそられていく。
屈辱の挨拶を済ませた守は、再び想悟のペニスに顔を寄せた。
本当は今にも守の口に無理やり突っ込んで腰を使ってしまいたい。けれどこの守なら条件反射で噛むかもしれない。それこそ確実に、手が出てしまう。
カッとなったら自制が効かない性格であることはこの二十三年間、そして先日の凌辱でも改めて気付いてしまったし、どこまで痛めつけるかもわからない。
できるだけ自分から奴隷としての道を歩き出してほしくて、想悟は衝動に任せる選択を我慢しつつ、促すようにゆっくりと腰を揺らした。
守が耐えかねたのも時間の問題だった。やらなければ終わらないとわかり、恐る恐るではあるが、自ら口を開いてくれた。
わずかに開いた口腔の中に、想悟は腰を突き出して招かれていく。
「ん、んむっ……うぇっ……う、グゥ……」
ペニスをしゃぶらされた守は苦しそうに鼻を鳴らした。
嫌悪感に目を細めるばかりで忘れてしまっているのか、想悟への恐怖心が勝つのか、歯を立てることはない。
腸内とはまた違う、温かい口腔粘膜に包まれて、その心地良さに陰嚢から背筋までがブルッと震えた。
「うっ……くそ……気持ちいいっ……。ははっ、恨むなら人に言えないことをしてきたバカ兄貴を恨むんだな」
「んぅっ……!」
(に、兄さんのせい……? オレが今こんな目に遭ってるのも、全部兄さんのせいだって言うの……? どうして……兄さん、今どこで何をしてるの……)
ちょっと口が滑ったかもしれないな、と思いつつも、この守では兄がまさか自分のような目に遭っていたとまでは思わないだろう。
守の兄など、今は良い脅迫材料の一つに過ぎない。
「うぅぅっ……く、るしい……嫌ら……んぷぅふうっ……」
腰を揺らす想悟のされるがままになっている守は、そうして想悟のものを口に含みながら泣いていた。
しゃぶっているというよりは、ただ口腔内に受け入れているだけといった感じだ。舌を使おうとも、ましてや手で扱こうともしない。
フェラを強制されている最中では、そのような機転を利かせられる方が珍しいというものだろう。
「おらっ、バカ弟。そんなんじゃ全然駄目だ。もっと自分からしゃぶるんだよ」
「うぅ……っ」
「いちいち教えないといけないのかよ、ったく……まあいいや。最初だからな。もっと自分でも頭を動かして、扱くんだ。扱き方くらいはさすがにわかるだろ」
そうは言っても、この守では自慰すらもしないかもしれない……といった気も起こる。
日頃のストレス発散方法は男としての行為ではなく、散歩とか、おいしいお菓子を食べるとか、それこそ絵を描くとか。
そんななよなよとした女っぽい趣味なのだろう。
守は本当にわかったのかは定かではないが、まずはこの苦しみから逃れる為だろう、うんうんと頷いた。
いったんペニスを口から出し、深呼吸をしてから、また想悟の勃起と対峙する。見つめる瞳は困惑と躊躇ばかりだ。
「早くやれよ」
「ひっ……あぁ、は、はい、やります……」
低く命令されてから、守はやっとやる気になったようだ。
自らの意思でペニスに食らいついていく。それも先っぽの部分を咥えただけだが、想悟の機嫌を伺うように見上げてくる。
目が合うと、また何か言われるのではないかと恐れたらしく、徐々に深くまで呑み込んでいった。
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