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一之瀬守編 6-3 ※体調不良、イラマ、嘔吐
しかし守のこの性格はここ数年やそこらで培ったものではないだろう。
それを全てぶち壊して自ら犯してくれなんて恥ずかしいことを言うようなマゾ奴隷になんて本当に躾られるんだろうか? いやそれでも、想悟にはやらなくてはならない理由があるのだから仕方ないが。
守の髪を掴みながら無理やりの前後運動をしていると、想悟も興奮から汗が滴ってくる。
「く、はぁっ……! そろそろ……イクからなっ。このまま口の中に出してやるよ」
(や、やだっ! 口は嫌だ……! 苦しっ……そ、外にぃっ……!!)
外に、なんて言われたらもっと中に出したくなるに決まっている。
「んぐぶっ!? ううっ! んむむぅ~~っ!」
嫌がる守の意思に反するように、口腔内にビシャビシャと迸る精液を浴びせかけた。
(あぁぁ……もう、嫌だ……気持ち悪い……吐きたい……っ! ……で、でも、そんなことしたら、何をされるか……)
「はっ……薬なんかより、俺のザーメン飲んだ方がよっぽど元気になったりしてなぁ?」
口内射精されたショックと畳み掛けるような想悟の物言い。守はそれに耐えきれなかったようだ。
想悟がペニスを引き抜くと、食事はあまり摂れていなかったようで、激しくむせながら胃液と共に精液を床に吐き出した。
ツンとした刺激臭が想悟の鼻をつくが、それには想悟も少し腹が立って、守の下を脱がせてそれで彼の吐瀉物を拭き、遠くに投げた。
「俺がせっかく射精してやったのになにゲロってんだよ」
「う……ぅ、すみ、ませ……ゲホォッ」
「ま、次はこっちで気持ち良くなるから、いいけどな」
そこで守は、想悟が下半身をも犯そうとしていることに気付いた。吐瀉物にまみれたパジャマの下はとっくに部屋の奥まで飛んでいる。
風邪による節々のだるさを抱えていては、本来の力など出ない。それも相手が軟弱な守なのだ、出ようもないだろう。
守の抵抗なんて相変わらず組み敷いただけで固まってしまうくらいに意思が弱くて、今の想悟としては好都合だった。
守なんかお構いなしに両脚を抱え、はち切れんばかりの怒張を孔にブチ込む。小さく悲鳴を上げたが、さては先の輪姦で嫌々ながらも慣れたか? 思ったより痛がりはしなかった。
「うぁっ……やべぇ……いいっ……」
守の中は異物を吐き出そうと蠕動し、想悟のペニスをキュウキュウと切なく締め付けてくる。
臆病な守とは違う、実に積極的で、貪欲で、まるでここだけ別の生き物みたいだ。
「はぐぅっ! 痛い……! ほ、本当にまだ痛くて……や、やめっ」
「あんだけ犯しまくられて痛い訳ねぇだろ。そういえば……あの時も、世良学園長にヤられてた時は、ずいぶん気持ち良さそうにしてたよな。まさかあんた、老け……っつーか枯れ専フェチ?」
「そっ……そんなの、あるはず……なんてひどいことっ……」
(い、やぁ……どうしてこんな風に無理やり犯されてるのに感じちゃうの……ああっ、そういえば、あの時は混乱してたし……世良さんもオレが感じるようにしてくれた……だからオレだけが悪いんじゃないんだ。だってそういう風に責められちゃったんだから、しょうがないんだよね、うん、きっとそう)
戸惑う守は、お得意の責任転嫁を始めた。
まだ同性とのセックスに目覚めた訳ではない。混乱の境地にあったあの場所で、世良は唯一、性技だけではあるが……守を優しく甘い悦楽の世界へと導いてくれたから、仕方ない。仕方ない……ね。
守の主張は、大まかにこうだ。けど何かあれば責任転嫁をすればいいと思っているだけのM奴隷なんて、見てきたは良いがすぐに廃棄された者ばかりだ。
こいつはそいつらと何が違う? もっと見極めなければ。
その時だった。守の部屋のインターホンが鳴り響く。
「一之瀬さーん?」
そしてドア越しに年季の入った女の声が聞こえ、瞬間、守がギョッと目を剥いた。
(この声……お、大家さん……っ!)
想悟もピクリと肩を揺らした。なんてまずいタイミングなんだ。
だが、ここは守をさらに嬲るチャンスにしようと、想悟は小さく息を吐いて精神を落ち着かせる。そして残忍な凌辱者じみた薄笑いを浮かべ、守の耳元で囁いた。
「守先生。鍵、開けたままだって忘れてないよな」
「あ……」
「ほら早く答えてやれよ。心配になって入って来るかもしれないぜ」
(う、嘘……こんなところを見られるなんて、そんなことっ、絶対に駄目……!)
鈍臭い守でも最悪の状況を想像するのは容易。拙いながらも平静を装うことにしたようだ。このトラブルを回避できるかの能力で、わずかでも守の処遇は決まるだろう。
「……っ、は、はいっ! 何でしょう……!」
「あ、一之瀬さん。風邪を引いたって聞いたから、お粥を作って来たんだけれど」
大方、入居してきた若い者の世話をするのが老後の趣味と化したお節介女といったところか。まさかその孫のような存在である守が、扉一枚を隔てた場所で男に犯されている真っ最中だとは夢にも思うまい。
「えっ……あ……ありがとうございますっ。でもあの、今、手が離せなくて……」
(それに……こんなことがばれたら、大家さんだってどうなるか……霧島先生は、何をするかわからないから……)
こうして男をレイプするくらいなのだから性欲の塊のように思われているのかもしれないが、年老いた女に興味なんてある訳がない。また守を殴りたい衝動に駆られるが、ぐっと堪えて背後に意識を集中させる。
想悟だってこの行為がばれたら、最悪鷲尾達に命令して後始末をしてもらうことにでもなってしまうだろう。それはさすがに面倒だし、ましてやクラブの人間にあまり借りなんて作りたくない。
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