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一之瀬守編END-2 ※近親相姦、アナルローズ

 四つ這いを強要され、目隠しをされても、もう守は逆らわない。  むしろそんな状況も興奮するようだ。既に息を荒くし、肌は汗ばみ、股間の逸物も半勃ちになっている。 「ん、んッ……あぁ……今夜は、何をするんですか……いったい、何がお相手なんでしょう……」 「ああ。ここにいる奴ら、犬との交尾が見たいってさ」 「犬……。それって……ワンちゃん……あぁっ、オレ好きですよ、いつか飼いたいと思ってて、でも犯される方が先なんだ、ははっ、ははは」  それが極めて異常なこととも思わない。それほどの思考能力さえ失われてしまった。  いろんな人間や動物に犯させてきたから、今さら犬くらい、屁でもないのかもしれない。 「大型犬だから、ちょっと体重かかるかもしれないけど、危害は加えないからな」 「はいっ……」  一応そんな忠告をして、世良に合図を出した。  犬は世良の手から離れると、のそのそと重たい動きで迷いなく守に覆いかぶさった。  ごく小さな低い唸り声を断続的に上げ、よだれを垂らして、挿入口を探して押し付けた腰を上下させている。  そして、守のアナルに辿り着くと、いきり立ったペニスを躊躇なくぶち込んだ。 「んんんぐゥウウウッ……!」 (入って……きた……それに、何か、懐かしい感触が……まるで人間みたい……犬のオチンポって、こんな感じなの……)  守の率直すぎる感想に思わず失笑しそうになった。  犬の頭に触れる。こんなに核を突こうと集中しているにも関わらず、本当に何も聞こえないんだな、という感想を抱いた。神嶽の奴がどれだけ支配者として優れていたか、この期に及んでわかった気がした。  この守でさえ、最初こそ力を使いたくなかった想悟でも断片的には心の声が聞こえていた。それが怖いくらいにシンと静まり返っている。  動物なのだから人間のように思考が読めなくて当たり前? いや違う。  問題は、今の守を犯している“犬”が、守が探し求めて止まなかった兄・木村勝だということだ。  その尻は既に脱肛していて、人間の尻の穴はここまで拡がるものかと少し驚いたものだ。極太のプラグを固定していないとすぐに中身が出てしまう。それはアナルローズとも言うらしいが、確かにその様は薔薇に似てグロテスクなほどに美しく見えた。  所有する奴隷の身だしなみにも気を遣う人間がいてもいいというのは暗黙の了解であるようだが、それでもどんなに繕ったところで、彼が尻穴を性の捌け口として使われていると瞬時にわかる様相は、明らかに普通ではない。  こんな状態でもなお毎日のように犯されて、よく三年も生きていられたものだ。いいや、あえてわざと生かしておいたのか……。  それにしても、守の兄をすぐ処分しなかったとは、世良も良い仕事をする。  ただでさえこの施設は非人道的な輩の溜まり場だというのに、そこのVIP会員ともなる男だ。過去の奴隷などとっくに酷使されて野垂れ死んでいるのだろうと思っていた。  世良はクラブから勝を買った後も、独り占めはせず時にはクラブに顔を出させていたらしい。  だから今居る会員達も彼らが知らず知らずのうちに近親相姦していることはわかっている。そうして恩を売っておく辺りはさすがだ。  勝が神嶽に奴隷にされた頃には、世良は学生だった守と既に顔見知りではあったから、兄弟もろとも手に入れたかった。それには、勝の存在は守を嵌める為の重要なアイテムだった。そういうことだろう。  自分もまた彼の、クラブの野望のパーツの一部だったのかと考えると、どうしてもモヤモヤは消えないが……まあいい。そのおかげでなかなか良い思いができた。  世良とは一生気が合う未来が見えないが、想悟も世良も、明皇学園を愛していることには変わりない以上、学園の調和は保たれる。  長いため息をついて、想悟は今度は守の頭を撫でてやる。 「守。今度の奴はデカい鳴き声も上げない。ずいぶん訓練された犬だろ」 「はい……そうですね……少なくとも、オレなんかより、ずっとずーっと頭が良いんですよね、えへ、えへへへ」  確かに豚よりは犬の方が賢い。けれどそれは本当の犬であるならば、の話だ。  とっくにぶっ壊れているマゾ犬の勝の知性など計り知れない。昔は守より何でもできた優秀かつ狡猾な兄貴だったらしいが、今じゃ守より劣っているかもしれない。  そもそも素面で生徒いじめなんて考えつく時点でトチ狂っていると、想悟は冷静に思う。 「んあぁぁぁッ……しゅ、ごっ……気持ちいい……このオチンポッ、熱くて……オレの良いところわかってるみたいですぅ……相性、良いのかなぁっ……?」  ああ、駄目だ。こいつも同じくおかしくなっていた。いくらそういう風に躾けられたからといって、実の兄のペニスで悦ぶとは。  それに、二人の性格としての相性は良いとは言えないが、身体は悪くないようだ。  たぶん勝も、無意識に気持ちが良いようにピストンしているだけだが、守にとってはかなりちょうどいいサイズ感だったりするみたいで。  以前は女もまあまあ抱いてきたという色男の兄貴は、こうして男を抱くことも抱かれることも日常になった。

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