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一之瀬守編3-3 ※フェラ、浴尿

 苦しくない程度にペニスを咥え、守は怖々と頭を前後させ始めた。やっとストロークが加わって、想悟もホッと甘いため息を吐き出す。  こんな愚かな守の口でも、気持ちの良いものは気持ちが良い。それは嘘がつけなくて、もう十分と思っていたはずの勃起がまだまだ熱と硬さを増していく。 (霧島先生の、また大きくなってる……感じてくれてる、のかな……あぁ……オレ、本当に奴隷扱いされてるんだ……。こんなこと、もう早く終わって……)  口腔内で膨らみを増す屈辱は自尊心の低い守でも恥ずかしく思うようだ。やり場のない両手がズボンのベルト付近に伸び、そこをギュッと掴んでくる。  唇で扱きながらとめどなく涙を流されると、正に守をいじめているようで想悟の征服感は満たされていく。  ほとほとこいつは泣いている様がお似合いだ、と想悟は思った。 「そうそう、その調子だ。絶対噛むなよ。わかったなら返事をしろ」 「んぷっ、ゲホッ……ふ、ふぁい……」  返事をしてから守は言われた通りに頭を動かした。  想悟のカウパーと守の唾液とが混ざり合ったものが守の口から溢れ出し、飲み込むこともできずに滴り落ちる。  守はぎゅっと眉に皺を寄せ、時折むせ返りながらも、必死に愛撫を続けている。  それでも言われたことしかやらないもので、しばらくすると新鮮味がなくなってきてしまう。  前例が司だったからという理由もあるが、それにしても正直に言って下手くそだった。 「なんか退屈だな。もっと舌も使えよ」 「うぐぐぐ……むぐっ、じゅるぅっ……」 (そ……そんなこと言ったって、もういっぱいいっぱいで……こんなこと初めてなのに……本当は、やりたくないのにっ……) 「フェラもできないならあんたにはいったい他に何ができるって言うんだ? あ? やる気がないなら俺はあんたがどんなにこの学園に不相応な人間か世間様にばらしてやるだけだぞ」 「や、やめてください! やりますっ……ちゃんと……頑張ります……から……。それだけは許してください……」  この学園を辞めて日常の全てを失うことと、想悟の理不尽な命令を聞くこと。その二つの天秤は今の守にはいとも簡単に傾いてしまう。  守は前後運動に加えて、おずおずと舌も動かし始めた。肉棒に絡めるようにして、浮き出た血管に這わせてくる。  そうした彼の頑張りのおかげか、機械的で物足りないフェラチオにも徐々に射精の兆候を感じることができた。  荒くなっていく呼吸を抑えられない。一心不乱に頭を振りたてる守の肩に置いた手にも力がこもる。  何よりも神聖な学園内で、ムカつくこの守に奉仕を命じているというだけで胸が高鳴るのだ。 「うぅっ! イクぞっ……このまま口に出すからな、飲め、いいな!」 「ぅぷっ!? んんん、んぅううーっ!?」 (の、飲むって……? まさか、このまま……!? あぁぁ、そんなの嫌だ!)  突然の口内射精の宣告に、守はギョッと目を剥いて激しく首を横に振った。しかし想悟の欲望を止めることはできない。  想悟は低く呻いて、自身の熱を全て解放させた。  爆発的な量の精子が射精管を通って狭い鈴口から噴き出し、そのまま一滴残らず守の口腔内に浴びせかけていく。  口の中に射精される衝撃と気持ち悪さに守は飛び退きそうになったが、想悟は両手でがっちりと守の頭を掴んで逃がしはしなかった。  逃げる術をなくした守はやがて観念し、喉を鳴らし飲み込んでいく。  が、許容範囲外の精液はすぐに限界を迎えて口の端からも溢れ始めた。上手く飲み込めなかったのか、逆流した白濁が鼻の穴からも噴き出してくる。 「ゲホゴホッ! うぇっ! き……もち、悪い……うぅぅっ」  ようやく顔を離すことを許された守は、耐えきれずにその場に崩れてしまった。  両手を床につけて咳き込みながら、飲み込めなかった分の精液を吐き出し続けて精液溜まりをつくっていく。 「チッ」  どこまでも中途半端な守に舌打ちが漏れる。  すると、一度射精を終えたからか、なんだか尿意が込み上げてきた。  咳き込みながら喉に絡むザーメンに苦しんでいる守を冷たく見下ろす。 「おい守先生。まだ動くなよ」  また何かされるのかと、守が怖々と顔を上げる。その顔面に狙いを定め、尿を放出させた。 「なにっ……!? うあぁっ、かけないで……やめ、てぇ……っ。うぅぅっ、ひぐぅ……!」  サラサラとした柔らかい髪も、いつも困ったような表情をしている顔も、安物の服も、逃れられずに想悟の小便まみれになっていく。  この後守はどうするんだろうか? シャワー室を借りて浴びたとしても、着替えはないから早退か。せいぜい小便臭いまま帰ればいい。俺をこんなにイラつかせるのだから、いい気味だ。  そんな風に考えながら、無様な守の姿を見ていたら、想悟は心の底からすっきりとした。 「き、霧島先生……一つだけ、教えてください……」  口淫と浴尿の余韻にハァハァと息を荒げながらも、守は不安げな瞳で想悟を見やった。  理不尽な凌辱の最中でも、まだ光を見出そうとしているようなその目。 「……兄さんは……生きて、いるんですか……?」  聞かれて、想悟も一瞬考えた。  正直、想悟もそこまでは知らないのだ。けれど、売られていったと聞いただけで、殺された、とまでは言われていない。 「…………生きてるよ」  守に希望を持たせる為にも、本当に生きていることを祈りつつ、想悟は無責任に吐き捨てた。  この件は後々、シラを切り続ける鷲尾達にもはっきりさせておかねばならないと思うと、面倒臭さも残ってしまうのだが、ひとまずは問題ないだろう。 「ああ…………っ」  けれど、守はその言葉を信じて安堵のため息を吐いた。  守にとって、歳の離れた異母兄弟である兄は遠く及ばない存在だっただけ、喜びもひとしおだろう。  兄が生きていると知れただけでも守のこの行為は、無意味ではなかった。どんなに恥ずかしく浅ましいことであれ、正当化されるのだ。  だからこれからも守は従ってくれる。この凌辱を受け入れてくれる。  きっと、今はまだそれでいい。守をさらなる辱めにさらすことを考える時間はたっぷりある。 「守先生。床、ちゃんと掃除しておけよ」  想悟は動けなくなってしまった守を一人残し、食事前の運動で減った腹を満たす為に美術室を出た。

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